2020年2月9日
この記事のカテゴリー : 流動式セラミックス方式
著者:配管保全センター㈱ 代表取締役 藤田崇大
エルセを設置して20年経過した築40年のマンションの配管状況を内視鏡にて調査しました。
なお、このマンションでは、現時点では漏水事故は発生しておりません。
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調査日:2020年2月
調査箇所(内視鏡挿入箇所)
301号室
給水管:水道メーター廻り1・2次側・洗濯機
排水管:台所
304号室
給水管:水道メーター廻り1・2次側・洗濯機
給湯管:浴室
排水管:台所
調査機器
給水管用 メーカー名:オリンパス光学工業、型名:IV0620C
排水管用 メーカー名:オリンパス光学工業、型名:IV8635U
考察
給水管
築40年のマンションの場合、基本的には配管の交換時期を過ぎていると言われています。特に金属が異なる配管同士の継手(異種金属接合部)は錆びコブが大きくなり配管の閉塞率が90%を超していても珍しくはないと言えます。
同種の金属の継手部(接合部)でも配管の閉塞率は30%~40%でも珍しくはありません。
エルセを設置した築20年の際に、どこまで閉塞が進んでいたかはわかりませんが、それなりの閉塞状態であったと推測されます。今回の調査では、異種金属接合部でもそれほど閉塞は見られず、配管表面への水垢やサビの付着も、他の築40年の物件と比較して良好な状態であったと言えます。
給湯管
給湯管内には、スケール(炭酸カルシウム)が固着して配管が閉塞しお湯の流量が減ることがありますが、給湯管の配管内は特に良好な状態でした。
排水管
排水管に関しては、高圧洗浄を最近実施されたということで、汚れ度合いという意味ではあまり参考にはなりませんが、築40年を経過すると、排水管内で油等が固着して詰まりを起こす原因になりがちですが、今回調査した箇所においては目立った固着は見られませんでした。
築40年のマンションでは数件、水漏れ事故が起きていても不思議ではないですが、今のところ当マンションでは水漏れ事故もないとお聞きしております。おおむね、エルセによる効果を出せているものといえると考えます。
今回の調査では報告の信頼性を上げるために、動画にても配管内を撮影したものを管理組合さんにはご提示しました。添付した動画でその内容もご覧いただけます。
エルセ設置後、20年経過の築40年物件を内視鏡調査しました 13分35秒
【関連ブログ】
⇒漏水保険と組み合わせた延命工法
【関連動画】
⇒18分46秒:マンションの給排水管の代表的な延命工法の原理と留意点 脱気、セラミクス、磁気
エルセ導入時の築20年の状態はわかりませんが、他物件と比較してもサンプル表示した築26年の物件の閉塞率よりも当マンションの配管の閉塞率は下回っています。
リフォーム後20年経過した状態です。スケール(炭酸カルシウム)が表面を厚く覆っています。筋のように見えるのは内視鏡のコードの擦れたためです。コードによる擦れる前は地肌が見える状態ではありませんでした。
他物件の倍以上の年数を経ていますが、スケールは薄く付着しているだけで地肌もまだ見える状態です。
状況によっては、高圧洗浄でも洗い落とせないほど固着して、詰まりの原因となっています。