2021年2月21日
この記事のカテゴリー : 受水槽の保全・直結化
マンションでの給水方式を受水槽方式から直結増圧方式に変更するにあたっての事例とそれに要した費用についてご説明します。
今回の事例となるマンションの概要ですが、首都圏の、187世帯の分譲マンションです。
受水槽は、直射日光にあたるのかどうかといった要因で、耐用年数は大きく異なってきますが、40年~50年では更新が必要といわれています。 取替えるとなると、この規模のマンションでは1500万円以上の取替え費用が必要となります。 こちらのマンションでは、直結増圧方式に変更したほうが、長期的な修繕費用をセーブできると判断して、今回の工事を検討するに至りました。
イラスト①
イラスト②
写真①
参考動画:12秒 地下ピットへの入り口から見た天井クレーンと設置された増圧ポンプ
参考動画:12秒 ポンプへの新規配管
参考動画:17秒 ポンプへの新規配管 保温材を配管に巻き付けた後
写真②
写真③
写真④の黄色矢印のついた青い配管が、増圧ポンプにつなげた新規配管です。黄色矢印はポンプに流入する水の流れを示しています。
写真④
写真⑤
写真⑤の緑色矢印のついた青い配管が、増圧ポンプから給水するための新規配管です。緑色矢印はポンプから流出する水の流れを示しています。
写真⑥のように赤丸で示した新規配管と黄色丸で示した各棟に給水する既設の配管とを接続します。
参考動画:11秒 ポンプからの新規配管
参考動画:13秒 ポンプからの新規配管 保温材を配管に巻きつけた後
写真⑥
写真⑦
写真⑦はラッキング作業完了後の様子です。
写真⑧
イラスト③
イラスト④では今回の工事で必要となる屋外作業を示しています。
イラスト④
切断する配管は地中深くに埋設されているため写真のような重機(ユンボ 写真⑨参照)を利用して切断工事の前日までに土を掘りだしておきます。 マンションによっては、コンクリートの下に埋設されている場合があります。その場合には、コンクリートをはつる作業も必要となります。
写真⑨
写真⑩
工事当日は雨で大変でしたが、熟練工による対応で予定通り、作業を終えることができました。 切断した箇所から水が放出されないようにキャップをします
参考動画:11秒 受水槽②への配管の切断
翌日、ユンボで埋め戻しを行い、この場所での作業工程を終えました。
参考動画:2秒 切断ポイント 埋め戻し
写真⑪
写真⑫
参考動画:11秒 メーターバイパスユニットの設置
イラスト⑤
写真⑬は配管工事が完了した状態と、埋め戻しを終え作業完了した状態の写真です。
写真⑬
ご参考までに代表的な部材の定価をご覧ください。 ・増圧ポンプ:約920万円 ・逆流防止装置:約26万円 ・メーターバイパスユニット:約139万円 ・小計:約1085万円 ご覧の通り、代表的な部材の定価だけでも、今回の見積もり額より高額になっています。 これ以外にも、 ・配管材料費用、支持金具材料費用 ・ポンプ搬入据付費用 ・ポンプ用架台制作費用 ・地下ピット内配管工事費用 ・屋外配管工事費用 ・ユニック車使用費用 ・掘削・埋め戻し工事費用 ・ユンボ使用費用 ・電気工事費用 等が必要ですが、合計見積もり額は格安の価格を提示できました。 2次請け、3次請けといった下請け業者でなく、大半が元請け業者の社員が行う体制を整えているので、この見積価格での提示が可能でした。 見積もりの応札は8社あったと聞いており、その中での受注となっています。