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配管保全装置エルセ 21年後の検証 配管の保全効果

2023年11月16日
この記事のカテゴリー : 延命工法

ご覧になった方もたくさんいらっしゃると思いますが、最近、ニュース番組や情報番組で、「マンションの修繕積立金不足」が特集テーマとして取り上げられています。

「漏水がたびたび発生するようになり、配管の修繕費用も十分に確保できていないので、先行きを考えると途方に暮れてしまう」と不安を語る管理組合のケースなども紹介されていました。

マンション内で漏水しそうな配管は、全て取り替えていくのが理想ではありますが、すぐには予算が確保できなかったり、配管を取替えるための住民間の合意形成ができなかったりと理想通りにはいかないのが現状と言えます。

そういった事情の中で、なるべく「配管を延命」して、「配管にかかる保全費用を極力抑える」ことができる手法として、今まで何度かこの配管保全チャンネルでご紹介してきたのが、「給水管だけでなく排水管の保全効果も期待できる保全装置エルセ」です。

エルセをマンションの受水槽の手前や増圧ポンプの後ろに1台付けるだけで、マンション1棟全体をカバーして、漏水や排水管の詰まりのリスクを下げることが期待できます。

先月も、「エルセ設置マンション 漏水発生率と費用削減効果」という投稿記事で、エルセを設置したマンションの漏水発生率は統計で見ても大変低いという話をさせていただきました。

「エルセ」はマンションの他にも、病院の医療機器や飲食店のスチームオーブン機内の熱交換器の保全や、学校・公共施設などの配管保全に、また、JR新幹線の男子トイレの尿石除去でも30年近く継続的に活用されるなど、配管保全装置として業務用分野で高く評価されてきた製品です。

そうはいっても、「本当にそんな効果を長期にわたって出すことができるのか?」と疑問に思われる方は多いかと思います。

今回は、そんな方々に、実際に、エルセを設置して20年以上経過したマンションで、給水管と排水管の配管内がどういう状態になっているのか? 実際に配管を開けて検証した結果をお話します。

また、セラミックス方式での保全装置は、1年もたたずに装置内のセラミックスがヌメリ等でドロドロになり、使い物にならないといった情報が広まっています。

エルセも1年ももたないのではないかと思われている方もいらっしゃるかと思います。

これらのセラミックス方式とエルセは全く別の製品であり、エルセのセラミックスは摩耗せず、表面を常にきれいに保ち、継続的に効果を発揮し続ける大変エコロジカルな製品となります。

今回は、某県の国交省の河川国道事務所に許可を得ることができましたので、その事務所に24年前に設置したエルセ本体の蓋を外して、セラミックスや本体内部の状態を検査した結果についてもお話します。

ぜひ、最後までご覧ください。

動画

 

エルセ設置後21年経過したマンションの検証

それでは、早速ですが、エルセを設置して21年経過したマンションの給排水管の配管内の調査結果についてお話します。

屋外共用部の排水管

今回、検証するマンションは築30年で、築9年目にエルセを設置して21年経過しています。

まず始めに、マンションの屋外1階にある共用部の排水管の横主管内を検査した結果をお話します。

以下は、横主管に付いている掃除口を開けて、撮影した画像になります。

2002年1月のエルセ設置当初は、堆積物が底のほうに固着している状態で、設置10ヵ月後の2002年11月には地肌が見え始めました。

今回の設置21年後の検証は、某県のマンション管理組合連合会の会長にも立ち会っていただいたのですが、掃除口から内視鏡を挿入して撮影したところ、固着した部分がほぼなくなりキレイになっていました。

1階の排水管の横主管は、各世帯から流された廃棄物が最終的に集まる箇所であり、各世帯の排水溝からは数十メートル先にあることから、十分な効果を期待しにくい場所といえます。

エルセ設置後21年経過しているにもかかわらず、排水管内に固着していた堆積物がほぼなくなったという継続的な効果を発揮し続けているということは、驚きに値するといえるのではないでしょうか。 

