2021年10月23日
この記事のカテゴリー : 給排水設備の更新費用
画像①
イラスト①
イラスト②
イラスト③
どこに配管が埋まっているのかわかれば、そのあとは取替えるべき横引き管を全て露出させるために、周辺の床をはがしながら、シンダーコンクリートを全てハツっていく必要があります。コンクリートを工具でハツる際の音は、すさまじいですし、通常は1日では終わらないため、工事費用はかなり高くなります。ハツらなくてはいけない面積と深さにもよりますが、1世帯につき40万円から多い場合には70万円、80万円とかかってきます。 既存の排水管を露出させるべくハツっていくのでなく、別のルートで排水管を配管する場合でも、立管近くのシンダーコンクリートはいずれにしろハツっていく必要があります。 なお、ユニットバスで、スラブ上に立管との接続部がある場合は、通常はユニットバスの真下の排水管はシンダーコンクリートには埋まっていませんが、状況によってはユニットバスの取り壊しを行う必要性が生じます。その場合、排水管の取替え費用は、更に高額になります。 在来工法の浴室の排水管の取替えも大変ですが、今回はスラブ上のシンダーコンクリートに埋まった横引き管の取替えがテーマですので、在来工法の浴室についてはまた別の機会にお話します。 シンダーコンクリート内に横引きの排水管が埋まっている場合は、おそらく鉄管系でなく樹脂系の配管が多いので、その場合は錆びの心配はないですが、樹脂管の場合は、高圧洗浄の際に洗浄コードが配管のエルボー部分をこすって配管が破損するリスクが高いと言えます。破損リスクを抑えるために、高圧洗浄の実施頻度を下げる手段もありますが、そうすると排水管が汚物で詰まるリスクが高まります。 そこで、高圧洗浄の頻度を下げたとしても、排水管に汚物が詰まりにくくなる効果が期待できる、配管の延命装置の導入を検討するのも、お勧めの手段といえます。イラスト②
配管保全センターの提携会社で工事を行う場合は、パイプシャフト内でなく部屋の中の壁の裏に排水管の立管が通っており、作業スペースも十分ある場合は、排水管の立管を取替えるのに、世帯あたり20万円程度の費用となります。5階建て程度であれば、立管1系統あたり1日の断水で、内装の復旧も含めると2日間で取り替えることが可能です。 ご参考までに、全世帯での工程を表①に示します。 例えば排水管の立管が全部で7系統あるとして、1日目は1号室系統の取替えで、2日目は1号室系統の内装復旧と、2号室系統の取替えと進めていきます。 全行程日数としては、系統数プラス1日で、7系統の場合は7プラス1で8日間が全行程の日数となりますね。表①
パイプシャフト内にガスメーターや給湯器がぎっしり入っており、作業するためにそれらをいったん撤去する必要があったり、複数の横引き管と接続している集合管を利用している場合は、集合管自体の部品代だけで数万円かかるのと、ハツる面積も広くなるため、その分、費用が高くなります。