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こんなに違う?! 蛇口からの水の出 省エネ大賞受賞の配管継手
2023年4月28日
この記事のカテゴリー :
給水・給湯管の保全
築25年以上のマンションでは、給湯管から漏水し始めるため、どこのマンションでも専有部内の給水管と給湯管の取替え工事を行うようになります。 区分所有者が各自行う場合もありますし、管理組合主導で一斉に取替える場合もあります。 取り替える給水管・給湯管の配管の材質は、現在では架橋ポリエチレン管が使われることがほとんどですが、配管と配管をつなぐ継手にはどんなものが使われるのか、考慮されないことがほとんどかもしれません。 継手というのは、配管と配管をつなぐための部品で、配管の方向を変えたり、分岐させるところで使われます。下のイラストの例では、赤丸の部分が継手にあたり全部で31個使われています。この31個という数は、それほど多いわけではありません。 継手は配管よりも細めで曲がっていたりするため、継手に水が通ると、どうしても水圧が下がってしまいます。例のように31個も継手があると、継手の種類によっては蛇口から出てくる水量がかなり少なくなる可能性があります。 特に、マンションの上層階では水量の問題は重要で、2ヵ所以上で水を同時に使うと、十分な水量が得られないことが多いかと思います。お風呂でシャワーを浴びていて、急に水量が落ちたと思ったら、キッチンで洗い物をしていたといったことですね。
そこで今回は、他社製品と比較して水量にかなり差が出る「知る人ぞ知る継手」についてお話します。 専有部の給水・給湯管の取替えを検討されている方や、いずれ交換するという方にとっても有益な情報となりますので、ぜひ最後までご覧ください。
動画
オンダ製作所の継手の紹介動画
では、ここで動画をご覧いただきますが、これをご覧になると継手の重要性がわかります。継手メーカーのオンダ製作所さんの4分ちょっとの紹介動画で、継手の商品名は「レボス」です。「継手の違いで、水量がこんなにも違ってくるのか!」と驚かれるかと思います。 動画① 4分16秒:
レボス紹介 オンダ製作所の動画より抜粋
今回の動画は、オンダ製作所さんの自社製品との比較でしたが、他社の製品と比較した動画もYouTubeにいろいろアップされているようですので、ご興味のある方はそちらもご覧になってみてください。 家庭での水量の違いは、一つの蛇口を使うだけでは、あまり実感できないかもしれませんが、同時に使う蛇口の数が多いほど、水量の違いを感じられると思います。 なお、レボスの継手を使って専有部の給水・給湯管を新たに取替えたとしても、以下のような原因で水量が多くなったと感じられない場合もあります。 ・ポンプの設定圧力が弱い ・共用部の給水管が錆びによってかなり閉塞している ・各戸の水道メーターの手前についている減圧弁が劣化している ・蛇口手前のフィルターの詰まり ・新規配管を無理に曲げて配管する等の不具合 ・屋上の高架水槽の高さが十分でない ・逆浸透膜等の圧力損失が大きいフィルターを使っている 以上のような場合は、それぞれ対策を取る必要があると言えます。とはいえ、圧力損失が他の継手製品と比べて少ないレボスを継手として使うのは、前向きな選択と言えるかと思いますので参考にしてみてください。 なお、価格については、他の製品と同等です。 耐用年数についても、現時点では、それほど差があるとは言われておりません。 それから、動画内では「圧力損失が少ないのでポンプで同じ水量を流すのに、必要な電力が半分以下で済む」と説明されていましたが、レボスは一般財団法人 省エネルギーセンターが主催する2019 年度 省エネ大賞の製品・ビジネスモデル部門において、最高賞にあたる経済産業大臣賞を受賞しています。住宅の配管等において流量不足を解消し、省エネに大きく寄与するものとして評価され、 受賞に至っています。その様子がご覧いただける受賞動画のワンカットをご覧ください。 動画② 26秒:
レボス 省エネ大賞 オンダ製作所の動画より抜粋
このレボスの効果によりポンプの電力消費量が削減できるかどうかは、給水方式によって変わってきます。次に、いくつか給水方式の例を挙げていますので、見ていきましょう。 ① の受水槽+高架水槽方式の場合は、受水槽から高架水槽に水を揚げるために揚水ポンプを使っていますが、高架水槽から各家庭への給水は自然落下となり、高架水槽にはポンプは必要ないので、レボス効果によって電力消費量が変わるということはありません。 ②は直結直圧方式で、この場合もポンプは使ってないので、レボス効果によって電力消費量が変わるということはありません。
一方、③の直結増圧方式や④の受水槽方式では、レボス効果によって増圧ポンプや加圧ポンプの消費電力の削減効果を期待できます。ただ、実際に、消費電力としてどれだけ削減されるかは、共用部の立管の長さや劣化度合い、マンションの階数、逆浸透膜等の圧力損失の大きいフィルターの有無等で、マンションによってかなり異なるかと思います。 このようにポンプの電力の省エネに関しては、給水方式等によって変わってきますが、いずれにしろ、各世帯で水やお湯を同時に使用した際には、水量の違いを感じられる可能性が高いと言えるでしょう。
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