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洗浄前後の比較動画!排水管を傷めない低圧ムース洗浄の実力とは?

2025年1月16日
この記事のカテゴリー : 排水管の保全

分譲マンションや賃貸マンションでは、専有部の排水管の高圧洗浄を定期的に実施しています。

ただ、一般的に、高圧洗浄ではいくつかの課題があります。

一つは、排水管の曲がり角、エルボー部分へのダメージです。

洗浄中に高圧洗浄のホースがエルボーに擦れることで、管を傷つけてしまうリスクがあり、実際に高圧洗浄後にエルボー部分から水漏れが発生した事例も少なくありません。

二つ目は、洗浄残しが多いことです。

本来、高圧洗浄では専有部の排水管から、最低でも共用部の立管までは、洗浄ノズルを挿入して洗浄作業を行うことが望まれます。

ところが、限られた時間内で、効率的に洗浄作業を行う必要があることから、ノズルを立管まで挿入していると時間がかかるので、そこまで届いていないことが多いのです。

また立管まで、いくつもエルボーが配管されているような場合は、途中で洗浄ノズルやコードがエルボーにひっかかり抜けなくなってしまうこともあります。

そういった事情があり、立管まで洗浄されないこともありがちです。

さらなる課題としては高経年のマンションでは、排水管自体が劣化しているため、高圧洗浄業者が漏水のリスクを恐れて作業を断るケースも増えています。

動画

 

低圧ムース洗浄のメリット

そこで、今回ご紹介するのが「低圧ムース洗浄」です。低圧ムース洗浄の概要については、以前、公開したこちらの投稿記事を参考にしてください。

特殊な洗剤をムース状にして、低圧で排水管内に送り込む方法です。

低圧ムース洗浄のメリットは、まずエルボー部を高圧洗浄のコードが擦れることで物理的に配管が破損されるような心配がないことです。

また、使用する洗剤は配管に悪影響を与える成分は含まれていないので、洗浄により配管がボロボロになるといったことがありません。

洗剤の成分を確認されたい方は、この洗剤を開発した環境アコロ社あらためアコロレンジャーズ社にお問合せていただければ、成分の詳細が記載されたSDSの安全データシート等もご覧いただけます。

さらにムースは、1秒間に2メートルも進むため、立管まで数秒で確実に到達してくれるので、業者が洗浄作業のために専有部内に滞在する時間を短縮できます。

洗浄前後の比較動画

専有部の排水管をムース洗浄する前後の動画をご覧ください。

左が洗浄前、右が洗浄後の動画です。エルボーがいくつかありますが、立管の接続部まで、汚れがしっかりと落ちているのがお分かりいただけると思います。

配管に悪影響を与えないかの実験

通常、ムース洗浄の作業では、ムースを排水管内に充填した状態のまま、1時間放置します。

1時間もムースを充填したままだと、配管がボロボロになったりしないのかというご質問をお受けすることがあります。

そういったご質問に回答すべく、アコロレンジャーズ社で1時間でなく、48時間連続して洗浄液内に配管を漬けっぱなしにして、配管が傷まないかの実験を行いました。

1時間を48時間にしただけでなく、通常は原液を5倍に薄めて使用しますが、今回の実験では2倍の濃度での実験結果です。動画は、5倍速、10倍速で短縮しています。

いかがでしょうか。48時間後も、全く劣化していないことがお分かりいただけます。

接着剤で接着した接続部もひっぱっても全く問題ありませんでした。

その他の懸念項目について

ムース洗浄の洗剤は強いアルカリ性ですが、よく家庭で使われている排水管用の洗剤よりも濃度が低いものを使用しています。

ムースを配管内に1時間充填させたあと、住民が水道水でムースを洗い流す際、ペーハーは中性域になり放流基準を満たしているとのことです。

なお、動画では素手で洗剤に手を入れていますが、マンションでの洗浄作業中には、洗剤に直接触れないようになど、住民に注意事項を十分に通知したうえで、作業を行っています。

低圧ムース洗浄で落ちない場合の対処法

低圧ムース洗浄でも落ちない、排水管内に固くこびりついた頑固な詰まりがある場合は、「ブレード洗浄」という方法で対応可能です。

特殊なブレードで固着物を物理的に除去しますが、排水管への負担は少ないです。

ご参考までに、排水管内でブレードが動いている動画がありますので、ご覧ください。

保全装置との併用による経済効果

これまでお話ししてきた低圧ムース洗浄と、配管内の堆積物の固着を抑制する流動式セラミックス方式の水処理システムを併用をすることで、低圧ムース洗浄や立管の洗浄の実施回数を減らすことが期待できます。

また、流動式セラミックス方式の水処理システムによって、給水管のサビの抑制、給水・給湯管のヌメリの付着の抑制も期待できるので、排水管の保全費用だけでなく、給水管の保全費用についても大幅な削減を期待できます。

水処理システムについては、これらの投稿記事をご覧になってください。

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