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管理会社がやりたい放題! 暴走理事長とサイレント理事長が引き起こす悲劇

2025年6月27日
この記事のカテゴリー : 修繕積立金・専有部の取り扱い

皆さん、こんにちは。今日のテーマは、住民の無関心によって、管理会社がやりたい放題となり、大切な修繕積立金が知らない間になくなってしまう、という恐ろしいお話です。

実は全国のマンションでこのような現象が数多く起きています。気づかないうちに多くの住民が被害に遭っています。

そもそも、皆さんのマンションの管理組合の理事の皆さんって、住民の中から選ばれていますよね。

理事の皆さんたちはマンションの価値や住民の暮らしを維持するために、マンションの修繕や保全に努めています。

理事は住民の利益を守るための役割をしているのに、理事のまとめ役でもある理事長が、住民の利益を侵害するような行為をしているということが数多く報告されています。

それは、これからお話しする2つのタイプの理事長によって引き起こされています。

2つのタイプの理事長とは、いったいどんなタイプでしょうか? 

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■修繕積立金が湯水のように使われてしまう2つのタイプの理事長とは

1.「暴走理事長」

一つ目のタイプは、住民や理事が管理に無関心なのをいいことに、好き勝手にやりだす理事長で、周囲の声を無視して一人で暴走してしまうので、「暴走理事長」と呼ばれています。

この「暴走理事長」が危険なのは管理会社と結託して、管理会社のすすめる施工業者が選ばれるように操作して、その報酬として管理会社からバックマージンをもらうといった裏取引をしてしまうことです。

これによって、他社と相見積もりを取ることもなく、あるいは取ったとしても、管理会社とつるんだ施工業者が選ばれることになり、結果的に管理会社に大きな利益をもたらされます。

一方で住民側は高い工事費を支払わされて、修繕積立金はどんどん減っていくという状況に陥ってしまいます。

2.「サイレント理事長」

2つ目のタイプの理事長は、実は「暴走理事長」よりも、もっとよく見られるタイプです。

理事長となったけれども、管理に無関心ですべて管理会社任せにしてしまう理事長です。

何も言わないので「サイレント理事長」と呼びましょう。

管理会社は理事長から何も言われないのをいいことに、自分たちの都合のいいように好き勝手に振る舞うようになっていきます。

よく言う「傀儡政権」のような感じです。

表向きは理事長を立ててはいるけれど、実際に力を握っているのは管理会社ということなんですね。

このようなことが横行すると、マンション全体の資産価値が下がり、住み心地は悪くなるという、これもまた状況に陥ってしまいます。

■理事長の権限はどれくらいあるのか?

そもそもマンション管理組合の理事長ってどのくらい権限があるか知っていますか?

理事長の一番の権限として、管理組合を代表して外部の業者と契約を結ぶという大きな権限を握っています。

そこに至るまでにも総会では議事進行を仕切り、最終的な決議を導く役割を担っています。

さらに各種重要書類に署名・押印できる立場でもあります。

ですから、監事や他の理事、あるいは総会によるチェック機能が適切に働いていない場合、理事長は自らの権限を利用して、実質的に好き勝手に契約を行うことが可能となる危険性があります。

■住民の無関心が管理会社や理事長のやりたい放題を招く

皆さん、耳が痛い話かもしれませんが、この問題の根っこにあるのは、私たち住民の「理事とか理事長なんて、やりたくないよ」とか、「自分が役員の番の時には、何事もなく平穏に終わってほしいな~」っていう気持ちです。

そうです、こうした「面倒ごとは避けたい」という無関心や、「事なかれ主義」が、マンション管理のガバナンス(統治能力)を大変弱いものにしてしまいます。

このような住民側の「チェック機能の低下」によって、「どうせ誰も見てないだろう」「バレないだろう」と、「暴走理事長」や管理会社に思わせてしまうことになり、結果的にやりたい放題できる土壌を作ってしまうわけです。

「サイレント理事長」の場合も同じです。理事長が管理会社に「全部お任せ」って丸投げすることで、住民の利益に反する決定であったとしても、簡単に通ってしまうのです。

■管理会社の体質は「住民よりも自分たちの利益が最優先」

管理会社って、私たち管理組合から仕事を受けてる立場ですよね?

