2026年2月25日
この記事のカテゴリー : 配管に関する知識

漏水が発覚すると、すぐに業者が調査に入りました。
その結果、「給湯管からの漏水」であることは特定できたものの、配管のどこから水が漏れているかまでは「わからない」という結論でした。
本当に絞り込めなかったのか、それとも意図的に絞り込もうとしなかったのか——正直なところ、疑わしいと言わざるを得ません。
いずれにせよ、この業者が提案したのが給湯管の「全面取替え」です。
業者から上がってきた見積もりは、加害者の部屋だけで約300万円。
内訳は、ユニットバスの全面解体・新設、給湯器から全ての蛇口に至るまでの給湯管の全面取替え、洗面所・トイレの全面取替え、さらに開口した床・壁の復旧まで含んでいました。
水回りのフルリフォームでもそこまでかからないだろうという金額です。
さらに、下の階の被害者の部屋の見積もりも約300万円。
合計600万円という途方もない金額が提示されたのです。
「1度漏水したなら、いっそ全部の給湯管と給水管も替えてしまいたい」という判断もあり得ます。
それは選択肢としては理解できます。
ただ、全部取り替えたとしても、費用は多くて100万円程度。
ワンルームなら30万円前後で済む可能性もあります。
300万円という見積もりは、どう見ても説明がつかない金額です。
下の階の被害者の部屋についても同様です。
実際の被害は、ユニットバスの床にシミがついていること、天井の点検口にカビが生えていること、トイレがかび臭い程度のものでした。
本来であれば、シミの清掃、点検口の交換、トイレ天井の一部貼替えで対応でき、費用は数万円から、高くても50万円程度です。
この程度の被害であれば、加害者が加入している個人賠償保険で全額カバーできる範囲でもあります。
なぜ、こうなってしまったのか
この女性が業者の言いなりになってしまった背景には、いくつかの要因が重なっています。 まず、「下の階の方に迷惑をかけてしまった」という申し訳なさです。 早く解決してあげたい、できる限りのことをしてあげたいという気持ちは、人として当然のものです。 しかし、その気持ちにつけ込まれてしまいました。
次に、「保険でカバーできるだろう」という思い込みです。
ところが実際には、保険でカバーされる範囲は数十万円にとどまり、残りの500万円以上は自腹での負担となりました。
配管保全センターにご相談があったのは、工事の発注をした後のタイミングでした。
とんでもない金額であることをお伝えし、工事着手前に他から見積もりを取るよう業者と交渉することをお勧めしました。
しかし、業者と被害者の双方から「工事を延期されたら困る。場合によっては訴える」と迫られてしまい、女性一人では対抗することができず、そのまま工事が進んでしまいました。
