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共用部給水管の取替えいくらかかる? 世帯数別 費用実例

2024年8月31日
この記事のカテゴリー : 給水・給湯管の保全

マンションの屋内共用部給水管の取替えは、様々な要因によって、見積もり額が大きく変わります。

今回の投稿記事では、屋内共用部給水管の取替えにいくらかかるかについて、実際の事例を交えながら説明します。

長期修繕計画を作成しようとしていたり、実際に見積もりを取り始めているマンションの管理組合さんには参考となる情報ですので、ぜひ最後までご覧ください。

動画

 

世帯数別の費用実例

それでは、実際に、配管保全センターグループが提案した屋内共用部給水管の取替え工事の世帯数別の費用例をご覧ください。

ここ数年での部材と人件費の値上がりの影響を受けて、全体的にコストは上がっていく傾向にありますが、参考までにご覧ください。

世帯数規模    費用(万円/世帯)
約150世帯 14.1万円
約90世帯  14.8万円
約70世帯  14.9万円
約30世帯  15.0万円
約30世帯  11.4万円
約20世帯  23.0万円

なお、これらの費用額は、屋内の共用部の給水管の取替え費用のみとなります。

共用部の給水管を取替える際には、直結化やメーターユニット交換の工事も同時に行うことが多いのですが、直結化に伴う増径工事やポンプ設置費用、各世帯のメーターユニット交換費用は含まれていません。

今回、⑤を除くと、世帯規模が大きくなるほど、世帯あたりの費用が安くなる結果となりました。

⑥の約20世帯のところは世帯あたり23万円となっていますが、小規模になるほど、ボリュームメリットが効かなくなり割高になる傾向というのはお分かりいただけるかと思います。

費用の主な変動要因

給水管の取替え工事にあたって、実際に提示した費用をご覧いただきましたが、単純に世帯数で費用がきまるわけではありません。

⑤の約30世帯のマンションは、今回の6つのケースの中で最も安くなっており、同じ規模の④とはかなり差があることがわかります。

なぜ、見積もり額がこのように変わってくるのでしょうか。

それは次にあげる項目が見積もりの変動要因として大きく関わってくるからです。

1)配管ルートの違い(どこに配管を通すか) 
2)配管の材質 
3)施工業者による違い 
4)住民の組合運営に関する関心度合い

1)配管ルートの違い

まず大きな変動要因としては、配管のルートの違いがあげられます。

ほとんどのマンションでは、共用部の給水管の立管は、玄関の扉の横の水道メーターやガスメーターが入ってるパイプシャフト内にあります。

既存の給水管と同じ配管ルートで、パイプシャフト内に新規の給水管を設置する方法を「隠蔽方式」と呼んでいます。

一方、パイプシャフト内ではない違うルートで、新規の配管を隠さずに露出して設置する方法を「露出方式」と呼んでいます。

隠蔽方式の場合は、通常、既存の配管を抜いて、そこに新規の配管を設置しますので、それまでの間、断水が数日続くことになります。

それでは不便ですから、まず、仮設配管を設置して、暫定的に使用できるようにしてから、既存配管を抜いて新規配管を設置します。仮設配管は新規配管を設置したあとに撤去します。

そのため、従来までは露出方式よりも隠蔽方式のほうが見積もりが高くなるのが一般的でした。

ただ、昨今の部材の値上がりにより、露出方式では露出した配管をラッキングするコストの値上がりで、最近では隠蔽方式と露出方式で、見積り額がそれほど変わらないケースが増えています。

ラッキングとは、配管板金工事のことで、配管を保温材で巻き、さらにその上から薄い金属を巻く工事のことです。

このステンレス等の金属の材料費が高騰して高止まりしている状態のため、露出方式と隠蔽方式の見積り額があまり変わらなくなってきているということです。

なお、パイプシャフト内が狭すぎたり、既存の給水管がパイプシャフトの奥にあってガス設備を取り外さないと既存配管を取替えられなったり、パイプシャフトの上部に大きな梁があるといった場合は、露出配管の方が安くなるケースが多いです。

また、ガス設備を取り外す場合、工事日の朝にガスメーターやガス管を取り外し、夕方には復旧させることとなり、最終的に室内でのテストも必要なことから、1世帯あたり10万円程度の追加費用が必要となります。

2) 配管の材質

また、配管の材質によっても、見積もり額が変わってきます。

ステンレス配管、エスロンハイパー管、HIVPという耐衝撃性の塩ビ管等、配管の材質によりいくつか選択肢があります。

マンションの大きさによっても、どの配管がいいのか、適切な配管は変わってくるので、このあたりに関しては、こちらの投稿記事をご覧ください。

共用部の給水管取替え どの材質を選ぶべき? 3種類の配管を比べてみました

3)施工業者による違い

見積り額の大きな変動要因として、施工業者による違いがあります。

工事を実施するにあたり、複数の業者から最終的に配管保全センターがご紹介した施工業者を選んでいただいたあとで、お客さんから他社の見積り額がいくらだったかを教えてもらうことがあるのですが、見積もり額に2倍以上の差があったことは、珍しくありません。

元請けとなる施工業者が下請けの業者をどの程度使うのか、熟練した職人がどれくらいいるのか、また、その工事の時期は施工業者が多忙な時期なのかそうではないのかといったことでも、見積もり額がかなり変わってきます。

下請けを使う比率が高い施工業者では、人件費の高騰と人手不足の影響で、工期にかなり余裕を持たせるようにするため、結果として、見積もり額も高くなってきます。

それでも、工事が予定通りに進まないケースがかなり多くなってきているので、業者選びは慎重に行う必要があります。

4)住民の組合運営に関する関心度合い

それから、少し違った観点となりますが、かなり大きな変動要因となりえることとしては、住民の組合運営に関する関心度合いがあげられます。

住民が総会にほとんど出席しなかったり、管理会社に任せていれば全て安心と信じ込んでいる住民が多かったりすると、隠蔽方式にすると決め込んで、結果として、工期も長くなり大幅に割高な見積もり額になったり、手数料がかなり上乗せされた見積もり額になることが多くなります。

ひどいケースでは、新規の配管も錆びやすいライニング鋼管を使って、工事後の長期修繕計画で25年くらいあとに、本来不要な2度目の更新工事の予算計上がされていたりすることもあります。

配管保全センターでは、マンションの配管の材質や、あと何年住み続けるかといったことを総合的に考えて、最適な保全方法のご提案を無料にて行っております。

また、下請け比率が少なく、実績もあり、工期がほぼ遅れずに完工できる体制を整えた業者のご紹介も可能です。

ご興味のあるかたは、お気軽にご相談ください。

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