2024年7月26日
この記事のカテゴリー : 給水・給湯管の保全

配管の置かれている環境や、施工状態等でも配管の寿命は変わってきます。耐用年数というのは、あくまで目安ですから、耐用年数が40年だから必ずそのあたりで一斉に取替える必要があるかというと、それは状況によると考えております。
関係省庁や、関連協会にも問い合わせてみましたが、明確に耐用年数というのは定義されていませんでした。
なお、管理会社によっては、耐用年数は半永久として、長期修繕計画上に取替え費用を計上していない場合もあります。
ステンレスの場合は、ステンレス自体は半永久ですが、継手のパッキンが半永久ではないという考え方もあります。
これが正解というものが今のところなく、それぞれの管理組合での判断となるのが実情です。
受水槽や高架水槽は毎年、清掃しますが、配管内も同じように汚れるといえます。
配管内にヌメリが付着して、配管の表面がまっ茶色になるまで汚れている場合も多数ありますので、ヌメリの状態を確認して、必要であれば、配管内を洗浄することは、衛生面を考えると意味があると思います。
ただ、これらの配管の場合、内視鏡調査で漏水しそうかどうかの検証はできないため、配管を取替えるべきかどうかという観点で内視鏡調査をすることは、ほぼ意味がないといえるのではないでしょうか。
上手くいけば、半永久的に持つ可能性もあります。また、今後、10年、20年と経てばステンレスもポリエチレン管も劣化が進み、各マンションでの漏水状況も把握できるようになると考えられます。
その時点で、「うちのマンションももう少し、予備費として組んでおいたほうがいいだろう」といった対応をしても現時点では遅くはないと考えます。
なお、さきほど話題に出ましたが、配管内の衛生面を維持するために、10年~20年に1度、給水管内の洗浄費用を計上しておくのもいいでしょう。
また、洗浄費用自体も削減でき、ヌメリ防止及び、排水管の詰まりの抑制効果も期待できる延命装置設置を検討するのもよろしいかと考えます。
