修繕積立金・水漏れ保険

ファミリータイプのマンション 20万円台で給水・給湯管を取替える裏ワザ 前編

2021年11月20日
この記事のカテゴリー : 修繕積立金・水漏れ保険

マンションに長く住み続けるのであれば、「専有部の給水・給湯管は、どこかのタイミングで取替えたほうがいい。そうでないといずれは水漏れに悩まされることになるから。」
これは、多くの管理組合で共通した考えだと思います。

ところが、専有部の配管は原則として、管理組合の管轄外で、長期修繕計画にも盛り込まれておらず、管理組合主導で更新を行うことに関して、住民からの同意を得るのは「とてもじゃないけど難しい」と思われるのではないでしょうか。

特に、水回りが広範囲になるファミリータイプでは、内装復旧まで含めると世帯あたり50万円から高ければ100万円前後かかる場合もあります。全戸で配管の取替えを行うと大規模修繕並みの出費になり、管理組合主導で一斉に取替えを進めるのは、なおさら、難しいですよね。

実は、配管の取替えは、リフォーム時に一緒に行ってしまうのがベストで、なんといっても断然安くすみます。

各区分所有者がリフォームを行う際には床や壁を剥がしますから、給水管・給湯管を一緒に取替えるようにすればいいということですね。

管理組合はリフォーム時の給水・給湯管取替えのガイドラインを作成し、補助金を支給するようにします。

そうすれば、配管の取替え自体は、ファミリータイプでも20万円台で実施できるので、管理組合にとっても、各区分所有者にとっても、たいへん大きな費用削減につながり、ひいては、修繕積立金の節約にもなります。 今回の投稿記事では補助金20万円台でファミリータイプの専有部の給水・給湯管を取替える「裏技」を詳しくご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

20万円台で配管工事を行う方法

まず、ファミリータイプの専有部の給水・給湯管を20万台で実施するための、基本的な考え方を簡単にお話します。

1.実施タイミング

一番のポイントはタイミングで、配管の取替えを「いつやるか」です。

で、タイミングとしては、「各区分所有者が個別にリフォームを行うとき」ということです。

リフォームでは、床や壁を剥がしますから、その時についでに、配管を取替えるのが一番安くつきます。「そんなの当り前じゃないか」と思われるでしょうが、実は、リフォームの際に、配管まで取替えるケースは、それほど多くないんです。

リフォームする人は、キッチンはどんなのにしようとか、ユニットバスもこの際、取替えるかといった内装の内容ばかりに注目し、配管を取替えなくてはいけないという考えは、誰かから言われなければ思いつかないと。一方、リフォーム業者も、配管工事も行えば、その分、限られた予算が、配管工事の費用にとられ、自分の売上分が減りますから、積極的に配管も取替えましょうとは、言い出しません。ということで、リフォームをしても、配管は放っておかれたままというケースがとても多いんです。

  そこで、管理組合がリフォーム時に配管も取替えるよう周知・啓蒙し続けることをお勧めします。そうすれば、リフォーム時の配管取替えも進むでしょう。配管工事業者は床や壁を剥がし配管を取替えるだけで、剥がした床や壁の復旧は、リフォーム会社に任せることができます。配管工事業者には、配管作業の費用だけを支払えばいいということになりますね。

リフォーム中ですから、どっちにしろ床や壁はリフォーム会社が張り替えます。仮に、キッチンのリフォームは予定していなかったとしても、リフォームのついでにリフォーム会社がキッチンも復旧してしまえばいいのですから、復旧費用も安くつきます。

ということで、配管工事の費用自体はファミリータイプでも20万円台となり、しかも1日で実施できる可能性が高くなるということです。

こちらは、以前の投稿記事「マンション専有部 給水・給湯管の取替え いくらかかる? 4社で見積比較」で紹介した4社からとったファミリータイプの給水・給湯管の取替えの見積もりです。例えばA社の場合は、配管工事のみの費用は20万円以下の見積もりになっています。これに諸経費を加えても、20万円台となることが予測できますね。

2.補助金の支給

ただ、リフォームを行う区分所有者の立場にたつと、どうでしょうか。

リフォーム時についでに、配管工事もしてしまえばいいと言っても、配管工事費用の分、予算が多めにかかってしまうことになります。

管理組合がいろいろと言ってきてるけど、配管工事に費やすお金があれば、その分、内装を充実させたいと思う方も多いでしょう。

配管の劣化が将来どういったトラブルにつながるかを認識していないと、配管は普段は目につかない部分でもあり、配管を取替える重要性をあまり理解されていない場合が多いといえます。

ということで、各区分所有者の配管取替えを促すために、管理組合が補助金を修繕積立金から支給するという方法があります。

管理組合が補助金を出して、各自がリフォーム時に配管の取替えを励行すれば、マンション全体としては、配管の取替え費用は単価20万円台となり、結果的に修繕積立金を大幅に節約できます。

一方で、補助金を出さない場合は、リフォーム時の配管取替えは進まず、漏水リスクがどんどん高まっていきます。

年を追うごとに漏水が増えて、どうにもならなくなり、未更新のところを管理組合主導で取り替えるにしろ、各自が自己負担で取り替えるにしろ、配管の工事費用は50万円以上になり、修繕積立金を大きく切り崩すこととなってしまいます。

いかがですか? 補助金を支給したほうが、修繕積立金の節約につながるというのがおわかりいただけますでしょうか。ただし、「修繕積立金は住民間の公平性を保ちながら使う」ということに留意する必要があります。このあたりをどうクリアしていくかは、後編でお話しますね。

また、以前のこちらの投稿記事も参考になりますので、ご覧になってみてください。「専有部の給水・給湯管 組合主導で一斉更新する際の7つの留意点

3.ガイドラインの設定

リフォーム時には給水・給湯管を取替えるように管理組合が依頼しても、区分所有者としては、どの部分をどういった材質で取り替えたらいいのかわからず戸惑ってしまいますよね。

ということで、管理組合としては、リフォーム時にどういった取替えを行うべきかのガイドラインを予め作成して、区分所有者に周知しておく必要があります。

内装の復旧部分は含まれないので、かなりシンプルなガイドラインでも大丈夫ですから、管理組合で協議の上、作成されるとよいと思います。

具体的には、

<対象となる配管>
専有部の給水・給湯管すべて
・水道メーターの二次側から蛇口及び給湯器までの給水管
・給湯器から蛇口までの給湯管
・給湯器からバスタブまで追い炊き用(銅管部分)のペアチューブがある場合は往復2本分

<材質>
・ポリエチレン管を使用

といった程度です。

あとは天井や床下、壁のどの部分を開口するのか、モデルとなる部屋でサンプル表示すれば、わかりやすくなります。

今回はここまでとなります。

後編では、こちらの内容をお話します。
・補助金制度の合意を総会で得るに至る道のり
・実際にリフォームを行う際の具体的な手順

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