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シャワーの水圧が弱くなったら? 管理組合が取り組む5策

2022年7月29日
この記事のカテゴリー : 配管に関する知識

「このごろシャワーの水圧が弱くなってきた。いろいろ試したけれど、全然改善しないし、悪くなる一方だ」とお困りのマンション住民の方は多いのではないでしょうか。

「シャワーヘッドやホース自体も新しくしてみたし、止水栓やフィルターもチェックした。給湯器も適したものに新調し、自分でやれそうなことは全部やってみたのに、一向に変わらない。。。」

このような場合は管理組合に、いまからお話する5つの対策に関して相談をしてみてはいかがでしょう。

対策内容

こちらが、今回、ご紹介する5つの対策です。
① 水道メーターまわりの配管やバルブの取替え
② 減圧弁の取替え
③ 高架水槽方式なら新たにポンプを設置
④ 高架水槽方式から直結増圧方式への変更
⑤ 配管の洗浄・延命・再生・取替え

これらの対策には、高額な費用が必要となるケースもありますが、いずれにしろ対策を講じないとシャワーの水圧低下にとどまらず、漏水事故につながることにもなりかねません。

水圧低下は、マンション全体の配管を保全するにあたってのサインともなりますので、是非最後までご覧ください。

なお、これらの対策を講じる前に、まずは、管理組合に2、3世帯の水道メーターをはずして、水圧を測定してもらうことをお勧めします。心地よいと感じるシャワーの水圧には個人差があるので、具体的にどれだけの水圧があればいいかを定義するのは難しいですが、水圧の目安としては0.2MPa(メガパスカル)あたりが、標準的な値といえます。

① 水道メーターまわりの配管やバルブの取替え

それでは、5つの対策をお話します。まずひとつ目は、「水道メーターまわりの配管やバルブの取替え」です。

各世帯の水道メーターまわりの配管やバルブは、異種金属接触している場合が多く錆びやすくなっています。築年数が経つにつれて、配管内で錆びがコブ状に膨れ上がり(錆びコブ)、配管内が閉塞して、それに伴い、水圧が下がってしまいます。

水道メーターを外した箇所を測定した結果、水圧が低かったり、水道メーターをはずしたところ、配管内の錆びによる閉塞がひどい場合は、水道メーターまわりの配管やバルブを取替えることで、配管内の錆びコブによる閉塞が改善され、水圧も改善される可能性があります。

シャワーの水圧が低くなってしまうほど、配管の閉塞が進んだ状態であれば、放っておくと漏水事故にもつながるリスクもありますので、シャワーの水圧うんぬんに関係なく、配管保全の観点から水道メーターまわりの配管やバルブの取替えが必要となります。

② 減圧弁の取替え

2つ目は、「減圧弁の取替え」です。

水道メーターの手前に減圧弁がついているマンションが多いのですが、これらの減圧弁は経年劣化により、水圧が上がってしまう場合と水圧が下がってしまう場合があります。

メーカーの取替え推奨間隔は8~10年で、それよりもかなり経過している場合は、管理組合に水道メーターの場所で水圧測定をしてもらい、水圧が低い場合は、減圧弁を取替えることで、水圧が改善される場合もあります。

③ 高架水槽方式なら新たにポンプを設置

3つ目は「高架水槽方式ならポンプを設置する」です。

屋上に高架水槽が設置され、そこから各世帯に給水しているマンションの場合、屋上の床から高架水槽までの高さが十分でないと、上層階の部屋の水圧は弱くなりがちです。

高架水槽から各世帯には、重力による自然落下で給水していますので、どうしても、上層階のほうでは、落下距離が短く、水圧が弱くなってしまうからです。

築年数が若いときは、問題ないと思われますが、経年劣化で共用部と専有部の配管内が錆で閉塞してくると、①の対策である「水道メーターまわりの配管やバルブの取替え」を行ったとしても改善されない場合があります。

そうした時は、上層階にだけはブースターポンプを設置する方法もあります。

ただ、何階までポンプを付けるのかで不公平感が出てきて組合内で話がまとまりにくかったりもします。

④ 高架水槽方式から直結増圧方式への変更

4つ目は 「高架水槽方式から直結増圧方式への変更給水方式の変更」です。

高架水槽方式をやめて、直結増圧方式にすれば、ポンプで最上階の水圧を設定できますので、水圧改善される可能性は高いです。

給水方式を切り替える初期費用はかなりかかりますが、高架水槽方式を続けると、
・高架水槽の取替え、メンテナンスコストが必要
・衛生上の問題が残る
・自然落下なので停電時でも高架水槽に貯まっていた水が使えるが、なくなると断水になる
といった課題があります。

直結増圧化すれば、
・最上階の水圧が最適になるようにポンプで調整できる
・衛生面が向上
・停電時でも低層階は給水され続ける
というメリットがあります。

さらに、直結増圧方式は切り替えにコストがかかりますが、高架水槽方式のままよりも長期的には割安になる可能性があります。

ただし、築年数が古いマンションの場合、増圧方式に切り替えたあと、水圧が増加することで漏水を誘発するリスクがありますので注意が必要です。このあたりは、別の投稿記事でお話する予定です。

⑤ 配管の洗浄・延命・再生・取替え

最後は、「配管の洗浄・延命・再生・取替え」です。

給水管が鉄管系の材質であれば、経年劣化により、錆による腐食で、共用部と専有部の給水管が閉塞していきます。

経年劣化により、水の硬度が高い地域であれば専有部の給湯管も、スケールまたはカルキと呼ばれる炭酸カルシウム系の白い固体が固着して閉塞していきます。

これらの配管の閉塞を改善する方法としては、洗浄・延命・再生・取替えといった選択肢があります。

分譲の専有部については、各区分所有者の保全責任範囲となりますが、管理組合が対策を講じたほうが割安になることが多いので、専有部に関しても管理組合主導で実施するケースが多くなっています。

いずれにしろ、費用が高額になるため、管理組合としては、慎重に検討していくことになりますが、シャワーの水圧が弱いという問題が、マンション全体の配管保全に関わる重要な話にも発展する可能性があります。

各種工法の改善度合い、即効性、持続性、漏水事故リスク、工程、費用の違いについては、また、別の投稿記事でお話する予定です。

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