2023年7月6日
この記事のカテゴリー : 給水・給湯管の保全

ただ、給水管からの漏水が始まっているようなマンションでは、錆びコブが映った画像を撮るのは、それほど難しくはないと言えます。
費用的には、配管の取替え工事の見積もりを出している業者に依頼すれば、場合によっては無料で調査してくれることもあるでしょう。
無料でなくとも、説得材料として画像を撮りたいということであれば、一般的には10万円もあれば費用としては十分かと考えます。
ということで、説得材料のために、10万円以下の費用で内視鏡調査を行うのであればよろしいかとは思いますが、内視鏡調査に数十万円もかかるということであれば、金額の見直しが必要といえます。
共用部の給水管も、その画像と同じような状態になっていると勘違いしてしまい、慌てて共用部の給水管全てを取り替えたり、更生工事を実施してしまう管理組合さんも多いといえます。
マンション内には、共用部の給水・排水管、専有部の給水・給湯・排水管と様々な配管がありますが、漏水しやすさに応じて、長期的かつ効率的な配管保全方針を修繕積立金の状況を鑑みながら十分に検討することが必要といえます。
そのうえで、どの配管から保全していくべきか、きちんと優先順位をつけて、対応していくことをお勧めします。
例えば、築30年を過ぎてくると、イラストの赤枠の異種金属接触部だけでなく、水色の丸で示した給水管立管と各戸の水道メーターに分岐する接続部にも錆びコブが生成され、漏水が発生し始めます。
それならばここが優先順位が高いかというと、そうではなく、専有部の給水(ライニング鋼管)・給湯(銅管)のほうが、より漏水リスクが高く、優先順位も上となります。
専有部は各区分所有者が自己責任で保全するというのが原則となっている管理組合が多いのですが、組合主導で専有部の更新工事をしていく制度を作ってでも、先に対応していくことが望ましいと言えます。
修繕積立金が限られているならば、専有部の更新工事を優先して、共用部の給水管立管は一斉更新するのではなく、お金をなるべくかけずに、水色の丸で示した部分が漏水するたびに、その箇所だけ変えていくという方針を取り入れていくという考え方もあります。
このあたりのことは、下の投稿記事もご参考にしてみてください。
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