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直結給水方式への変更に必要 水道引込管の増径工事 事例紹介

2022年8月19日
この記事のカテゴリー : 受水槽の保全・直結化

マンションの給水方式を受水槽や高架水槽を経由したタンク式から、タンクを経由しない直結式に変更する場合、多くのケースで水道の引込管の増径工事が必要となります。

増径工事とは、道路下にある水道局の本管から、マンションの親メーターにいたるまでの引込管を口径が細いものから太いものに変える工事です。

タンク式の場合は、ゆっくりタンクに水を貯水すればいいのですが、直結式の場合は最も水が使われる時間帯の水量を、問題なく通水できるように、引込管の口径を太くする必要があるのです。

図①

増径工事は、マンションの前の道路の土を掘り起こす土木作業が必要となり、歩行者や車の通行の妨げになるため、交通整理をする誘導員も必要で、工事費用としては高額になります。

東京都の23区といったところでは、現時点では水道局が工事費用を負担してくれますが、その他の地域では管理組合負担となります。

管理組合が総会で直結給水方式の切替えを議案としてあげるには、理事の方々が、「増径工事とはどういった作業か?」をある程度把握されているほうが説得力は増しますね。

今回の投稿記事では、東京23区のとあるマンションでの増径工事の代表的な工程をピックアップしてご紹介します。増径工事って、こういうことをするんだなとおわかりいただけると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

動画

 

今回の増径工事の概要

まず、今回の増径工事の概要についてお話します。

図②の左側の画像にあるように、親メーターと仕切弁の口径を30Aから40Aに替えます。

図②

本管と既存の引込管の想定位置

今回の増径工事は東京23区のマンションで、費用は水道局持ちとなり、施工も水道局側で手配した施工業者が対応しています。

水道局の本管もマンションへの引込管も道路下にあり、当然、道路の土木作業を伴います。水道局で管理している図面をもとに、本管と既存の引込管がどのあたりにあるのかを見極めて想定位置の周りの道路をはつっていきます。

図③に本管の想定位置と、マンションへの口径30Aの引込管の想定位置を示しました。

図③

道路をはつる範囲

今回の増径工事で、道路をはつる範囲を図④の右側に示しました。

白線内をはつることになりますが、実際の現場の画像を左側に示しています。

図④

なお、今回新たに新設する40Aの引込管のイメージを図⑤に示しました。

図⑤

白線内に沿ってアスファルトを切断している様子をご覧ください。

動画「アスファルトの切断

画像①でも、白線に沿って切断している様子をご覧いただけます。

画像①

アスファルトのはつり作業

白線に沿って、切り込みを入れたあとは、白線内のアスファルトをはつっていきます。

その様子をご覧ください。

動画「アスファルトのはつり

掘削作業

アスファルトをはつったあとは、道路の土を掘っていきます。道路下には給水管だけでなく、ガス管や下水管もありますので、それらを傷つけないよう慎重に掘っていきます。

掘削作業の様子をご覧ください。

動画「掘削

当初、本管が埋まっていると想定した範囲は図⑥の左側ですが、掘削してもなかなか本管が露出しませんでした。

そのため、掘削範囲を右図のように広げて掘削作業を続けました。

図⑥

その結果、図⑦の左の画像の赤枠のところに、既存の口径30Aのマンションへの引込管と水道局の本管との接続部が露出してきました。

図⑦

本管と引込管との接続部について

ご参考までに、水道局の本管と引込管との接続部についてお話します。

水道局の本管に新たな引込管を接続しようとする際、水道局の本管と引込管との接続部に孔を空ける必要があります。

普通に孔を空けてしまったら、その孔からものすごい勢いで水があふれ出てきて、作業どころではなくなりますよね。そこで図⑧に示したような「サドル付分水栓」を先に本管に取り付けて接続作業を行います。

図⑧

サドル付分水栓を取り付けたあと、穿孔機で本管に孔を空けている様子をご覧ください。

動画「サドル付分水栓に穿孔機をつけて本管を開孔」https://youtu.be/PRDj9AA2oPA

サドル付分水栓については、機会があれば、詳しく説明する投稿記事をアップしますが、これを本管に取り付ければ、穿孔機で本管に孔を空けても、水が勢いよくあふれ出るのを避けられます。

それでは、サドル付き分水栓を活用して、新しい引込管を本管に取り付け、その後、引込管を親メーターのほうに配管しようとしている様子をご覧ください。

動画「本管に引込管を接続し親メーターのほうに配管途中

また、既存の30Aの引込管も本管からとりはずします。

耐圧テストの実施と仕切弁筐(きょう)の取付け

新しい40Aの引込管を本管に接続したあとで、耐圧テストを行います。

画像②の左の写真は、新しい引込管の先に耐圧テスト用の装置を付けて耐圧テストをしている様子です。

画像②

耐圧テスト後に、引込管を親メーターと接続した後、画像②の右の写真の赤枠で示した仕切弁筐という筒状の管を新しい引込管の仕切弁のところに取り付けます。青枠の部分は地上から仕切弁を開閉するときに使う蓋です。

仕切弁筐を取り付けている様子をご覧ください。

動画「仕切弁筐のセット

アスファルト舗装 仮復旧

仕切弁筐を取り付けたあと、掘り起こした土を埋め戻します。

その後、転圧機を使って土を固め、その上をアスファルト舗装して仮復旧します。

その様子をご覧ください。

動画「アスファルト舗装 仮復旧

アスファルトの切断から新しい引込管の配管、アスファルト舗装による仮復旧まで、基本的には1日での作業になります。

仮復旧のあと、自然に沈下していくため、沈下が落ち着いてから再度、アスファルト塗装をして本復旧作業を行います。

仮復旧から本復旧までの期間は、地域によってまちまちのようですが、2週間から3カ月程度のようです。

いかがでしたでしょうか。参考になりましたでしょうか。

増径工事は、道路上での作業となり、交通誘導員の手配や重機の手配等が必要で、工事着工までは、それなりの期間が必要となっています。

なお、増径工事では、親メーターまわりの取替えも行いますが、これについては別の投稿記事でお話します。

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