2023年6月30日
この記事のカテゴリー : 排水管の保全

キッチンのすぐ横に立管があればいいのですが、キッチンから立管までの距離がかなり長い場合もあります。
高圧洗浄の作業中、あるいは作業後でも、専有部の排水管がきちんと洗浄できているかどうかをチェックするのは難しいといえます。
そこで、それぞれの部屋の排水口から立管までの距離を居住者が把握しておくことが重要になります。
洗浄作業を見ていれば、少なくとも洗浄ノズルの先端が立管までたどり着いてるか、おおよそチェックできるでしょう。
洗浄コードを入れた排水口から立管までは5m以上あるのに、作業を見ていると、コードが5mも挿入されているとは思えないとなれば、コードは立管まで届いていないといえ、きちんと洗浄されていない可能性が高いということですね。
排水管が床下でどのように配管されているかは、竣工図面をみればある程度はわかりますが、普段、図面を見慣れていない方が、排水管から立管や排水管の合流部までの距離をそれぞれでチェックするのは、かなり難しいと思います。
管理組合で、部屋のタイプごとに、排水管のレイアウトを視覚化して、各世帯の居住者に予め配布しておいたり、なるべく居住者が洗浄作業に立ち会っていただくように伝えていければ、しっかりとした洗浄作業が行えることになるかと考えます。
また、各部屋のそれぞれの排水口から洗浄ノズルを何メートル程度いれたか、作業員が作業後に予め作成したチェックリストに記入して、管理組合に提出するといった制度を取り入れれば、より洗浄作業がきっちりと行える可能性は高まります。
こういった状況を回避するためには、下のイラストのように、専有部の排水口から立管にたどり着いた時点で洗浄を終わらせるのではなく、1階下の階の立管と横引き管との接続部より少し下まで、洗浄を続けるのが理想的と言えます。
立管に一番近い排水口から立管までの距離がxメートルであれば、1階下の接続部までの3メートルを足したxメートル+3メートル分のコードが挿入されないと、該当部分までたどり着いていないと判断できますね。
他には、
・ マンションの階数に応じた十分な能力を備えた高圧洗浄車なのかどうか
・ 高圧洗浄のコードが排水管内でひっかかって、外れなくなった場合に、外せる技術を持っているのか
・ 整備された作業マニュアルがあり、それを作業員が履行しているか
・ 配管内の内視鏡画像の報告書サービス
等、他にも留意点はありますが、また別の機会にお話いたします。
