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給湯管の漏水事故多発 減圧弁が原因かも⁉

2022年7月1日
この記事のカテゴリー : 給水・給湯管の保全

築年数が25年あたりよりも古いマンションで最も多い漏水事故が、専有部内の給湯管にピンホールが出来て漏水するケースです。

築25年以上であれば、給湯管はほとんどが銅管なのですが、潰食(かいしょく)という現象によって配管内にピンホールが出来てしまうことが多いといえます。イラスト①にその様子を示しました。

銅管の特徴として、鉄管よりもやわらかいということがあります。

給湯管には熱いお湯が通りますが、水温が高いため水中に気泡ができ、その気泡が銅管がカーブするエルボー部分にぶつかり続けると、銅管に小さなピンホールができます。この現象を潰食といいます。

この潰食があまりに頻発するので、最近では管理組合主導で、全戸の給湯管を取替えるところも増えてきています。

ただ、全戸の給湯管をすぐに取り換えるほど、修繕積立金に余裕がないことも多く、数年の間は漏水事故が起こらないように祈るしかない状況だという管理組合さんも少なくないのではないでしょうか。

イラスト①

その場合、水道メーターの手前についている減圧弁によって銅管の潰食による漏水事故を減らせるかもしれません。

今回の動画では、減圧弁を新たに設置したり、取替えることで、銅管からの漏水事故を減らせる可能性についてお話しますので、是非最後までご覧になってください。

なお、減圧弁は、下の画像の赤丸で囲んだもので、発砲スチロールで保温されていることが多いです。

画像①

潰食の原因例

まず、給湯管の銅管が潰食になる原因の例としては、以下のようなものがあげられます。
① 施工時の品質
② 銅管の材質の不均一
③ pH値、水質
④ 使用頻度
⑤ 銅管内の流速

ただ、ここにあげた①から③までの原因については、改善するには配管を取替えたり、水質改善のメンテナンスが必要となり、大変な費用がかかります。

また、④の使用頻度については、シャワーや食器洗いの時間を減らすといったことですが、実際に使用頻度を減らすことは難しいですね。

一方、⑤の銅管内の流速については、減圧弁をきちんと設置することで改善できる可能性があります。

減圧弁で水圧を適正に抑えることで、銅管内の流速を遅くすることができ、その結果、潰食はある程度、起こりづらくなるからです。

築古マンションの各階の水圧例

築年数が古いマンションでは、そもそも、3階から5階程度までの下の階にだけ、減圧弁が設置されていて、それよりも高い階では減圧弁がないケースが少なくありません。

そのような場合、各階の水圧がどの程度になるかをイラスト②で例示しました。

イラスト②

単純化するために、1フロアの高さを3m。屋上の床から高架水槽までは8mと仮定しました。

イラスト②の左側の例では高架水槽から自然落下で、下の階に水が給水される場合を示しています。

高架水槽から10階の床下までは8mと1フロア分の高さの3mの合計で11mになり、10階の水圧は1.1キロとなります。そこから1フロアごとに、0.3キロ増えますので、減圧弁がないとすると、1階では3.8キロになります。

減圧弁が1階から3階までしか設置されていないとすると、6階が2.3キロ、5階が2.6キロ、4階が2.9キロと高めの水圧になります。

このような場合は、少なくとも4階、5階、6階だけでも減圧弁を設置すれば、給湯管内の流速が抑えられ、潰食のリスクをある程度抑えることが期待できます。

先ほども申し上げましたが、潰食の原因は様々なので、減圧弁を設置すれば、必ず潰食を抑えられるというわけではありませんので、そこはよくご理解ください。

イラスト②の右側の例は、増圧ポンプや加圧ポンプで1階から10階まで給水しているケースを示しています。

通常、最上階の水圧が2キロになるようにポンプの圧力を設定することが多く、この場合、減圧弁がないとすると、1階の水圧は4.7キロとかなり高めになります。

築古のマンションで、仮に減圧弁が1階から4階までしか設置されていないとすると、5階から9階までは2キロ以上となります。特に5階は3.5キロとかなり高い水圧になるのがわかりますね。

こういった場合は、最上階まで減圧弁を設置すれば、給湯管内の流速が抑えられ、潰食のリスクをある程度抑えることが期待できます。

なお、減圧弁は、8年~10年程度で取り替えることを減圧弁メーカーは推奨しています。

減圧弁が劣化すると、設定している水圧よりも低くなったり、高くなる場合があります。

水圧が低くなると、シャワーの水の出が悪くなることがあります。

水圧が高くなると、流速が早くなり、潰食のリスクが高くなりますので、給湯管からの漏水が始まったマンションでは、特に、減圧弁をきちんと設置・交換していくことをお勧めします。

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