配管保全のお悩み ②修繕積立金の不足

2020年4月6日

↓クリックして拡大

大規模修繕実施済み回数

大規模修繕では外壁の張り替えや屋上の防水のやり直し、エレベータの交換といったことを行います。一般的には長期修繕計画にのっとり12年~15年に1度、大規模修繕が行われることが多いです。良心的な管理会社は別と考えていいですが、「長期修繕計画表イコール管理会社の売上予定表」と言われていたりします。分譲マンションは見た目が大事ということもありますが、賃貸マンションはそれほど頻繁に実施されないですし、オフィスビルでは、ほとんどされない場合もあります。また大規模修繕は不具合や故障が起きてから対応する「事後保全」よりも、事故が起きないようにするための「予防保全」が安くつくとよく言われますが、必ずしも「予防保全」が適切だとは限りません。不具合が起きてからその部分のみを改修するだけで十分なところを、不具合の起きていない部分もすべてやり直してしまう予防保全を行ってしまっているケースが多いのが実情です。
定期点検サービス

修繕積立金

1回目の大規模修繕はどのマンションも修繕積立金を値上げすることなく実施されますが、2回目以降は修繕積立金が不足してくることで、大幅な修繕積立金の値上げが議案にあげられて、総会が紛糾するケースが多くなります。値上げの合意が得られない場合、2回目は実施できても、3回目以降がなかなか実施できないという事態に陥ります。そうすると見た目も古びてきて、新しい入居者が寄り付かず、最終的にはスラム化のリスクが高まります。なお、本来であればまだ実施しなくてもいいのに、業者から勧められるがままに早めに大規模修繕を実施するといった無駄遣いを重ねてしまうと、大幅な値上げが避けられなくなってしまいます。修繕積立金が周辺のマンションよりも高いと、「マンションを売りたくても売れない」「売却額を相場よりも大幅に値下げしないと売れない」という状態になり、築40年、50年あたりでは最終的に相続放棄される部屋が続出してスラム化するという問題が深刻化しています。
見えないが確実に忍びよるマンション修繕積立金の不足要因
住宅金融支援機構「マンションの価値向上に資する金融支援の実施協議会」の今年度の取り組み報告 (修繕積立金シミュレーション(2020年6月無料公開予定)、将来の検討:積立金保証制度・区分所有者向けリバースモーゲージ・貸付債権譲渡スキーム 等について記載)

特に排水管が取り替えられない

給水管・給湯管の取替え工事はそれなりの工期と費用が必要となるので、築40年、50年以上のマンションでも取替え工事ができていない場合が多くあります。それでも、給水管・給湯管の工事を安価にしようと思えば、空間があり、工事がしやすい天井に新しい配管を施工するといった方法もあります。また共用部の給水管の立管は、各世帯の水道やガスメーターがあるパイプシャフト内を通っていることが多く、立管の取替えも比較的、容易となります。(それでも工事自体は大変ですが)
ところが、排水管となると、取替え工事のハードルが高くなり、取替えできていないマンションがさらに多くなります。専有部の排水管は一定の勾配をつける必要があるため、給水管のように天井をとおす方法が使えないからです。排水管を取替えるには、床をはがして取替えるか、床を底上げして新しい排水管を通すといった工事が必要となります。これらは大がかりな工事となり、高額になります。また、共用部の排水管の立管は、パイプシャフト内ではなく、各住戸の部屋の中に1本~3本通っています。パイプシャフト内であれば、在宅の必要はありませんが、部屋の中の壁を取り壊して、取替えねばならないので、どうしても在宅していただく必要が出てきます。共用部の排水管の立て管の取り替えでは、例えば、〇〇6号室系統の106号室から最上階の1206号室の全12世帯に工事期間中、在宅いただく必要があります。
築50年を超すと、高圧洗浄によって水漏れが起きる可能性があり、高圧洗浄業者から作業を断られるようになります。そうなると、サビによる水漏れ事故が先か、排水管が詰まって水があふれ出す事故が先か、どちらのリスクもある状態になります。このように、修繕積立金が不足しがちな管理組合にとって、排水管の取替え工事はやりたくてもできない、かなりハードルの高い修理作業といえるかと思います。
配管保全センターでは、排水管の保全をなるべく低コストで行う提案も行っています。
築浅のマンションでも専有部排水管からの漏水リスクがあります
築浅のマンションは、配管にサビない材質を使用しているので水漏れリスクがないと思われてる方が多いかと思います。ところが、水漏れはサビによるものだけではないのです。
このリンクでは、サビ以外の水漏れリスクについてと、高コストの保全費用を節約する方法について書いてますので、ご興味あるかたはご覧ください。

空室が1室以上ある割合 ※

築40年では半分以上、築50年では7割近い組合さんで空室が存在しています。空室の状態が長く続くと所在不明、連絡先不明の部屋が増え、そういった部屋からは修繕積立金を徴収できず、大規模修繕をやりたくてもできない⇒新しい入居者が増えない⇒相続放棄が増えるという悪循環に陥ってしまうリスクが高くなってきています。
分譲マンションの空室増加のお悩み解消のお手伝いをいたします

何年まで住み続けるか

建物の高齢化とともに、当然、世帯主の高齢化が進みます。築40年以上になると、「まだまだ何十年も住み続けたいからまめに修繕をしたい」という意見と、「子供は別のところに住んでいるしなるべく修繕にはお金かけたくない」といった全く相いれない考えを持つ住民が共生することになります。下に国交省からの抜粋ページを載せていますが、築年数がたつほど、マンションの性能・機能をグレードアップする「改良」工事の費用が高額になってきます。

↓クリックして拡大(国交省「マンション管理の基本と改修による再生の重要性」4ページ)

「築〇〇年でマンションを解体・売却する」と決めておけば、大規模修繕の要否も合意が得やすくなり、健全な管理運営ができます。何年まで住み続けるかを決められなければ、住民それぞれの思惑が異なるため、「何年まで住み続けるか」の合意が得られず、最終的にはスラム化へと進んでしまいます。

管理組合 意識改革サービス

耐震補強対応

昭和56年(1981年)以前のマンションは旧耐震基準で建てられています。新耐震基準をクリアするためには耐震補強に世帯あたり何百万円も必要となる場合があります。そのため「耐震審査を受けない」「審査を受けても補強対策をしない」マンションがかなりの割合で存在します。耐震基準を満たしているかどうかは、マンションの購入検討者にとっても、重大な検討項目です。耐震補強対応ができていないマンションは、近い将来、解体・売却の決断を迫られるでしょう。とはいえ、「いつ解体するのか」の合意は得られず、先が見えないままのマンションが多くなっています。
一方で、最近、耐震補強費用が安くなってきているという傾向も出てきています。
耐震改修費用が当初の1/10以下になったのはなぜ? マンションコミュニティ研究会 廣田信子さんのブログより

動画:12分10秒 配管保全のお悩みを整理しました 修繕積立金の不足 前半

動画:10分34秒 配管保全のお悩みを整理しました 修繕積立金の不足 後半