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ユニットバスを壊さずに排水管の立管2本取替える事例紹介

2022年11月2日
この記事のカテゴリー : 排水管の保全

マンションの排水管の立管は、通常は水道メーターやガスメーターが格納されているパイプシャフト内や、トイレの裏といった専有部内の壁の裏にありますが、その場合は、特に問題なく立管を取替えることができるでしょう。

ところが、ユニットバスの裏に排水管の立管があるケースでは、多くの場合、ユニットバスを壊して立管を取替えなければなりません。ユニットバスを壊して、工事後に新しいユニットバスを設置しなおす費用だけで100万円近くかかったりします。

そのうえで、排水管の立管も取替えるわけですから、2本取替える場合、さらに50万円~80万円近くの取替え費用が必要となります。

今回の投稿記事では、ユニットバス裏の排水管の立管2本をユニットバスを壊さずに、取替えた工事の事例をご紹介します。

世帯当たりの費用がどれだけだったかについてもお話しますので、ぜひ最後までご覧ください。

イラスト①

動画

 

対象マンションの概要

今回の取替え工事は、1階から7階までの排水管の立管2本の取替えを行いました。

排水管の立管は、イラスト①の左下の画像に写っているユニットバスの裏側にあります。

1本はトイレからの汚水管である鋳鉄管の立管と、もう1本はキッチン、洗面所、洗濯機、ユニットバスからの雑排水が流れてくる白ガス管の雑排水管の立管です。

イラスト①で、灰色で示した排水管の横引管はサビない材質の樹脂管である塩ビ管でした。

通気管も塩ビ管でしたので、これらの塩ビ管の取替えは行いません。

今回は、鋳鉄管の立管と塩ビ管との接続部まで、それから雑排水管の立管と塩ビ管との接続部までの取替えを行います。

取替え工事を行うために、まず、ユニットバスの壁の1面の半分をイラスト①の左上の画像のように開口し、排水管の取替えが終わったら、新しいパネルを開口した部分に貼りつけて復旧するという工程です。

ユニットバス裏の工事前の配管の様子

配管を取替える前のユニットバス裏の配管の様子を動画でご覧ください。

ユニットバスの下に配管されている雑排水管の塩ビ管が白ガス管の立管につながっているのが分かります。

白ガス管の立管の左隣が塩ビ管の通気管です。

その隣が、鋳鉄管の汚水管の立管です。

立管から塩ビ管が横に延びて、トイレまで続いているのが分かります。

壁づたいに3本の立管が上の階まで行っているのがわかります。

立管を取替えるには、この上の階と下の階のコンクリートを斫(はつ)って既存配管を抜き、新しい配管を差し込む必要があります。

今回の工事の工程

今回の工事の日程は、初日に1階から7階まで全てのユニットバスの壁を開口します。

画像①の「UBの壁を開口」のところです。

開口部はきれいな直線にはなっていませんが、ユニットバスのパネルが薄いために、丁寧に切ってもどうしても直線にはなりません。綺麗な直線にはならないことは、住民の方々に説明をしてご理解していただきました。

画像①

2日目に全ての階の既存の排水管の立管2本を取替えます。

画像①の「排水管取替え作業中」のところです。

コンクリートを斫り、鋳鉄管が抜かれた様子がわかります。

画像①の「新規配管取替え後」で遮音カバーに入った新しい配管が取り付けられたことがわかります。新しい排水管の材質はイラスト②に示したように、耐火仕様の塩ビ管で、立管部は遮音カバーに挿入して配管します。

イラスト②

3日目に、全ての階の仮復旧を行います。新しいパネルを貼るために、まず補強のボードを貼りつけていきます。

なお、実際の工事では、2日目に3日目の仮復旧まで終わらせてしまいました。

4日目に全ての階のパネルを貼りつけます。

パネルを貼ってコーキングした様子を動画でご覧ください。

新しいパネルを上から貼りつけるので、どうしても5mm程度の厚みの段差ができてしまいますが、事前に住民の方にはご説明していたことと、仕上がりは綺麗になりましたので喜んでいただけました。

ご参考までに、他の階での例を画像②でご覧ください。

画像②

鏡のサイズや棚の数等は、標準のものを管理組合で事前に住民の方に説明し、工事前の全室調査の際に、パネルの色や棚の数等をヒアリングして、それぞれの階のリクエストに応じて仕上げました。

全ての階で、既存の壁の仕様が異なっていましたが、無事、工事を終えることができました。

工事期間中の断水について

工事期間中の断水についてご説明しておきます。

2日目の工事の日中に限っては、工事対象の系統の部屋は水を使えません。

なお、お風呂以外は2日目の工事の日中以外は水を使えます。

お風呂は4日間、パネルを貼る作業を終えるまで水を使えません。お風呂の水を工事中に使ってしまうと、開口したところに水が流れ込んでしまう可能性があるからです。

今回、排水管の立管2本を取替える費用は、標準仕様で世帯あたり約58万円でした。

ユニットバスを壊さなくてはいけないと言われていた住民の方々には、この費用で済んだことで、たいへん喜んでいただけました。

また、工事日程も、別の業者から提示されていた日数よりも大幅に短縮でき、断水も最小限にできました。長期間不便を強いられることがなかったので、これに関しても住民の方々にとても喜んでいただけました。

なお、工事で撤去した既存の配管内の劣化状況や、工事に至るまでの準備について、また、工事2日目の配管の取替えでは特に騒音が激しくなるので対策を講じました。それらについては、別の機会にご紹介する予定です。

今回の工事では、工事前から理事会の方々が準備と情報発信にとても熱心に取り組んでくださいました。また住民の方々にもご協力いただき、工事を円滑に進めることができました。ありがとうございました。

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