2022年9月9日
この記事のカテゴリー : 排水管の保全
画像①
格安内視鏡で、どの程度まで調査できるのかがわかると思います。また、キッチンの排水管に付着した油などの堆積物が水を流すと流れていくのかどうかもご覧いただけますので、ご興味のある方は是非、最後までご覧ください。
図①
昨年の3月に約4千円で購入したものですが、今ではもっと安くなっているのかもしれません。 インターネットで、「内視鏡」、「スマホ」で検索したら、千円以下のものも検索結果として出てきます。 あまり安すぎるものは、どうかと思いますので、まあ、3千円以上のものをお買いもとめになってみるのがいいかもしれません。 画素数は、200万画素で、画質については、後ほど動画で確認いただけます。 バッテリーは、2200mAhで3-4時間の使用が可能と記載されています。電池がなくなれば充電可能ですし、交流電源につないだままでの使用も可能です。 動画と静止画のどちらかを選択でき、コードの長さは3.5mです。 図①の左下の画像のようにコードは手で曲げたらある程度、その形が維持される程度の硬さです。 先端に6個のLEDがついています。実際の明るさも動画でご確認いただけるかと。 先端のカメラやコードは防水仕様ですが、水中には10分以内で使用することをお勧めしますと記載されています。実際には、ひとつの配管で10分も水中に入れるということはないと思いますので、十分の仕様と思われます。 先端のカメラは直径8.5mmで、長さが4㎝程度です。 撮影した画像は、スマホにWiFiで接続して見るようになっていて、接続のための操作は、説明書に記載されており、それほど難しくはありません。 排水管の中の汚物が、先端のカメラに付着しやすいため、画像②のように先端のカメラに装着するオプションのヘッドがセットになっているものを購入されることをお勧めします。 画像②の右側のものは、パイプ用のオプションのカバーです。また、左側はオプションの鏡で、配管の側面を撮影できます。画像②
画像③
トラップをはずす様子を動画でご覧ください。 動画:「洗濯機 トラップをはずす」 まずは、エルボを外します。次に目皿をはずします。次に封水筒を反時計回りに回してはずします。結構、固くかたまっている場合が多いので手袋等を使ったほうがはずしやすいです。次に泡防止パイプをはずします。最後に仕切筒をはずせば排水管の入り口が見えてきます。 では、洗濯機の排水管を内視鏡で見ていきましょう。パイプ用のオプションを先端に装着した内視鏡を挿入していきます。 動画:「洗濯機 排水管」 配管が曲がったところをエルボーといいます。ひとつめのエルボー、ふたつめのエルボーを過ぎると、コードがたわんでしまい、これ以上進めませんでした。それでも約80センチほど挿入できました。 どこの排水管でも同じですが、あまり挿入しすぎると、内視鏡が配管にひっかかって、ぬけなくなったり、排水管が破損してしまうこともありますので、十分ご注意ください。 配管内の状態としては、毛髪や糸くず等による詰まりで口径が小さくなっているところはなく、特に問題はありませんでした。 また、排水管が下り坂でなく、上り坂の逆勾配になっていると、配管の下に排水が滞留しています。撮影した範囲では逆勾配は起きていないようです。画像④
動画:「洗面所 排水管」 ひとつめのエルボーを過ぎてから、コードが引っかからないかを確かめるために、行きつ戻りつ、ふたつめのエルボーを過ぎ、約110センチほど、挿入できました。 配管内の状態としては、詰まりや逆勾配もなく、特に問題はありませんでした。画像⑤
今回は、洗い場のトラップからの排水管をご覧ください。 まず、トラップの外し方をご参考までにご覧ください。 動画:「浴室 洗い場のトラップの外し方」 洗濯機の封水筒と同様に、封水筒を反時計回りに回してはずします。 それでは、トラップから排水管立管に向かう排水管内を内視鏡でご覧ください。今回のトラップでは、パイプ用のオプションヘッドを装着すると、内視鏡を挿入できなかったので、パイプ用のオプションを装着せず、標準のカメラで挿入していきます。 動画:「浴室 排水管」 パイプ用のオプションのヘッドを装着していないので、内視鏡のカメラが配管の壁にへばりついてしまい、配管内がよくわからないですね。見えてる範囲では、それほど汚れているわけではありませんが、60㎝ほど進んで壁の汚れがカメラに付着して見えなくなったため撮影をやめました。画像⑥
動画:「キッチン 排水管」 このキッチンでは生ごみを粉砕して排水管に捨てるディスポーザーを使用しており、排水管内の壁面に油を含んだ汚物が比較的厚く付着しています。 ひとつめのエルボーから先は、床に水平に配管されています。勾配がゆるく、排水管の底に水が若干滞留していて油などの堆積物も付着しています。 ふたつめのエルボーでは右側がコンクリートの床に面した側です。堆積物が少し付着していますね。 ふたつめのエルボーから先は、カメラの天地が回って左上がコンクリートの床面です。排水が通る道の左右に堆積物が付着しているのがわかります。 今回は1m50㎝ほど挿入できました。 では、ここで、キッチンの蛇口をいっぱいひねって、水道水を流して油などの堆積物が流れるかどうか動画でご覧いただきます。 動画:「キッチン 排水しても堆積物が流れない」 左上のほうが排水管の底ですが、水を流す前から少し水が溜まってます。十分な勾配がないということですね。 10ℓ排水しても堆積物が付着し続けているのがわかりますね。このまま内視鏡を引っ張って戻していく映像をご覧ください。10ℓの排水だと見づらいので排水の量を減らします。 24秒くらいのところですが、排水が流れていない側面に堆積物が付着しつづけているのがわかります。 油の捨て方や高圧洗浄の頻度によっては、付着した油が固着してその上にさらに油が付着して配管を閉塞していく可能性があります。これは、錆びない塩ビ管ですが、日々のケアが必要だというのがおわかりいただけるのではないでしょうか。業者が高圧洗浄した直後に、堆積物が固着していないか内視鏡でチェックしてみるのもいいですね。 また、前回の投稿記事で油の固着をなるべく防ぐために、鍋にお湯を貯めて一気に流すとお話しましたが、流動式セラミックス方式の延命装置と合わせて、油の固着をなるべく防いでいくこともお勧めです。イラスト①
いかがでしたでしょうか。参考になりましたでしょうか。通販で買った4千円の内視鏡カメラでも、パイプ用のオプションヘッドを装着して挿入すれば、それなりに排水管内を見ることができるとわかりました。業者に依頼すると数万円かかりますので、管理組合でひとつ保管しておいて、排水管の劣化調査や詰まりの際など必要に応じて利用できるようにしておくのもいいかもしれません。 ただ、挿入しすぎると、内視鏡がひっかかって抜けなかったり、排水管を破損してしまうリスクもあります。十分ご注意ください。 また、トラップをはずしたあとは、きちんともとに戻すことにも注意が必要です。締めが緩いと漏水したり臭いが出たり、反対に閉めすぎると配管が破損したりしますので慎重に取り扱ってください。 なお、ご自分で撮影したとしても、配管の材質や、配管の劣化の度合いがどれくらいなのかはわかりにくいと思います。具体的にどういったアクションを起こすべきか、助言がほしいと思われる管理組合さんや、一棟賃貸マンションオーナーさんは、配管保全センターにお気軽に問い合わせください。