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直結給水方式への切替え費用 3つの変動要因
2023年10月22日
この記事のカテゴリー :
受水槽の保全・直結化
配管保全チャンネルでは、受水槽や高架水槽からの給水方式をやめて、直結給水方式に切り替える工事についての費用や、メリット・デメリット等について、何度も取り扱ってきました。 今回は、直結給水方式に切り替える工事費用の金額が変動する主な3つの要因について、お話します。 給水方式を切り替えようとされている分譲マンションや賃貸マンションさんには、とても参考になる情報かと思いますので、ぜひ、最後までご覧ください。
動画
変動要因① 仕様
それでは早速ですが、一つ目の変動要因として、「仕様」についてお話します。 当然のことですが、以下のような仕様の違いで、工事費用が大きく異なります。
ポンプの要否
マンションの階数が一定の階数以上になってくると、直結増圧ポンプがなければ水圧不足で、最上階にまで水が届かないため、直結増圧ポンプが必要になります。 また、マンションに引き込まれた水道局の本管の水圧の高さによっても、ポンプの要否が変わります。 なお、ポンプが不要な場合は、ポンプを設置する場合と比べて、引込管や共用部給水管の口径を太くしなければならないこともあります。 その場合、逆に初期の工事費用が高くなるケースもあります。 ただ、直結増圧ポンプが不要な場合は、工事後のメンテナンス費用として、ポンプの交換費用や点検費用、ポンプを動かす電気代が不要になりますので、長期的視点ではかなりの費用メリットとなるといえます。
ポンプの能力
ポンプが必要な場合は、主に世帯数と、世帯数あたりの平均的な居住者数で必要となるポンプの能力が異なります。 当然、高い能力が必要になるほど、ポンプの仕入れ価格が上がります。 ポンプに求められる能力の計算方法は、地域によって異なりす。
配管口径
受水槽や高架水槽をやめて直結給水化する際には、公道の下に埋設されている水道局の本管からマンションまでの引込管の口径を太くする必要があることが多いといえます。 場合によっては、口径を太くしなくていいケースもあります。 求められる口径の太さは、地域によっても異なりますが、主に世帯数と世帯数あたりの平均的な居住者数で決まります。
給水管の材質
使用する配管の材質の違いによっても、工事費用が異なります。よく利用される材質としては、エスロンハイパーや、耐衝撃塩ビ管、ステンレス管といったものがあります。
配管の交換範囲
直結化にともなって、直結増圧ポンプに繋がる共用部の給水管や、各世帯のパイプシャフト内の水道メーターまわりの配管も新しくするかどうかで、工事費用が大きく変わってきます。 また、共用部の給水管を新規に配管する場合、パイプシャフト内に新規配管を通すのか、露出配管にするのかによっても大きく、費用が変わってきます。
アスベスト調査結果
工事に伴ってマンション屋内の壁や天井、配管の保温材等を解体する必要がありますが、これらの建材には人体に有害なアスベストが含まれている場合があります。 令和4年4月から解体作業を行う際に、アスベスト調査を行うことが義務付けられており、調査結果によっては、防護服着用の作業といった、想定外の費用がかかります。
貯水槽の撤去有無
受水槽や高架水槽を撤去するのか、タンクの下の架台も撤去するのかによっても工事費用が変わってきます。 なお、高架水槽については、足場を組む大規模修繕のタイミングで撤去するほうが工事費用としては安くなるケースが多いといえます。
変動要因② 市区町村のルール
それでは次に、二つ目の変動要因として「市区町村のルール」についてお話します。
分担金の有無
水道局の本管からマンションへの引込管の口径を太くする場合、分担金を支払わなくてはいけない地域があります。 金額としては、数百万円必要となるケースもあります。
補助金の有無
水道局の本管からマンションへの引込管の口径を太くする工事については、補助金が出る地域もあります。 ただ、年度末になると予算の関係で、工事の時期を翌年度にしなくてはいけないケースもあります。
階数制限
ポンプを必要とする階数が原則4階以上で、特例として5階までは不要とするといった地域もあり、地域ごとにポンプの要否の確認が必要です。
