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談合対策の切り札となる「AI概算見積り」 相場の3〜5割安の見積りで修繕積立金を節約!

2025年11月20日
この記事のカテゴリー : 給排水設備の更新費用

今年の春に報じられたマンションの改修工事に関する談合問題については、業界関係者やマンション管理組合に、大きな衝撃を与えました。

公正取引委員会による立ち入り検査が入るなど、国内でも衝撃的なニュースとして大きく取り上げられましたが、その実態は極めて悪質です。

本来、住民の味方であるはずのコンサルタントが業者と裏で結託し、皆さまの大切な修繕積立金を不当に高い金額で搾取していたのです。

この談合問題に関しては、未だ解決に至ってはいないといえます。

配管保全センターにも、日々、多くの管理組合さんから、「提示された見積りの妥当性がわからない」という切実なお悩み、そして、「総会直前に見積もりが提出されたので、他の業者から見積りを取る時間がない」というお声が寄せられます。

そのようなお悩みやお声にお応えすべく、配管保全センターでは、管理組合様がご自身で簡単に即時に改修工事の概算見積りが取れる、
「AI概算見積り」のサービスを11月23日より開始いたしました。

AI概算見積りサービスの特長

今回、AI概算見積りが対象とする工事は、共用部の給水管の配管の取替え工事、受水槽を通さずに給水管を直結化する工事、各世帯の水道メーターまわりの取替え工事です。

主に五つの大きな特長がありますので順番にご説明します。

1.精度の高い概算見積もり

一つ目は、詳細な条件設定に基づく高い精度の概算見積りだということです 。

まず条件設定として、「配管の材質は何にするか」「増圧ポンプは必要か」「補助金は使えるのか」など、最大10項目以上を選択していただきます。

専門用語に詳しくない理事さん?や住民の方でも理解しやすいように、「わからない」の選択肢や詳しいヘルプ画面も用意していますので、どうぞご安心ください。

2.信頼性の高い算出ロジック

二つ目は、2,000件に及ぶ施工実績データが裏付けとなった、信頼性の高い算出ロジックであるということです。

過去の施工実績データから、入力条件に合致するデータを抽出し、どのような材料をどれくらい使用しているかといった情報もAIで確認したうえで、金額範囲を提示します。

3.相場の30~50%安となる見積もり

そして、これが最も重要な三つ目の特長です。私どもが提示する概算金額は、業界相場と比べて30%から50%も安価な金額であり、実際に施工可能な、信頼できる施工業者ネットワークのデータに基づいているということです。

単なる「だいたいの相場」ではなく、実際に、その金額で工事実施の可能性が高いことが裏付けられた概算といえます。

また、現地調査により高くなる場合もありますが、この提示金額よりも安くなる可能性もあるといえます。

4.ダウンロードでPDF見積もりを出力可能

四つ目は、概算見積りはPDFで出力機能ということです。算出された見積り結果は、その場でPDF形式でダウンロードできます。

理事会や修繕委員会の資料としてそのまま印刷して配布でき、迅速な意思決定に役立ちます。

5.即座に相場感が把握できる

五つ目は、即座に相場感が把握できることです。このサービスでは数分で概算見積りを表示しますので、管理会社や施工業者から突然見積りを提示された際にも、すぐに金額の妥当性を判断できます。

AI概算見積りサービスの簡単な使い方

では、この画期的なサービスが、どれくらい簡単にご利用いただけるか、実際の画面を見ながらご説明します。

まず、配管保全センターのホームページのトップメニューにある、「AI見積り」をクリックしてください。 画面の案内に従って、マンションの基本的な情報である都道府県、世帯数、階数、築年数、メールアドレスを入力します 。 次に、工事内容の詳細条件を選択していきます。

ここが一番専門的で迷いやすい部分ですが、ご安心ください。

一つ一つの項目に「わからない」の選択肢や、詳しいヘルプ機能を用意しています。画面のリンクをクリックすると、専門用語の解説がすぐに表示されます。

具体的に、どのような項目があり、どのようなヘルプが表示されるのか、見ていきましょう。

A.共用部給水管の更新

まず「立管を更新」をするか、しないかです。ヘルプを見てみましょう。

これはマンションの各階を縦につなぐ共用部の給水管を新しくする工事です。

「する」は古い立管の配管を交換、「しない」は今の立管の配管をそのまま使います。どちらかを選んでください。

埋設管を更新
これは地中に埋設されている配管を取替える工事です。

「する」は埋設されている配管も新しくし、「しない」は地下の配管はそのままです。
配管の材質
新しい配管に使う「配管の材質」を選択します。

ヘルプには、新しい配管に使う材料の種類について説明があります。

例えば、「エスロンハイパー」は耐震性に優れ長持ち、「HIVP」は小規模マンション向け、「ステンレス」は継手のパッキンの寿命に注意が必要ですのでステンレスを選ぶ場合は継手の寿命をご確認ください。
「設置形態」
新しい配管をどこに設置するかです。

「露出配管」は配管が見える場所に設置、「隠蔽配管」は水道メーターやガスメーターが入っているパイプシャフト内に設置します 。

B.直結化工事

次に直結化工事の部分についてご説明します。

最初は、「直結化工事」をするか、しないかです。

これは水道管から直接マンションの給水管に水を送る給水方式に変更する工事のことです。

直結化のメリットとしては、貯めた水ではなく水道管本管から直接引いた流水となること、毎年のタンクの清掃が不要でコスト減になること、停電でも3階程度まで給水が可能になるといったことがあげられます 。

