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3日間も水が止まる⁉ 全戸断水を回避せよ!築25年経過マンション要確認!系統バルブの交換タイミング

2024年9月12日
この記事のカテゴリー : 未分類 給水・給湯管の保全

マンションに住んでいて、停電でもないのに、突然何日も断水になってしまうとしたら、想像するだけでゾッとしてしまいますよね。

そんな、大変なことが、築25年以上経過したマンションで起こり得ますよというのが、今回のお話です。

分譲マンションの共用部の給水管には系統バルブという弁がついています。

この系統バルブの素材は異種金属であるため、経年劣化により漏水が起きやすくなります。

そして、一度漏水すると、この系統バルブを取替えざるを得ないため、何日も断水になってしまうということです。

今回の投稿記事では、こういった事態を避けるために、系統バルブはいつ取り替えればいいのか、効率的な取替えのタイミングと、取替えにはいくらかかるのかについてお話しますので、ぜひ最後までご覧ください。

動画

 

系統バルブってどこにあるの?

系統バルブというのは、聞きなれない名前ですが、どこについているかというと、給水管の立管にそれぞれ1個ついています。

屋上に高架水槽があるマンションでは、立管の最上階部分についていることが多いです。

高架水槽がないマンションでは、立管の1階部分についていることが多いです。

各戸の玄関扉の横には水道メーターやガスメーターが入っているパイプシャフトがありますが、そのパイプシャフトを開けると、画像のように給水管の立管があり、赤い点線で囲っているのが系統バルブです。

ある特定の系統だけを断水させたいといったときに、この系統バルブを閉めることで、全戸断水せずに、1系統に限定して断水できます。このように系統断水を行う役割が系統バルブにはあります。

系統バルブから漏水すると何故、何日も断水になるの?

この系統バルブが、劣化してそこから勢いよく漏水してしまった場合、当然その漏水を止めなくてはいけませんが、系統バルブ自体が効かなくなってしまっているので、漏水を止めるには大元で水を止めるしかありません。

そうすると全ての部屋を断水にする全戸断水となってしまうわけです。

漏水している系統バルブを新しく取替えるまでは、全戸断水が続いてしまうことになりますが、立管の給水管の口径は、太く40A以上のものがほとんどです。

この40A以上の系統バルブは、改修業者が在庫で保管していることはほとんどありません。

系統バルブを手配できるまで数日かかることがあり、その間、全戸断水になってしまうということになります。

系統バルブって漏水しやすいの?

それでは、系統バルブは、そもそも漏水しやすいのでしょうか。

系統バルブの配管は砲金という金属でできています。砲金というのは、銅とスズの合金です。

みなさん、ご存知の水道メーターも実は砲金でできています。

水道メーターの前後の配管は、築25年以上のほとんどのマンションでは、ライニング鋼管という鉄の仲間の配管が使われています。

銅と鉄というのは相性が悪く、水に触れると、異種金属接触腐食という現象が起こり、通常よりもかなり早く錆びてしまいます。

ですので、多くのマンションでは漏水を事前に防ぐために、築20年~25年あたりで水道メーターまわりの配管を一斉に取替えてしまうことが多いです。

系統バルブの前後の給水管も、同じようにライニング鋼管が多く、やはり異種金属接触で漏水しやすい箇所ではあります。

ただ、水道メーターまわりの口径は、通常20Aで、系統バルブの口径は40A以上と、口径が太く配管の肉厚も20Aよりは厚いので、腐食したとしても漏水が始まる時期は、水道メーターまわりよりは、遅めになりがちではありますが、年月が経つにつれて漏水のリスクは高まっていきます。

いつごろ取替えるべき?

それでは、系統バルブはいつ頃、取替えるのがいいでしょうか。

一度、取替えてしまえば、それ以降は、異種金属接触腐食しない素材を使うため、ほぼ取替えなくていいので、予算的な余裕があれば、各世帯の水道メーターまわりを一斉更新するタイミングで同時に取り替えてしまえば、安心といえます。

水道メーターまわりを築30年以上経っても取替えないマンションは意外と多く、その場合は、系統バルブからの漏水により全戸断水になるリスクが高くなっていますので、他の更新工事と併せることなく、系統バルブ単独であっても、早めに取替えるほうが無難といえます。

また、30年以上系統バルブを取替えていなくても、共用部の給水管を全て取り替えるとなれば、そのタイミングで系統バルブも取替えることになるかと思います。

もしくは、受水槽や高架水槽をやめて、直結給水方式に変更するタイミングで系統バルブも取替えてしまうのもよろしいかと考えます。

築50年を過ぎても系統バルブが取替えてられていないマンションも、たまにみかけますが、そういったところは、すぐにでも取替えることをお勧めします。

そういったマンションでは、各世帯のパイプシャフト内の共用部の給水管から漏水するたびに、系統バルブを閉じることになりますが、系統バルブ自体が錆びだらけできちんと閉まらない場合は、元栓を締めるので全戸断水になります。

また、系統バルブを閉じようとして、系統バルブが折れてしまった場合は、数日間全戸断水となってしまいます。

取替える費用はいくら?

系統バルブの交換費用としては、系統バルブの口径が30A~50Aであれば、1本あたり7~10万円といったところです。

また口径が65A~75Aあたりになると10~15万円程度が、現時点での目安となります。

系統バルブがあるパイプシャフト内の広さや、給水管の立管とガス管の位置が近すぎないかといった配置によっても変わってきます。

ちなみに、ガス設備等を取り外す必要がある場合は、1本あたりプラス約10万円必要となってきます。

系統バルブを取替えるための断水工事は、通常は9時~17時の1日のみで取替えられます。

配管保全センターでも、系統バルブの取替えの見積もりをご提示することは可能ですので、ご興味のあるかたは、こちらからお気軽にご相談ください。

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