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補助金制度で専有部配管の取替え 費用削減!!

2023年10月31日
この記事のカテゴリー : 修繕積立金・専有部の取り扱い

配管保全チャンネルでは、「配管からの漏水リスクは共用部ではなく専有部のほうが圧倒的に高い」ということを何度もお伝えしてきております。

関東エリアの築25年以上のマンションでは、専有部の給水管がライニング鋼管、給湯管が銅管というケースがほとんどです。

これら専有部の給水・給湯管は管理組合主導で一斉に更新するのが理想的といえます。

とはいえ、現時点では、長期修繕計画に専有部の配管の取替えを組み込んでいる管理組合はまだまだ少数です。

また、現在、区分所有法の改正途中でもあり、管理組合主導で専有部配管の一斉更新を行おうとしても、住民から同意を得るのはかなり労力がいるでしょう。

ちなみに、区分所有法に関しては10月22日にアップした「法務省公表 区分所有法改正 専有部配管 取替えが円滑に⁉」でどのように改正されようとしているのかをお話していますので、ご覧になってみてください。

では、全く打つ手がないかというとそんなことはありません。

管理組合が新たな制度を取り入れることで、専有部の配管の取替えが促進されるようになりますので、今回はその制度のアイデアについてお話ししたいと思います。

こういったアイデアを活用することで、管理組合全体として専有部の取替え費用を大幅に削減することも可能です。

専有部配管の一斉更新をなかなか実現できない管理組合さんにとって、とても参考になる投稿記事ですので、ぜひ最後までご覧ください。

動画

 

今回の検討対象となるマンション

それでは、自ずと専有部の配管の取替えが進み、費用も大幅に抑えられる可能性のある制度のアイデアについて詳細をお話しします。

まず、今回対象となるマンションの条件についてですが、築25年以上のマンションで多い、専有部の給水管がライニング鋼管、給湯管が銅管、排水管が塩ビ管のマンションとします。

築20年より新しいマンションでは、専有部内の配管はほぼ錆びない樹脂管なので、今回の検討対象外とします。

また、排水管が塩ビ管ではなくて錆びやすい配管の場合は、新しい排水管に勾配を付けて設置する必要があり、どうしても解体する壁や床の面積が広くなります。

その場合、費用がかさむので、排水管が塩ビ管ではないマンションも今回の検討対象外とします。

管理組合でガイドラインと補助金制度を設定

専有部の給水・給湯管を取替える場合、実は配管の取替え費用よりも、内装復旧費用のほうが高くつきます。

これに対して、区分所有者が各自でリフォームをする際に、給水・給湯管も全て一緒に取り替えてもらうようにすれば、配管だけ取替えようとするよりも、ずっと手間も費用も減らせます。

ということで、管理組合としては、リフォーム時に、以下のようなガイドラインと補助金制度を住民に提案することをおすすめします。

・ リフォーム時に水道メーターより先の給水・給湯管を全て架橋ポリエチレン管に取り替える

・ 取替えが確認できた場合、管理組合からその区分所有者に配管の取替え費用として各世帯の部屋の広さに関わらず一律30万円程度を修繕積立金から拠出する

・ 取り換えの期限は5年~10年以内とする

・ 既に所定の配管に全て取り替え済みの区分所有者には30万円を支払う

・ 期限内に取り替えなかった部屋に関しては組合主導で一斉更新する(費用は区分所有者が負担)

期限内に取り替えなかった部屋にも30万円相当の補助金を拠出すべきかどうかは、マンションによっても事情が異なるため、住民間での十分なディスカッションが必要と考えます。

修繕積立金のやりくり案

専有部配管の取替え費用として世帯あたり30万円とした場合の原資ですが、取替えの優先度の低い共用部の配管の取替えを後回しにして、その予算を回すといった考え方もあります。

理想は共用部も全部取替えることですが、専有部を優先させるとすると、修繕積立金が十分でない場合、共用部は漏水が起きたら部分補修するという考え方を取ることになります。

専有部のほうが漏水リスクが高いのですから、そのようにして修繕積立金を専有部の取替えの原資に回しておき、マンション全体の漏水リスクを低くするということですね。

その後、修繕積立金が貯まってきたら共用部の配管も取替えて100年マンションを目指すという考え方になります。

専有部配管の取替えに関して、修繕積立金から補助金を拠出するためにマンション管理規約を変更すべきか、区分所有法の改正を待つべきか、拠出額は部屋の広さに関わらず一律でも公平性を保てるのか等々この補助金制度を設定するにあたって、いろいろクリアすべきポイントはあります。

最も重要なのは、住民にきちんと説明して賛同を得るということですが、様々な知識を問われますので、マンション管理士等のサポートを受けたほうが円滑な場合もあります。

配管管保全センターのプラニングサポートグループでは、管理規約の改定の要否も含めて、管理組合主導での専有部の配管取替え工事の円滑な実現に向けて総合的にご提案できる体制を整えております。

ご興味のあるかたは、お気軽にご相談ください。
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