「直結増圧ポンプ」
これは水道水の水圧を強くするためのポンプで、道路下の水道管本管の水圧が足りない場合にポンプで水圧を上げます。

ポンプが必要かどうかは、入力段階ではわからないことも多いかと思います。その場合は、「わからない」を選んでください。

「増径工事」
これは道路下の水道管本管からマンションに引き込む給水管の直径を太い配管に取替える工事です。

こちらも、入力段階ではわからないことが多いかと思います。

「掘削工事の距離」
配管を埋設するために、親メーターからポンプや建物までの地面を掘る距離のことです。

「10m未満」か「10m以上」かで、費用が変わってきます。

「直結化の補助金」
これは自治体からもらえる助成金のことです。

自治体によって、直結化工事に対して工事費用の一部を補助する制度があります。

お住まいの自治体にこの制度があるのかどうかわからなければ、「わからない」で結構です。

「受水槽」
直結化する際に受水槽をどうするかです。

受水槽とは水道管本管から引かれた水を一度貯めておくタンクで、直結増圧化にするとこのタンクが不要になります。

タンクを撤去する場合には、タンクのパネルだけを撤去するのか、パネルの下の架台と呼ばれるコンクリートも撤去するのかという選択肢があります。

C.メーターまわり

最後に「水道メーターまわりの更新工事」です。

これは各部屋の水の使用量を測る水道メーターのまわりの配管やバルブ関係を新しくする工事です。

通常、これらの配管は各戸の玄関扉の横にある扉内にあります。

「する」を選べば、水道メーターまわりの配管も一緒に新しくします。

なお、ほとんどのマンションでは、口径が20Aですが、口径が25Aや13Aの場合は別途見積もりが必要になることがありますのでご注意ください。

これで、入力が終わったら「入力内容を確認する」ボタンを押して、確認画面で入力した内容に問題がないか確認します。

修正したければ「戻る」ボタンで入力画面に戻り、問題なければ「送信する」ボタンを押します。

そのあとは、AIが算出します。多少お時間がかかりますが、AI概算見積りは画面に表示されます。

また、ご登録いただいたメールにもPDFとして添付で送信されます。

このPDFは見積りとして体裁を整えてありますので、印刷していただければ、すぐにでも理事会向けの資料としてご使用いただけます。

最重要事項:より安くなる可能性について

今回のAI概算見積りで提示される金額は、あくまでも概算です。

実際の工事費用は、配管の劣化状況、現場の施工条件などによって変動する可能性があります。

正式な見積りを確定するには、こちら(弊社)の担当者が現地調査をさせていただくことが必要不可欠となります。

現地調査の結果、詳細な条件を確認したところ、場合によってはこの概算金額よりもさらに安くなる可能性もあるということを、ぜひ強調させてください。

なお、一部地域では対応できない場合もありますので、対応の可否は必ず配管保全センターにお問合せください。

このAI概算見積りサービスの発展の可能性についてお話します。

現在の適用範囲は、共用部給水管の立管更新、直結化工事、水道メーターまわり工事を対象としていますが、今後は共用部排水管更新工事や、専有部配管更新工事、さらにはその他の大規模修繕工事へと、段階的なサービス範囲の拡大を予定しています。

少々お時間をいただきますが、どうぞ楽しみにお待ちいただければと思います。

修繕積立金とマンションの未来を守る

このようにAIを活用することによって、皆さまがすぐに給水管関連工事の概算見積りを手にできるサービスをご提供できるようになりました。

これによって給水管関連工事の見積りにおいては、管理組合の皆さまも相場感を掴んでいただけるのではないかと思います。

ただ、ここで一つ問題となることがあります。

それは、そもそも共用部の給水管から取替えるのがいいのか? という取替えの順番についてです。

単に、管理会社から「共用部給水管を替えるように」と提案されたから取替えるのでしょうか?

実は、漏水リスクが高いのは共用部よりも専有部の給水管であることは、これまでも多くの投稿記事でお話してきました。

「漏水リスクの高い専有部の配管をどのように取り扱うのか?」「優先順位は本当に共用部給水管からでいいのか?」といったことを包括的に検討する必要があるといえます。

管理組合としては、長期的な視点に立って、修繕積立金を節約しながら、安心して暮らせるように配管取替えを進めていくことが望まれます。

このあたりの配管保全に関する根本的な課題については、ぜひ配管保全センターにお問い合わせください。

私たちは、無駄のない最適な配管保全のソリューションを無料にてご提案しております。

「適正価格での高品質な配管保全」をミッションに、私たちはこれからも、皆さまの大切な修繕積立金を守り、マンションの資産価値向上に貢献してまいります 。

まずは、数分でできるAI概算見積もりを、ぜひ一度お試しください。

そして、できましたら管理組合のほかのメンバーの皆さまにもこの内容を共有いただけますと大変嬉しく思います。

また、当サービスは始まったばかりですので、何かご不明点やお気づきになったことなどありましたらご連絡いただけますと助かります。
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