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ユニットバス裏の排水管立管を格安で更新できるか?

2021年9月25日
この記事のカテゴリー : 排水管の保全

マンションで水漏れなどが多くなってくると、そろそろ排水管の立管も取替えなきゃいけない時期かな」ということになりますよね。

そこで、業者に見積もり依頼を出したら、「ユニットバスの取替え費用まで入ってきて、高額で驚いた!」というお話を管理組合の方からよく聞きます。

「排水管の工事なのに、ユニットバスの取替えってどういうこと?」って思いますよね。

「排水管の立管がユニットバスの裏にある」と、場合によっては、ユニットバスの取替えが必要となり、工事費用がかなり高額になってしまいます。

今回の投稿記事では、ユニットバス裏に排水管の立管がある場合、管理組合としてどのような問題に直面してしまうか、また、条件次第ではその問題を解決できる方法があるので、その方法をご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

動画

 

排水管の立管が押し入れと隣り合わせ/躯体に囲まれている場合

イラスト①をご覧ください。

ユニットバスの裏側に排水管の立管があるのですが、押し入れと隣り合わせになっています。この場合は、押し入れの壁を壊すことで立管を更新することが可能です。

イラスト①

一方で、イラスト②の場合をご覧ください。①と同様にユニットバスの裏側に排水管の立管があり、かつ躯体に囲まれてしまっています。この部屋の排水管の立管を取替えるのは、一筋縄ではいきません。

イラスト②

このケースでは通常、ユニットバスを壊さないと排水管の立管の取替えができないからです。

ユニットバスを取り壊し、立管の更新をしたあとに、新らしいユニットバスを入れることになりますが、この費用が、かなり高額になります。

ユニットバスの入れ替えは、安く済んだとしても40万円程度。通常は80万円程度。高いと150万円かかる場合もあります。

排水管の交換が進まないユニットバス問題

排水管の立管は共用部に属するので、排水管が専有部内にあるとしても、管理組合が修繕積立金を取り崩して更新する必要があります。

一方でユニットバスは、原則、専有部扱いとなる部分が多く、ユニットバスを交換する費用は、通常は、区分所有者負担となります。

たまたま、ユニットバスの裏側に排水管がある世帯は、高額な交換費用を支払う必要が生じるため、「何故、排水管を取替えるのに、強制的にユニットバスを自己負担で取替なくてはいけないのか」というクレームにつながります。

かといって、その高額なユニットバスの交換費用を修繕積立金で取り崩そうとすると、今度は、ユニットバスを交換しなくていい世帯からクレームが出てきます。

「なぜ、ユニットバスの裏に排水管がある世帯だけ、修繕積立金を取り崩して新しいユニットバスにできるんだ。不公平じゃないか」というわけです。

ということで、ユニットバスの交換費用が高額なために、いつまでたっても住民間での合意形成が得られず、排水管の立管が交換されないという事態に陥ります。

ユニットバスを交換せずにパネル工法で対応

不公平感を生まないひとつの解決策としては、イラスト③のように、ユニットバス内の排水管の立管が裏にある壁だけを取り壊し、排水管の更新工事をしたあとで、その取り壊した壁にパネルを貼って復旧するという方法です。

イラスト③

パネルの厚さは3mm厚程度で、種類も多数あり、貼りつけ作業自体は1日で済みます。

費用的には、壁1面の貼り付けだけであれば10万円前後です。これはパネルの材質や柄の種類等で変わります。ユニットバスと躯体との間に十分スペースがあれば、この程度で更新できる可能性はあります。

ただ、ユニットバスと躯体との間に、それほどスペースがなければ、ユニットバスの壁だけではなく、床や天井のパネルも壊す必要があります。その場合、ユニットバスを交換する費用と、パネルを貼る費用でどちらが安価になるかの比較になります。

ユニットバスの交換費用が80万程度であれば、パネル対応のほうが安くなる可能性が高いです。ただし、ユニットバスを壊す範囲が広いほど、のちのち、防水の不具合等によるトラブルの可能性が高くなるので、パネルでの対応を行う場合は、実績のある業者に依頼することをお勧めします。

ひとつの壁だけ模様が異なるのは嫌なので、気に入った模様のパネルを全ての壁に貼ることも可能ですが、その分、費用はかさみますので、組合と区分所有者がそれぞれ、どこまで費用を負担するのか決める必要があります。

このパネル工法を採用できるのであれば、世帯間で工事費用の差を少なくできる可能性が高いので検討の余地はあるのではないでしょうか。

「この際、自腹でいいからユニットバスを新調したい」という世帯も出てくるかもしれません。

その場合には、パネル工法で対応した場合の費用相当分を、修繕積立金から支払うようにするといったことも考慮してもいいかもしれません。

なお、ユニットバスではなく、昔ながらの在来といわれる浴室についても、パネル工法で対応すれば費用を抑えることも可能です。

配管保全センターでは、高級ホテルのパネル工法の導入実績を多数持つ施工会社と提携しております。

排水管の立管の更新について、なかなか、合意形成がとれずにお困りの管理組合さんは、お気軽にお問合せください。

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