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排水管立管の取替え 材質選びの5つのポイント!

2022年6月10日
この記事のカテゴリー : 排水管の保全

これまでの投稿記事でも取り上げてきましたが、マンションの修繕工事の中でも、共用部にあたる排水管の立管の取替えは、労力も費用もかなりかかる作業といえます。

一斉に立管の取替えを行うのであれば、最適な材質で、かつ経済的に済ませたいですよね。

最近では従来よりも、かなり優れた材質の配管が各メーカーから出ています。今回の投稿記事では、排水管の立管を取替える際に、皆さんに知っておいていただきたい配管の材質選びのポイントについてお話しますので、ぜひ、最後までご覧ください。

排水管の材質選びのポイント

それでは、早速ですが、5つのポイントについて、ひとつずつお話していきます。

① 防錆性
② 遮音性
③ 耐火性
④ 排水性能
⑤ 施工性

 

①防錆性

まずは、なんと言っても、防錆性、いわゆる錆びないということですね。

せっかく多額の費用をかけて排水管の立管を取替えたとしても、新たに取り換えた排水管が錆びやすい材質だった場合、取替えの数十年後にはまた、漏水や詰まりが起こり始めるかもしれません。

イラスト①にあるように、錆びやすい配管だと配管の継手の部分に、錆びコブができてしまい、錆が配管を貫通して漏水事故を起こします。また、錆びコブによってせき止められた汚物がそこに固着すると、排水管が閉塞して詰まりを引き起こし、排水の際に、排水が逆流して部屋が水浸しになるリスクがあります。結局、再度、排水管を取替えることにもなりかねません。

そのようなリスクは避けたいですよね。ということで、排水管の立管を取替える際には、耐熱性を問われるといったことが無い限り、配管は原則、樹脂製で錆びない材質にすることはとても重要です。

イラスト①

②遮音性

2つ目は遮音性です。

各世帯の水道メーターやガスメーターが格納されているパイプシャフト内に立管がある場合は、排水音は部屋の中からは聞こえませんが、トイレやキッチンの壁といった部屋の中の壁裏に立管があるときは、排水音が漏れ聞こえるので、配管にも遮音性を求められる場合が多いです。

イラスト②の例のように、キッチンの横に雑排水管の立管がある場合、遮音処理していなければ、静かな時間帯のときに、上の階からの排水音が気になることがあります。

右側の画像は、いわゆるトミジ管と呼ばれている耐火二層管です。塩ビ管の周りに遮音対策と耐火対策のために繊維混入セメントモルタルを被膜しているので、遮音性は高いです。

ただ、配管自体が重く、施工性が悪いため、従来のトミジ管でなくても、遮音性の高い配管がありますので、なるべくそちらを選択することをお勧めします。

イラスト②

③耐火性

3つ目は耐火性です。

排水管は、マンション各階の床下にあるスラブという躯体を貫通して最上階まで配管されています。

下の階で火災が起きた場合、排水管が燃えやすい材質だと、イラスト③の右側に示したように排水管が燃え落ちて、配管が通っていたスラブに穴が空き、その穴から火が入り込んで、上の階に火災が及んでしまいます。

よって、スラブの貫通部には、鋼管やさきほどのトミジ管といった不燃材の配管を用いるか、樹脂管の場合には、耐火仕様の樹脂管を用いる必要があります。

耐火仕様でない樹脂管を用いる場合は、フィブロックといった防火区画貫通材料を巻く工程が必要となるので、基本的には耐火仕様の樹脂管を用いることをお勧めします。

イラスト③

④排水性能

4つ目は、排水性能です。

イラスト⑤のタイプAの場合では、専有部の排水管が2方向から接続しているので、一斉に排水されると、立管部分でぶつかって排水しづらい状態になります。

タイプBでは、立管の内部に旋回羽根がついており、排水を旋回させながら立管内を流下させています。立管内に空気芯ができることで排水能力が向上します。

イラスト⑤

⑤施工性

5つ目は、施工性です。

従来用いられてきた排水管と、最近用いられている排水管の施工性と費用面での比較を表①に示しました。

最近用いられている排水管は、従来のものと比較して、配管が軽く、また切断もしやすくなっています。遮音・耐火処理も簡単で、継手がスリムでスラブをはつる量も少なくできますので、当然、作業時間が短縮されます。

また、材料価格も、従来のものと比較して高くないことが多いので、結果的に工事費用を安くすることができます。

表①

以上が排水管の立管の取替えに適した材質を選択する5つのポイントです。

他にも、ほとんどのマンションで利用されているガス給湯器ではなく、電気温水器を使っている場合には、配管の耐熱性を考慮しなくてはいけなかったりと、他のポイントもありますが、今回は主となる5つのポイントをあげました。

いかがでしたでしょうか、参考になりましたでしょうか。

最近使われ始めている配管材料にはどのようなものがあるかについては、別の投稿記事で具体的にご紹介したいと思います。

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