2022年3月4日
この記事のカテゴリー : 排水管の保全
専有部の排水管を取替える場合は、基本的には、排水管が配管されている床全体をはがす必要があります。家庭内の排水を共用部の排水管の立管まで流すには、支持金具で配管を固定して、しっかりと勾配をつけなくてはならないからです。
ご参考までに、専有部の給水管、給湯管を取替える場合は、給水管・給湯管は柔らかい材質のポリ管を使うのが一般的になっていますから、取替えのために床全体をはがす必要はありません。
給水管・給湯管に用いられるポリ管
床をはがす面積が広いために、配管の取替え作業時間は長時間に及びます。また、排水管を取替える階のみならず、上の階の住民も水の利用制限がかかります。 これは、排水管の立管近くの配管を取替える際に、上の階の住民が水を使って排水すると、その排水が、取替え作業中の階に吹き出てしまうためです。上の階の住民は、断水にはなりませんが、該当する排水管の立管の利用を制限されます。
また、排水管がシンダーコンクリートというコンクリートに埋まっている場合は、そのコンクリートを斫る必要があり、騒音も含めて、かなりやっかいになります。
浴室の排水管の状態によりますが、手際のいい業者で、マンションの階数が5階程度、シンダーコンクリートにはそれほど埋まっていないという状態であれば、取替え対象となる排水管の立管1系統に関わる住居は、朝の9時から夕方5時のみを断水とし、内装復旧も含めて1日で作業を終わらせることが可能となる場合があります。
イラスト①