でも、残念ながら、一部の管理会社は住民の利益が損なわれるとしても、自分たちの利益を追求しようとするところがあります。

「暴走理事長」とベッタリくっついて、不必要に高額な工事提案をしてきたり、バックマージンを理事長に渡したりするのはもちろんのこと。

「サイレント理事長」のマンションでは、理事長のチェックが働かないのをいいことに、競合他社との比較検討もせずに、自分たちのグループ会社に工事を回したり、必要ないのに高額な工事を提案してきたりと、もう独断で業務を進めちゃうなんてことも頻繁にあります。

特に、外部の管理会社がマンションの「管理者」になる「第三者管理方式」の場合、運営する側と工事をする側が同じになってしまいます。

そうなると、透明性なんてあったもんじゃありません。

皆さん、こういう話を聞くと、本当にびっくりして、ゾッとしてしまうかもしれませんね。

これらの要因が複雑に絡み合って、マンションのガバナンスが崩壊し、マンション全体の資産価値のダウンや住み心地の悪化につながります。

まさに、私たちの「事なかれ主義」が招いた、とんでもないツケだと言えるでしょう。

■「暴走理事長」や管理会社による嫌がらせや不正――信じられない手口の具体例

じゃあ、具体的にどんな手口で、私たち住民を、そしてマンションを蝕んでくるんでしょうか?

「暴走理事長」や管理会社による嫌がらせや不正は、単なる感情的な対立じゃないんです。

自分たちの不正を隠すために反対する理事を追い出すなど、これが実に巧妙な手口で行われます。

一見すると「合法的な手続き」に見えながら、裏でとんでもない圧力をかけてたりするんです。

ということで具体的なやり方を見ていきましょう。

1. 根拠のない訴訟でメンタルが消耗しお金も搾取される

ターゲットとなるのは「暴走理事長」や管理会社の方針に反対する真面目な理事や住民です。

「暴走理事長」や管理会社は、彼らに対して、根拠が薄かったり、全く事実無根の訴訟を突然仕掛けてくることがあります。

本当は、「暴走理事長」が管理会社とどっぷり癒着しているのに、不正に反対する真面目な理事に対して、「管理会社と癒着してとんでもないことをしている」といって訴訟をしかけるという話は、かなりよく聞く話です。

「え、訴訟? そんなことまでするの?」って思いますよね。でも、これは、勝つことが目的じゃありません。

相手に精神的・経済的な負担をかけて、都合の悪い活動を諦めさせることが目的なんです。

本来なら「訴訟」は揉め事を解決するための手段ですが、「暴走理事長」や管理会社は「訴訟」をまるで“武器”のように使ってくるんですね。

訴訟には弁護士費用や時間、そしてなにより計り知れない精神的なストレスがかかります。

この法的手段の悪用は、お金の損害だけじゃなく、その人の心の安定を奪い、ひいては、健全な管理組合運営を邪魔することになります。

その上、他の住民への「見せしめ」にもなるので、「面倒なことには関わりたくないな」と思う人が増えてしまい、管理組合が機能不全に陥るのを加速させる恐れもあります。

2. デマや悪い噂を流されて孤立させられる

「暴走理事長」や、彼らに協力する人たちは、「暴走理事長」の方針に反対する理事に対して、その理事の社会的評価を落とすために、全く事実無根の噂やデマを、マンション中に流すことがあります。

例えば、先程の例のように訴訟にまでは行かないとしても「あの人は、管理会社からバックマージンをもらってるらしいよ」と、嘘の内容を書いたビラをマンションの全戸のポストに入れる、といったことです。

ビラをまかなくても、マンション住民に会うたびに、口頭でそのような悪い噂を流す、なんてことも多いんです。

マンションは、ある意味「閉鎖的なコミュニティ」ですよね。

だから、こういう嘘の情報が、「本当のこと」として信じられやすくて、デマを流された理事はなすすべもなく孤立させられちゃうんですね。

「暴走理事長」は、嘘の情報を流して、反対する勢力をバラバラにして、自分の支配を強くしようとするわけです。

「サイレント理事長」の場合でも、管理会社が「この理事は邪魔だな」って思った時に、管理会社と仲が良くて、バックマージンなんかももらってるような住民に、排除したい理事のデマを流すように依頼する、なんて話もよく聞きます。

