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専有部の配管 安く一斉更新をする3つのコツ!

2021年9月5日
この記事のカテゴリー : 修繕積立金・専有部の取り扱い

以前より「水漏れは専有部で発生することが多いんです」とお伝えしていますが、築年数が進むと「どうにかしなければ」と、多くのマンションでは、管理組合主導で専有部の配管の一斉更新を行うようになっていきます。その際に、一斉更新のトータルの費用を安くするコツを把握していないと、下手をすると倍近い修繕費用を支払うことになりかねません。

今回の投稿記事では、「一斉更新を安くするコツ」を3つに整理して、ご説明します。

世帯数が多いマンションほど、きちんと対応していかないと、大きく修繕費用がかさんでしまいますので、是非最後までご覧いただき、ご参考にしていただければと思います。

動画

 

3つのコツ

早速ですが、3つのコツとしては、
コツ①:現地調査をきちんと行う
コツ②:見積もりは透明性を持たせる
コツ③:見積もりは余裕を持った工事日程を前提で依頼する
です。

当たり前のことのように見えますが、意外とこれが出来ていない管理組合さんが結構いらっしゃいます。

それでは順番に、それぞれのコツを見ていきましょう。

コツ①:現地調査をきちんと行う

1つめのコツは「現地調査をきちんと行う」ですね。

大規模マンションでは部屋のレイアウトのタイプが10種類以上あったりします。それなのに、1つか2つのタイプの部屋しか現地調査をしなかったり、見えにくくかつ十分な情報が載っていない竣工図だけで施工業者に見積もり依頼をする場合が少なくありません。

実際には、竣工図とは異なる仕様になっている場合も多く、現場を見てみないと、施工業者は正確な見積もりを出すことは出来ないのです。こういった場合、施工業者としては、予測できないことが起きたとしても、損をしないように、余裕を持った見積もり額を提示せざるを得なくなります。

 

配管の取替え工事に必要な確認項目の例としては、次のようなものがあります。
・給湯器はパイプシャフト内か、あるいはベランダか
・配管を通す際に邪魔になる梁をさけ、どのルートで配管を通せばいいか
・配管を通すために天井に点検口をあけるのか、あるいは床をはがすのか
・ユニットバスの裏側に新しい配管を通せるスペースが十分にあるのか
・壁や床の材質はなにか 等
見知らぬ人が住居に入るのを好まない方もいらっしゃいますが、きちんと現地調査することで見積もり額を抑えられるので、なるべく多くの住民の方に、協力してもらうように努力する必要があります。

コツ②:見積もりは透明性を持たせる

2つ目のコツは、「見積もりは透明性を持たせる」です。

マンション管理会社に任せきりの管理組合や、理事長がワンマンで、なんでも一人で強引に進めてしまう傾向にある管理組合では、なかなか透明性が維持できない場合があります。これは、わかっていても、なかなかできないところですよね。

そういったマンションでは、複数社の見積もりをとったテイにして、実は、出来レースで、談合まがいのことが行われることがよくあります。

また、見積もりを各施工業者に出してもらう際に、仕様が明確でないと、正確な比較ができません。見積もりを行う際には各業者には仕様をそろえて提示して、「アップル to アップル」で同じ内容で価格の比較ができるようにしましょう。

それから、入札に応募できる業者は、資本金が〇億円以上ないとだめといった条件を設定しているケースもよくみかけます。業者の倒産等を警戒してといった理由からといったこともありますが、現在は、瑕疵保険が充実しており、資本金がそれほどない施工業者でも十分、保証能力は維持できます。

1.依頼する業者は、息がかかった特定の業者ばかりではないか

2.見積もりは詳細レベルまで仕様を明確にした上で、依頼しているか

について、ご留意ください。

コツ③:見積もりは余裕を持った工事日程を前提で依頼する

3つ目のコツは、「見積もりは余裕を持った工事日程を前提で依頼する」です。

今の時代は、なんでも頼んだらスピーディにすぐに来る、すぐに直してもらえるという感覚がみなさん、強いと思うのですが、各世帯の配管工事を一斉更新する際は、別と考えてください。コストをなるべく抑えたいのであれば、思っているよりも工事期間が長期間かかるという覚悟で、見積もりを依頼するのがよろしいかと考えます。

例えば一斉更新する世帯数が150世帯あり、半年間で工事を終わらせたいという組合からの要望で、1社が半年で一気に工事をするとします。

配管の取替えを1世帯あたり、2人で2日かけて行うと仮定しても、

2人×2日×150世帯で、のべ600人日必要です。ここで、のべ〇人日とありますが、これはのべの人数と日数を表わし、ここでは1人で工事をしたとすると600日かかることになります。それを半年の120営業日で行うとすると、単純計算でも約5人の職人が、ひとつの現場にかかりっきりで必要になります。

そのため、工事期間中は、他のお客さんからの仕事を断り続けなくてはならず、工事が終わったころには、もう新規の仕事で、他のお客さんから声がかからない状況に陥ってしまうのです。

そういった事情で、1社で半年で終わらせるといったことに、拘ってしまうと、どうしても、業者からの提示金額は特別特急料金になってしまいます。

対応策としては、
・工事業者は1社に拘らず、品質が確かな複数社と契約する。
・工事期間は半年ではなく、例えば3年間といった余裕を持った期間を設ける。
ということになります。

例えば、さきほどの600人日の工事量についても、4社で3年間で行うことにすると、1社あたり、1年で50人日になります。このくらいの量であれば、職人を他の現場にも割り振ることができるので、料金も高めになることはありません。

ただし、排水管の専有部と立管の接続部を更新する場合は、工事をする階よりも上の階は、水の利用制限をする必要があるため、立管の系統ごとに、なるべく一気に更新するほうが、水の利用制限を行う階数が少なく済みます。

半年で1社で終わらせることが可能な業者もありますが、下請けや孫請けを使って、人件費が高くなる可能性があるので、少なくとも複数社に見積もりを提示してもらうことをお勧めします。

一方で、自社の職人を多く抱え、年間に50人日以上割いても無理のないところであれば、その会社には、より多くの部屋を割り振ったり、3年でなく期間を短くしても問題はない場合もあるでしょう。

 

また、予定していた工事日が突然、住民サイドの都合でキャンセルになると職人を遊ばせてしまうことになります。

そういったリスクを回避するために、業者サイドでは、高めの料金設定にせざるを得なくなります。契約時に、キャンセルした場合は、追加料金を支払うようにしておき、住民サイドが約束をきちんと守る取り決めにしておけば、高めに料金設定されることを避けられます。

 

3つのコツ、簡単なようで、実施するには、理事や修繕委員の決断と実行、それから住民の協力が必要になってきます。

ただ、この3つのコツをきちんと取り入れておけば、トータルコストを思った以上に抑えられますので、ご参考にしてください。

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