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マンション専有部 排水管の取替え 断水時間を昼間だけにできる?

2022年3月4日
この記事のカテゴリー : 排水管の保全

マンションの配管を取替える際に、避けて通れないのが断水ですよね。

夜間も含めて、何日も断水になってしまうのであれば、住民からの賛同を得るのはとても難しく、現実的ではありません。

今回の投稿記事では、マンションの配管の中でも、取替えがもっともやっかいとされる専有部の排水管の取替えを行うにあたって、断水期間を短く、かつ昼間だけにできるというお話をしますので、是非、最後までご覧ください。

動画

 

専有部の排水管を取替えるのは何故やっかいなのか?

断水期間のお話をする前に、専有部の排水管を取替えるのは何故やっかいなのかについて、お話します。

やっかいな理由①

「排水管に勾配をつけるために、床を広範囲に剥がす必要がある」

  •  

    専有部の排水管を取替える場合は、基本的には、排水管が配管されている床全体をはがす必要があります。家庭内の排水を共用部の排水管の立管まで流すには、支持金具で配管を固定して、しっかりと勾配をつけなくてはならないからです。

  •  

    ご参考までに、専有部の給水管、給湯管を取替える場合は、給水管・給湯管は柔らかい材質のポリ管を使うのが一般的になっていますから、取替えのために床全体をはがす必要はありません。

  • 給水管・給湯管に用いられるポリ管

やっかいな理由②

「作業時間が長く、水の利用制限がある」

  •  

    床をはがす面積が広いために、配管の取替え作業時間は長時間に及びます。また、排水管を取替える階のみならず、上の階の住民も水の利用制限がかかります。

    これは、排水管の立管近くの配管を取替える際に、上の階の住民が水を使って排水すると、その排水が、取替え作業中の階に吹き出てしまうためです。上の階の住民は、断水にはなりませんが、該当する排水管の立管の利用を制限されます。

  •  

    また、排水管がシンダーコンクリートというコンクリートに埋まっている場合は、そのコンクリートを斫る必要があり、騒音も含めて、かなりやっかいになります。

断水時間はどれくらい?

それでは、断水時間についてお話します。断水時間は、まず、排水管の取替え工事を行う施工業者の「手際のよさ」の違いで大きく変わります。

ここでいう「手際のよさ」とは、短期間で効率的に施工を行うスキルを持っているという意味です。

また、「手際のよさ」以外にも、②~⑦のような条件の違いによっても断水時間が大きく変わると言えます。
① 排水管の取替えをお願いする施工業者の手際のよさ
② マンションの階数
③ 専有部内にある排水管の立管の本数と位置
④ 開口する床や壁の面積
⑤ シンダーコンクリートに埋まっているかどうか(埋まっている厚み)
⑥ 浴室がユニットバスかどうか
⑦ スラブ上配管か、スラブ下配管か

 

浴室の排水管の状態によりますが、手際のいい業者で、マンションの階数が5階程度、シンダーコンクリートにはそれほど埋まっていないという状態であれば、取替え対象となる排水管の立管1系統に関わる住居は、朝の9時から夕方5時のみを断水とし、内装復旧も含めて1日で作業を終わらせることが可能となる場合があります。

  • また、排水管の立管が、各世帯の専有部内に2本や3本といった複数本ある場合でも、夜間に断水しなくてもいい流れをイラスト①に示しました。

    この例では、専有部内に立管が、キッチン用の雑排水管1本、洗面所・洗濯機・お風呂の雑排水管1本、トイレ用の汚水管1本としています。

    1日目は9時から17時でキッチン用の雑排水管の取替えと内装復旧を終え、夜間は水を使えるようにします。

    2日目は、9時~17時で残りの排水管の取替えと内装復旧を終えてしまい、2日目の夜も水を使えるようにします。

    こうすれば、排水管の取替えを行っても、夜間は水が使えるので、工事を行うにあたっての住民からの賛同は、得やすくなりますね。

  • イラスト①

なお、作業員の数を増やして、3本の排水管をいっきに1日9時~17時で取り替えて内装復旧することも可能ですが、その場合は、一社の作業員だけでなく、別の会社の作業員にも依頼することになり、その分、工事費用としては高くなりがちです。

手際がそれほどよくない業者に取替え作業を委託すると、3日間以上、夜間も含めて断水となり、また施工費用も大幅に高くなることがありますので、業者選びは慎重に行うことをお勧めします。

配管保全センターでは、極力外注作業員を使わず、手際のいい作業員で取替作業を行う施工業者と提携しております。費用に関しても、更生工事よりも安い値段で実施できることが多いので、ご興味のある方は、こちらの配管保全センターのホームページのメールかお電話にてご連絡ください。

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