デマや誹謗中傷は、デマを流された理事本人の心に深い傷を与え、コミュニティの中で孤立させられて、結果的にマンションに住み続けること自体が難しくなることもあります。

こんなことをされたら、コミュニティ内の信頼関係はボロボロになって、健全な話し合いなんてできませんね。

マンションの資産価値が下がるだけでなく、住民同士の仲が引き裂かれて、長期的にコミュニティが壊れていく恐れもあります。

3. 高額工事のゴリ押しと“出来レース”の談合

大規模修繕工事や配管工事など、たいへんお金がかかる修繕や保全の工事ってありますよね。

そのような時に、「暴走理事長」が特定の業者と手を組んで、不当に高額な契約をムリヤリ押し通すという事例が多発しています。

「複数社から見積もり、ちゃんと取ってますよ~」と言って、体裁は整えるんですが、実際は特定の業者に決まる“出来レース”だったりします。

管理会社が理事長と結託して、する必要のない大規模修繕工事をゴリ押しして、理事長が裏でバックマージンを受け取っていた、なんてケースも報告されています。

世帯数が多いマンションだと、工事費用が高額になるので、バックマージンも数百万円になることもあります。

なので、「暴走理事長」は、どんな手を使ってでも工事を強行しようと仕向けてくるわけですね。

「サイレント理事長」のマンションでは、管理会社が、結託してる業者に高額な工事を発注しても、誰も文句を言いません。

そもそも関心がないわけですから、管理会社が自分たちの利益を最優先させるような高額な工事が行われるといったことが本当に頻繁に起きます。

4. 議事録は隠蔽・改ざん。都合の悪いことは闇の中へ

「暴走理事長」は、自分の意に沿わない議案を妨害したり、総会や理事会の承認も得ずに、勝手に重要なことを決めたりします。

そして、そのような時には、住民にとって都合の悪い情報を議事録に書かなかったり、情報を改ざんすることさえあります。

危機感を持った理事が「この議事録、おかしいですよ」って、理事長に修正を求めても、無視されてしまう場合も少なくありません。あまりにもしつこく訴えてくると、「暴走理事長」は仲間を作って、その仲間が「ヒステリーになる役」を演じて、理事会でまともな話し合いができないようにする、なんていう話も聞きます。

「サイレント理事長」の場合だと、理事長が議事内容をちゃんと把握してないので、管理会社が議事録の内容を都合よく書き換えたり、都合の悪い情報をわざと書かなかったりといったことが横行しがちになります。

管理会社は重要な議案の決定をギリギリまで理事長や理事たちに知らせずに、総会の直前に、ほとんど経緯や背景も説明せずに、議案書にしれっと掲載するといったこともとても多いんです。

こんな状況では、住民は自分の大切な財産が不正に扱われてることに気づきにくいですよね?

定例総会の議案書を見て「あれ、 おかしいぞ?」とやっと気づいた時には、もう議案として提出されてしまっているので、無関心な住民が集まる総会ではほとんどそのまま可決されてしまい、「手の打ちようがない」という状態に陥ります。

皆さん、いかがでしたか?

今日お話しした「暴走理事長」と管理会社による「見えない巧妙な共謀」、そしてもっと多く見られる「サイレント理事長」のもとで管理会社がやりたい放題してしまう問題。本当に恐ろしいですよね。

これは決して他人事じゃありませんよ。皆さんのマンションでも、知らず知らずのうちに、こんな状況に陥っている可能性だってありえます。

「ちょっと変だな?」と異変を感じたら、今日の話の内容を思い出してくださいね。

次回は、どうすれば「暴走理事長」と「サイレント理事長」、管理会社から自分たちの大切なマンションを守れるのかについて、お話していきます。

皆さんの大切な資産を守るための“具体的な行動指針”をお伝えしますので、ぜひ楽しみにしていてください。

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