配管の口径の定義ルール
地域によっては、昔のルールが改定されず、30世帯クラスのマンションでも、500世帯クラスのマンションに求められる口径の配管を設置しなければならないところもあります。 また、共用部の給水管で、30Aの口径の配管を使えず、40Aの口径の配管を使わなくてはいけないといった規則になっているケースもあります。 地域の水道局の統廃合により、以前とルールが大きく異なってしまう場合もあります。
変動要因③ 業者
それでは、3つ目の変動要因としての「業者」について、お話します。
管理会社経由かどうか
管理会社から見積もりを取ることで、20%から多い時には35%近くのバックマージンが含まれた見積り額になっている場合があります。 ただ、管理会社が工事のバックマージンを取るということを問題視する風潮になっており、最近では、バックマージンを取らない管理会社も増えてきてはいます。
下請けをどの程度使うか
直結給水化の工事では、自社の職人のみで工事を行う施工業者のほうが、見積り額が安くなる傾向にあります。 施工業者によっては二次請け、三次請け、多い時には五次請けと、下請けを多く使う場合があり、当然、下請け業者もそれぞれ利益を確保しますので、見積り額も割り増しになっていきます。 管理会社によっては、資本金が多い施工業者のほうが安心だといいますが、昨今では資本金がいくらかといったことは、ほぼ考えなくてもよくなりました。 というのは、利用者保護のための瑕疵保険が十分に普及しており、工事の際に、施工会社に瑕疵保険に加入してもらえば、利用者は施工から10年間の保証が安心して受けられるようになっているからです。 下請けの下請けといった階層が多いほど、スケジュール調整のために工期も長くなりがちで、その分、費用が高くなりがちといえます。
ポンプの見積り額の違い
ポンプの見積り額を標準価格の何掛けにするかは、業者によって異なります。 なお、インターネット上で、キャンセルになったといった理由で、かなりの格安価格でポンプを販売している場合もありますが、メーカーではそういったポンプの保全契約はしないことが多いので、注意が必要です。
時期の違い
同じ業者でも、時期によっては工事が重なり、下請けの人員の割合が増えるケースもあります。 マンションが希望する時期に工事をするのではなく、業者の都合に合わせて工事時期を決めると、見積額が安くなるケースもあります。 いかがでしたでしょうか。参考になりましたでしょうか。 直結給水方式への切り替え費用の変動要因に関して、「仕様」「市区町村のルール」「業者」と3つの変動要因についてお話ししましたが、それぞれの項目での詳細について、今までの投稿記事で取り上げていますので、勉強部屋の「
受水槽の保全・直結化
」等をご覧になってみてください。 なお、今でもポンプや材料費は値上がりが続いており、人件費も上昇傾向にあります。 このまま、長期で値上がり傾向が続くのかどうかは、何とも言えませんが、今の情勢ではおそらく、工事のタイミングが遅くなるほど、値上がりする可能性が高いと考えられます。 どこかのタイミングで直結化したいとお考えのマンションでは、今の値上がり傾向を考慮して、工事の時期を前倒しすることも、費用を抑える手段となりえるといえるかもしれません。 また、管理組合が見積もりを出した業者に注文するまでには、相当長い期間があるのが一般的です。 見積もりを提示してからの値上がり分を考慮してくれないような場合は、業者はそれを見越して高めの見積もりを提示することになります。 管理組合側としては、値上がりを考慮するという条件で見積もりを出してもらったほうが、逆に見積もり額が安くなることもあります。 そのあたりは、こちらの投稿記事も参考にしてみてください。 「
資材・人件費 値上げラッシュ!! マンションの修繕費用 賢い見積りの取り方
」 配管保全センターでは、受水槽を使い続けたほうがいいのか、直結化したほうがいいのか? また、それぞれのメリット・デメリットについても、マンションの状況に合わせて情報提供を行っています。 マンション理事会が住民に説明する際の資料としても役立てていただけると思います。
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