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配管保全のための一般的な工法

2019年11月27日

2019年11月27日 配管保全センター㈱代表取締役 藤田崇大

工法を検討する際の3つの評価ポイント

確実な保全「効果」 工事や維持が「簡易」 予算内の「価格」

更新工事はベストな方法だが高額になる

「保険適用外となる漏水事故事情」にて、経年劣化による給水管・排水管の漏水事故は保険適用されないこと、対策として給水管・排水管の保全が必須であることを述べてきました。では、どのように給水管・排水管の保全をすればいいのか? ここは、これまで行われてきた配管を保全するための一般的な工法についてご紹介しましょう。

まず、管理組合に修繕積立金が潤沢にある場合は、配管を全面的に取り替える更新工事を行うことが、ベストの選択といえます。最近の配管の材質は、錆びない材質になっているので、更新工事をしてしまえば、取替え後は経年劣化による漏水事故を案ずる必要はなくなります。ただし、更新工事には以下のようなデメリットもあります。

更新工事のデメリット 概要
多額の修繕積立金が使われる ・更新工事は高額なため、多額の修繕積立金が使われる。その他に、資産価値を維持するための修繕工事などに使う予算が足りなくなる。
一時金徴収は理事会で

合意されにくい

・修繕積立金が使えるのは共用部の更新工事のみとなる。専有部も合わせて更新工事を行う場合、区分所有者から一時金として50~100万円を徴収する必要があるが、多額の一時金徴収は理事会で合意されにくい。

・理事会で一時金の徴収が決まった場合でも、リフォーム等で既に専有部の更新工事を済ませた区分所有者から、「一律の一時金負担は不公平」といったクレームが出ることもある。全世帯の賛成を得るのに多大な労力がかかり、合意とならずに工事が見送られることもある。

工事期間の生活が不便に 専有部の更新工事を行う場合、居住者は数日に及ぶ工事期間の生活が不便になる。また工事中は在宅している必要がある。

延命工法とされる更生工事も2回はできない

更新工事は費用がかかりすぎるため、配管の延命工法として用いられてきたのが更生工事です。更生工事では、まず配管の錆を砂等で研磨(サンドブラスト)してこそぎ落とします。錆が落とされて、むき出しになった鉄管部分は水に直接触れるので、そのままではすぐに錆びてしまいます。これを水に触れないように、エポキシ樹脂という青い樹脂で塗膜するのが更生工事です。

更新工事ほど高額ではなく、10~15年程度の延命になります。ただし、更生工事も以下のようなデメリットがあります。

更生工事のデメリット 概要
塗膜したエポキシ樹脂も劣化する  

・年月の経過と共に、塗膜したエポキシ樹脂が劣化して鉄がむき出しになり、再び錆びが進行する。

・更生工事後の10~15年間は、漏水に対する保証を工事業者がするが、保証期間が過ぎたあとは、また漏水事故のリスクと向き合うことになる。

・よって、保証期間を過ぎたあとは、再度、漏水事故が起きないように、なんらかの保全工事が必要となる。更生工事は鉄管を研磨(サンドブラスト)するので、鉄管の厚みが薄くなってしまう。このため、更生工事を2回行うと、逆に漏水事故が起きやすくなる。更生工事は原則1回しか行えず、結局は、更新工事等を行う必要性が生じてくる。

 

更生工事で塗膜した樹脂が劣化して水漏れの危険性が高まる

更生工事を行って10~15年経つと、塗膜したエポキシ樹脂も劣化して、鉄管とエポキシ樹脂の間に空間ができます。左の写真はできた空間に水が入り込み、鉄管が錆びて錆こぶができ、エポキシ樹脂を盛り上げてしまった状態です。こうなると、水漏れの危険性が高まるので、再度、なんらかの保全処置が必要となります。