なお、住民が排水の際に、油や固形物など堆積しやすいものを捨ててしまうなど、捨てる際のマナー等でも改善状況はかわりますのでご留意ください。

洗面所 排水管

次に、同じマンションの専有部内にある洗面所の排水管内を内視鏡調査した画像をご覧ください。

洗面所の下の排水トラップを外して排水管内に内視鏡を挿入しました。

洗面所の上流にキッチンがあり、キッチンからの油等の廃棄物もこの排水管内に流れ込んできます。

この排水管に関しては、高圧洗浄は5年前に実施したとのことですが、画像を見るとかなりキレイな状態を保っていることがおわかりいただけます。

こちらも、住民の排水を捨てる際のマナー等で状況は変わりますのでご留意ください。

水道メーター2次側 給水管

次に、同じマンションのパイプシャフト内にある水道メーターの下流側(2次側)の給水管内を内視鏡調査した画像をご覧ください。

参考までに築27年の他のマンションの給水管内の画像を載せていますが、もらい錆びやヌメリで管内が茶色くなって見えない状態です。

今回調査したマンションは、築30年で、オゾン洗浄等の給水管洗浄を一度も実施していませんが、もらい錆びやヌメリがほとんどついておらず、地肌が見えるキレイな状態を維持しています。

10数年ごとに1回くらいの頻度で、給水管内をオゾン洗浄やクエン酸洗浄で定期的に洗浄するマンションも増えてきていますが、世帯あたりで5万円から7万円程度の費用がかかります。

今回の検証結果からすると、エルセを設置することで、そのような長期にわたる高額な洗浄費用が、ほぼ必要なくなる可能性が高いことがおわかりいただけたかと思います。

また、錆びコブがつきやすい継手部もほとんど錆コブがついていない状態を維持しています。この結果からすると、築30年を過ぎていますが、共用部の給水管の一斉更新は先に延ばしてもいいのではないかといえます。

漏水したとしてもその部分だけ補修するようにしていけばいいので、エルセ設置により、共用部給水管の保全費用を大幅に下げることが期待できることもおわかりいただけたのではないでしょうか。

なお、検証に立ち会って頂いたマンション管理組合連合会の会長からも、「エルセは満足のいく保全効果を出している」と評価していただきました。

参考:設置後17年経過したマンションの検証

今回、調査した設置後21年経過したマンションの近くの別のマンションの給水管も検証する許可をいただきましたので、その調査結果もご覧ください。

このマンションは、エルセを設置して17年経過している築29年のマンションです。

画像では、水道メーターの1次側と2次側の給水管の状態を載せていますが、もらい錆びやヌメリがほぼついておらず、かなりキレイな状態を維持していることがおわかりいただけます。

また、錆びコブがつきやすい継手部もほとんど錆コブがついていない状態を維持しています。

参考:某県 国交省 河川国道事務所 エルセ本体内の検証

それから、今回は、某県の国交省の河川国道事務所に設置されているエルセの装置の本体内の状態やセラミックスボールの状態を検証させていただく機会もいただきました。

この河川国道事務所はエルセを設置して24年経過しております。

エルセ本体の蓋部分を外して本体内を検証したところ、本体内にはほとんどヌメリは付着していませんでした。

また、中のセラミックス自体も24年間、本体内で衝突・流動を繰り返していますが、摩耗せず大きさが変わっていませんでした。

通常、セラミックスは多孔質といって表面に多くの孔があり、放置しておくと不純物がその孔にどんどん入り込んで表面が汚くなっていきます。

一方で、エルセのセラミックスは、硬くて本体内で衝突・流動させることができます。

そうすることでセラミックスの表面の孔に不純物が入り込んでも衝突のおかげで、いつまでも不純物が溜まらない自浄効果が働く仕組みとなっています。

セラミックスに十分な硬さがないと、衝突により摩耗してしまうのですが、エルセのセラミックス自体は、ナイフで削ろうとしても欠けることがないほど硬く、強度があり、本体内で流水による衝突を繰り返しても、摩耗の心配はありません。

ご参考までにさきほどの設置後21年経過したマンションで、設置14年後にセラミックスが摩耗していないかどうかの検証を行った際の画像も併せて載せました。

エルセ本体からセラミックスを取り出し、天日干しして十分乾かした後に測量しました。その結果、設置当初の重さと全く変わらないことがわかりました。

なお、参考までに、エルセではなく、別の固定式セラミックス方式の活水器を設置した別のマンションで、セラミックスがどのような状態かを設置1年後に検証した画像を載せました。

経過1年のみでしたが、黒い水とともに、表面がドロドロに汚れたセラミックスが出てきました。

この状態ですと何らかの効果を期待すること自体が難しく、また衛生的にもかなり懸念される状態であるといえるでしょう。

エルセを導入することで、漏水や詰まりが全くなくなるというわけではありませんが、多数の検証を重ねた結果、20年以上にわたって、排水管に対しても漏水や詰まりのリスクを低減する効果を期待できることが実証済みです。

他の活水器でも給水管・排水管ともにエルセと同等、もしくはそれ以上に保全効果を発揮している装置があるのであれば、そういった装置も現場での検証を重ねて効果を実証できれば推薦対象に入れていきたいと考えております。

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