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屋内配管 すべて交換したらいくらかかる?

2024年3月16日
この記事のカテゴリー : 給排水設備の更新費用

最近、配管保全センターへの問い合わせで多くなってきているのは、「築40年以上のマンションで、今まで配管に関して手つかずだったが、これから築70年、80年、場合によっては100年と住み続けたいので、専有部の配管も含めて、屋内の給水・給湯・排水管を全て取替えることを検討しているが、費用はどれくらいかかりますか?」という問い合わせです。

そこで、今回は築40年以上のマンションで共用部、専有部ほぼ全ての配管を取替える事例について、見積り額や工事日程についてご紹介いたします。

100年マンションを目指して、全ての配管を取替えようとされているマンションにとっては、とても参考になりますので、ぜひ、最後までご覧ください。

動画

 

専有部内の取替え前後の配管の配置図イメージ

それでは、今回の事例として、首都圏の30世帯で3階建てのマンションの事例についてお話します。

下の図は、専有部内の工事前後の配管の配置図です。

左が取替前で、右が取替え後の配置図ですが、既存の配管がどこにあり、それらを何の材質で取り替えたかを示しています。わかりやすくするために、多少、実際のものとはレイアウトが異なります。 専有部の給水管を水色、給湯管をピンク色で示していますが、これらを架橋ポリエチレン管に取替えます。配管は露出配管ではなく、床下に配管します。

専有部の排水管は、雑排水管を緑色、トイレの汚水管を茶色、電気温水器の排水管を赤色で示しています。

住居内の立管は共用部となりますが、取替え前の立管を四角で、取替え後を丸で示しています。通気管は黄色で表わしています。

汚水管と雑排水管は耐火VPという材質で、電気温水器はHTVPという材質に取替えます。

共用部の排水管立管の取替え概要

それでは、次に、排水管の立管の取替えの概要についてお話します。

取替える範囲としては、3階の天井裏のコンクリートスラブの下から、地下ピットの横主管までです。

横主管は塩ビ管なので、今回は取替えません。

また、3階天井裏のコンクリートスラブから屋上に貫通している箇所については、屋上の防水処理工事の時に行ったほうが安くつくので、今回は工事対象外となります。

共用部の立管の工事は、例えば101号室、201号室、301号室は01号室系統という縦の系統になりますが、1階から3階まで縦の系統ごとに行います。

初日に、縦系統ごとに汚水管・雑排水管・電気温水器の排水管・通気管の4本の立管の取替えを行います。

2日目に専有部の配管を取替えます。

最終日の3日目は内装復旧作業を行います。

 

初日は、対象となる系統の1階から3階の3世帯の住民に在室もしくは合い鍵を渡していただく必要があります。

断水は9時~17時で、初日の工事後の夜は水が使えるようになります。

2日目は、各世帯ごとの取替え工事となりますので、各世帯の都合に合わせて、この3日間でなく、別の日程に工事を行うこともできます。

2日目は工事を行う部屋だけ9時~17時が断水で、その日の夜からは水が使えます。

3日目は立管や専有部の配管を取替えるために開口した床や壁を元に戻すための復旧作業ですが、2日目の専有部の配管の取替え後には水は使える状態になっていますので、各世帯の都合に合わせて、後日、復旧工事を行うこともできます。

 

なお、共用部の給水管は、このマンションは、既に取替えられていたため、今回の工事には含まれていませんが、仮に取替えるのであれば、共用部給水管の取替え費用は目安としては世帯あたり10万~30万円程度になると思われます。

今回の工事費用は、世帯あたり内装復旧費用込みで税抜約140万です。

共用部給水管も工事対象に加えるとすると150万~170万円程度になるということですね。

当マンションでは、他の一般的なマンションと同様に、専有部は各世帯の費用負担で配管を取替えるというルールでした。

今回の工事では、漏水リスクの高い専有部の配管も管理組合主導で修繕積立金から拠出して工事することになりました。

そうすると既に個人負担で専有部の配管を所定の材質に全て個人負担で取替え済の世帯としては不公平感を感じます。

その不公平感を解消するために、全て取替え済みの世帯には、専有部の配管の取替え費用分として80万円を返金することとしました。

どのマンションでも、今回のような金額になるということではありません。条件次第では、200万円以上になることもあります。

ガス給湯器でなく電気温水器で電気温水器用の排水管の立管があるのかといったことでも排水管の立管の本数が変わってきます。また何階建てのマンションなのか、共用部の排水管の横主管も対象とするのか、開口した壁や床の復旧の仕方や面積の違い、ユニットバスを壊したり、排水管がコンクリートに埋まってる面積、スラブ下配管で、床下も天井裏も開口しなくてはいけない等の条件によっては、その分の金額が加算されます。

ただ、排水管の立管の取替えだけで、世帯あたり170万円といった高額な見積もりを提示されてしまう場合もありますので、くれぐれも、見積りは管理会社経由だけでなく、それ以外の複数社から取ることをお勧めします。

実際、今回ご紹介したケースでは、他社からの見積りでは我々の倍以上の見積り額となっていました。

また、工事関連業界では職人の人手不足は更に深刻化し、今後も工事費の値上がりは恒常的に続いていくと予想されます。

借入はしたくないとの理由から、積立金が貯まってから工事したとしても、借入利息以上に値上がりする可能性もえられます。

それであれば、早めに屋内を含めた配管をすべて取替えることで、漏水を防ぎ、保険料も下がり、新たにマンションを購入して移り住む住民が増えるといったメリットが期待できますから、実施タイミングは総合的に判断していく必要があると考えます。

このチャンネルをご覧の皆さまの中で、「業者から提示された見積り額が適正な価格なのかどうかがわからない」「配管の取替え工事を検討しているが、マンションの配管全体の優先度を考えた工事内容になっているのかどうかわからない」といったお悩みをお持ちであれば、お気軽にご相談ください。

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