配管保全のお悩み

配管保全のお悩み ①配管の老朽化 経年劣化

作成日:2020年3月27日 最新更新日:2020年4月27日
著者:配管保全センター㈱ 代表取締役 藤田崇大

築年数と共に老朽化する給排水管

マンションも築20年を過ぎてからチラホラと水漏れ事故が起こり始めます。国交省のデータによると、築40年以上でも修繕積立金不足により、7割以上のマンションで給排水管の大規模修繕が行われていません(リンクのPDFデータの302ページ、337ページを参考)。
このようなマンションでは、築50年を過ぎると、毎年のように水漏れ事故が起きたり、排水管の詰まりが原因で、シャワーを浴びるとプールのように浴室の床に水が溜まってしまうようになります。

水漏れ事故は保険適用か否か

それでは、水漏れ事故が起きた場合に保険適用されるのでしょうか?世帯数の多いマンションでは、最初に起きた何件かの水漏れ事故については、何も問題なく保険会社から保険金が支払われることが多いといえます。ところが同じような原因の水漏れ事故が繰り返し起きると、「保険金が支払われない」「次期の保険金額が大幅に値上げされた」「これ以上、保険加入を継続できないと言われた」といったケースが増えてきます。

そもそも保険は、突発的かつ予測不能な事故や損失に支払われるという原則があり、同じマンションで水漏れ事故を何度も起こすと、予測できたのに何も手を打っていなかったとみなされて、保険が適用されなくなるのです。

こういったケースは築30年を過ぎたころから起き始め、、築40年を過ぎると、保険適用されないケースはかなり増えてきます。

保険適用外となる漏水事故事情

専有部の配管の交換や保全は自己負担

水漏れ事故は、共用部よりも専有部の住居内が圧倒的に多いのですが、これは、専有部の配管が細くて薄いために、経年劣化により破損しやすいからといえます。では、専有部の配管の交換や保全は修繕積立金でできるかというと、修繕積立金が使えるのは共用部のみで、専有部は自腹で支払はなくてはなりません。

専有部の配管の交換費用は、給水・給湯管は30~50万円、排水管は50万円から下手をすると100万円を超すこともあるかもしれません。築40年を過ぎて、「とてもじゃないけれどそんな出費はできない」と、ほったらかしたままだと、水漏れ事故がどんどん起こるという事態に陥るでしょう。

そういったマンションでは、築50年を過ぎると、排水管の高圧洗浄も断られるようになります。高圧洗浄をすると、高圧洗浄のコードが劣化した排水管のエルボー(L字)部分をこすって、排水管に穴が開き、かえって水漏れ事故を起こすことになりかねないからです。高圧洗浄ができないので、排水管はさらに詰まり、水があふれ出すようになります。結果的に、配管の交換費用とともに、自室や階下の壁やカーペットの交換費用も自腹で払うことになります。

マンションの専有部の配管を修繕積立金で交換するには

水漏れ事故を起こした場合の階下への賠償リスク

水漏れ事故が起きる頻度が高くなるほど、当然、下の階にまで水漏れが及び、階下の天井や壁、床、家財道具が水浸しになり、その損害を賠償しなくてはならないリスクも高まります。

下の階の床や壁を直して、家財道具を弁償するとなると、数百万円の出費になることもあります。保険適用になればいいですが、先に述べたように、水漏れ事故が繰り返し起きている場合、賠償費用は保険から支払われないという最悪のケースになってしまいます。

水漏れ事故が起きて被害者となった場合に、上の階の人が何も対応してくれないというケースも結構みられます。その場合、たいていは自分の火災保険でカバーできますが、その支払額が保険会社から加害者である上の階の人に請求されるケースも増えています。

そこで初めて上の階の人が、自分の個人賠償保険で支払おうとしても、経年劣化の場合、個人賠償保険でも支払われないことも多いといえます。

給排水管に関しては、できる範囲で最低限の保全をしておき、保険適用される状態を維持することが何よりも大切であるといえるでしょう。

マンションの個人賠償の包括特約を解約したい管理組合さんへ

 

動画:6分55秒 配管保全のお悩みを整理しました

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