その他の工法を検討する際の3つの評価ポイント

更新工事、更生工事とも専有部での作業が必要となり、それなりの費用もかかるため、その他の工法も選択肢としてあげられる場合もあります。それぞれの工法を検討する際には、確実に「効果」が得られることを重視し、かつ工事や維持が「簡便」で、管理組合の長期修繕計画の予算内の「価格」でまかなえることも重要といえます。

以下に更新工事・更生工事・その他の工法に関して、この3つの評価ポイントをまとめました。

「効果」「簡便」「価格」のそれぞれの面で、優位性のある項目を青色のバックで示しました。「効果」という面では、やはり更新工事がベストの選択となります。

その他の工法を検討する際の3つの評価ポイント「効果」「簡便」「価格」について、具体的に見ていきましょう。

評価ポイント1 効果

―閉塞の改善効果

配管の閉塞が確実に改善されるか?

最も重視すべき評価ポイントは、配管の「閉塞の改善」に効果があるかどうかです。その工法を採用することで、配管の錆やコブによる閉塞が抑えられて、確実に閉塞が改善されるかを確認しておく必要があります。一度保全工事をしても、何年かして再度、保全工事が必要となるなら、改善効果があるとはいえないでしょう。

採用前に工法を十分に吟味したか?

工法によっては「効果が出なければ返金します」といったふれ込みも見受けられますが、たとえ返金されても、効果が出なければあとが困ります。配管の劣化を抑えられずに漏水のリスクが高まり、早急な対応が迫られることになります。閉塞の改善効果は事前に十分に確認してお必要があるといえます。

 

―効果の範囲―

共用部だけか、専有部まで効果があるのか?

漏水事故は共用部の配管よりも、細くて、厚みも薄い専有部の配管で起きた件数が圧倒的に多いことがわかっています。選択した工法は、共用部だけの保全なのか、あるいは専有部の保全もできるのか? 効果の及ぶ範囲を確認しておくことも大切です。

 

給水管だけか、排水管まで効果があるのか?

また、給水管だけなのか、排水管も合わせて両方とも保全できるのかを確認することも大切です。中には比較的安価で給水管を保全する工法もありますが、排水管の保全も別途必要となるので、結局は高くつくことになります。

評価ポイント2 簡便

―工期と作業内容―

工事期間や室内作業の有無は?

室内での工事作業が何日も続いて、水回りが使えないなどの不便があると、日常生活に支障をきたしかねません。室内工事期間や具体的な作用内容を確認する必要があります。なるべく室内作業はなしで、短期間で済む工法が望ましいといえます。

 

―メンテナンスの必要性―

維持管理に手間がかからないか?

保全装置によっては定期的にメンテナンスが必要な場合もあります。また、故障した場合に、専門の修繕スタッフを呼んでもすぐに来てくれない場合もあります。メンテナンス等にどれだけの労力がかかるかも知っておく必要があります。

評価ポイント3 価格

―予算を超えない価格

修繕積立金の予算内の金額か?

マンションでは築20年頃から、給水管・排水管の保全だけでなく、外壁工事や屋上の防水工事、その他にもバリアフリー化等、さまざまな修繕が必要となってきます。それには長期修繕計画を立ててマンションの資産価値の維持・向上に努めることも大切です。配管保全も修繕計画の1つとして、予算内でどの工法が最適かを選択することになります。

 

リースや分割払い

リース契約の有無や支払い条件は?

たとえば、配管保全に予算をオーバーする多額の支払いをすることになった場合、他の修繕が早急に必要になっても予算が取れません。修繕積立金が溜まるまで待つと、劣化が進んでさらに修繕コストがかかる場合もあります。配管保全の費用は一括払いではなく、リースや分割払ができるかどうかも大切なチェックポイントとなります。

 

ランニングコスト

電気代など稼働コストと維持費は?

保全装置によっては稼働させるための電気代がかかったり、多額のメンテナンス費用がかったりする場合もあります。設置や初期コストだけではなく、ランニングコストやメンテナンスコストといったトータルでの保全費用をあらかじめ概算する必要があります。

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