2026年6月24日
この記事のカテゴリー : 給排水設備の更新費用

「うちに住んだまま工事できるの?」「いったい何日かかって、いくらかかるの?」という二つです。
ここがはっきりしないと住民の皆さんはなかなか賛成に踏み切れません。逆にきちんと説明できれば、合意形成はぐっと進みやすくなります。
そこで今回は、専有部の配管更新の「工期」と「費用」に絞って、現場のリアルな話をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
家具や荷物については、「家中の荷物を全部片付けておかないといけないんでしょう?」というご心配をよく耳にしますが、実際は職人さんが作業箇所ごとに少しずつ動かしながら進めます。
ですから、事前にすべてを片付けておく必要はありません。
どの壁や床を開けるかは事前に打合せをしますので、大事なお品があればよけておいていただけますし、配管材料の搬入経路の確保や床の養生も当たり前の段取りとして組まれています。
ですから工期は、思っていたよりも短く、住みながらで交換工事が可能であると思っていただいて差し支えありません。
「2日かかるなら、その間お風呂もトイレも使えないのでは?」とご心配の方もいらっしゃいますが、ここも大丈夫です。
仮に2日かかる場合でも、初日のうちに配管の取替えから仮の復旧までを終えてしまう段取りを組むのが一般的で、初日の作業が終わった時点から水は使えるようになります。
ですので、原則として住民の方がホテルなどに泊まる必要はありませんし、組合が仮住まいを用意しなければ、と身構える必要も基本的にはありません。
工事費用はこれらを踏まえた金額です。
今お住まいの状態のまま、つまり在宅で工事を行う場合、3LDKのファミリータイプで、1世帯あたりおおむね70万円から100万円程度が一つの目安です。
配管自体の費用は20〜30万円なのに総額で70万〜100万円、その差額の大部分が内装の復旧費用、というわけです。
ただし、ここでお伝えした金額には、一つ大事な但し書きがあります。
それは、今申し上げた価格は、いわゆる「ナフサショック」より前の水準だということです。
ご存じの方も多いと思いますが、配管に使う塩ビ管などの樹脂の材料は、もとをたどればナフサ、つまり石油からつくられています。
このナフサの価格が大きく上がり、足元では部材そのものの高騰と在庫不足が続いています。
この先、供給が安定してきても、一度上がった価格はそうそう下がらないと考えられています。
ですので、実際にこれから工事をされる場合は、今日お話しした金額よりも高くなる可能性が高い、とお考えいただいたほうがよいかと思います。
あくまで「これまでの相場感」としてお聞きいただければと思います。
また、ナフサショックが収まるまでは、1室だけでなく何十室も続けて工事を行う場合は、在庫不足の影響で、部材の入荷状況によっては、工事ができない期間とできる期間が断続的に続く可能性があるということも理解しておく必要があります。
ナフサショックが落ち着けば通常通りに戻るかとは思いますが。
ただ、ここは慎重に考えていただきたいところです。
一つは、「全戸を本当に一人でやりきれるのか」という点です。
一斉更新は何十戸という単位の工事で、それを一人でこなすとなると相当な期間が必要となり、どうしても限界があります。
もう一つ、こちらがより怖いのですが、「途中で投げ出されるリスク」です。
工事の途中で「やっぱりできません」といなくなってしまえば、組合は別の業者を慌てて探すことになり、かえって割高についたり工事が宙ぶらりんになったりしかねません。
ですので、「安いから」という理由だけで飛びつくのはおすすめできません。
実績がしっかりしているか、最後までやりきれる体制があるか、よく見極めた上で判断する必要があります。
