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配管取替え どちらを選ぶ? 1日完結か資産価値UPか! 点検口工法 vs リフォーム工法
2024年10月12日
この記事のカテゴリー :
配管に関する知識
マンションの専有部の給水管や給湯管を全て取替える際には、工事期間、見栄え、金額などの点から、次にあげる3つの工法が主に用いられます。 1つ目は古い配管はそのままにして、新しい配管を露出配管にする露出配管工法。 2つ目はトイレやキッチンの床や壁に点検口を作って、その点検口から配管を取替える点検口工法。 3つ目は床や壁を壊して配管を取替え、床や壁を綺麗に復旧するリフォーム工法です。 とにかく費用を抑えたいというときには露出工法となりますが、見栄えが悪くなることが多く、通常は、点検口工法とリフォーム工法のどちらかが選ばれます。 また、1日で工事を終わらせたい場合は、点検口工法を選択することが多いです。 ただ、床に点検口があると、どうしても見栄えが悪くなるので、資産価値を気にする場合は、多少割高にはなりますが、リフォーム工法を取ることが多いです。 リフォーム工法の工事期間は翌日の午前中に完了となる場合が多いといえます。 今回の投稿記事では、点検口工法とリフォーム工法のどちらを選べばいいのか、工期や見た目、騒音、費用面といった観点で比較した内容をご説明します。 配管の取替工事を検討されている分譲マンションや1棟賃貸マンションオーナーには、とても参考になる情報ですので、ぜひ最後までご覧ください。
動画
点検口工法
それでは、それぞれの工法について、実際の画像を用いてご説明します。 まず点検口工法ですが、下の画像のように脱衣場等の床や壁に点検口を開けて、配管を取替えます。 本格的な大工作業を行わないので、少人数で9時~17時の1日で完了させることができます。 ただ、場合によっては、トイレ、キッチン、玄関の床にも点検口を付ける場合もあり、マンションによっては、浴室や洗濯機の配管が露出配管になることがリフォーム工法よりは多くなる傾向にあります。
リフォーム工法
リフォーム工法では、下の画像のように床や壁を開口し、配管の取替え工事後に床には標準仕様ではクッションフロア、壁はクロスを新たに貼りかえます。 工事した箇所がリフォームしたように見た目が新しくなることが多いです。 今回の例では、専有部の排水管も取替える工事でしたが、初日の終了時には、翌日の午前中に、クロスとクッションフロアを貼るだけの状態まで終わらせていますので、初日終了後は、問題なく全ての水回りの利用をできます。
浴室の給水・給湯管は、左の画像のように蛇口の近くに既設の点検口があれば、それをはずして配管を取替えることができます。 点検口がない場合でも、蛇口の裏側に十分なスペースがあれば、蛇口をはずして配管を取替える場合もあります。 また、真ん中の画像のように浴室キャビネットをはずして配管を取替える場合もあります。 右上の画像は、ユニットバスの裏側が押し入れで、その壁を壊せばお風呂の配管が見える場合は、押入れの壁を開けて配管を取替える場合もあります。 ユニットバスの裏側が、躯体の場合は、右下の画像のように、ユニットバスのパネルを開口して配管して新たにパネルを貼りかえる方法もあります。
トイレの事例では排水管も取替えるために広めに開口していますが、2日目の午前にはアフターの状態まで完了しました。 キッチンや洗面所では、シンク下の収納扉を開けて、床や壁を開口して配管を取替えます。 その後、画像のような復旧となりますが、収納扉内ですので、見た目は特に問題ありません。
2つの工法の比較
それでは、2つの工法をさまざまな観点で比較していきましょう。
工期
まずは、工期ですが、点検口工法は点検口まわりの復旧も含めて、ほとんどのケースでは9時~17時までの1日で終わらせることができます。 リフォーム工法でも、1日で終わらせることは可能ですが、工事完了が17時以降の夕食の時間に食い込んでしまうことが多く、翌日の午前中まで時間を取ることが多いです。 翌日は、床にクッションフロア、壁にクロスを貼り、復旧作業が完了します。 初日の工事完了後に、全ての水回りで水を使えますので、断水時間は点検口法とリフォーム工法で、ほぼ変わりはありません。
見た目
見た目としては、点検口工法はトイレやキッチンの床に点検口が残ってしまうので、見栄えがどうしても悪くなり、資産価値の低下につながりやすいです。 また、マンションによっては、構造上、露出配管になってしまうことも多いです。 リフォーム工法では、壁のクロスも床のクッションフロアも新しくなり、逆に工事前よりも見栄えが良くなることが多く、資産価値の向上につながりやすいと言えます。 また、床や壁を大きく開けますので、露出配管になることはほとんどありません。
クレーム可能性
工事後に住民からクレームを受ける可能性としては、点検口工法の場合、点検口を踏むと、わずかにギシギシと音が発生することがあり、神経質な住民の方がいる場合、「こんなに音がなるとは思わなかった」であったり、「こんなに見た目が悪くなるとは思わなかった」というクレームを受けることがあります。 住民説明会や全戸への配布物で、十分に説明しているとしても、説明会に出席していない住民や配布物を読まなかった住民から総会可決後の全室調査時に、リフォームしたばっかりで「そんな点検口をつけるなんてありえない」といったクレームが出て、工事が進まなかったりする場合もあります。 リフォーム工法では、基本的には見た目は現状維持、もしくはよくなることが多いので、そういったクレームを受けることはほぼありません。
主な騒音
騒音については、点検口工法のほうが少ないです。 ただ、水道メーターが入っているパイプシャフトから専有部内に配管を通す穴をあけるコア開けが必要な場合は、コンクリートにドリルやコア開け機を使う際に大きな音がします。これに関してはリフォーム工法も同様です。 また、それほど気にはなりませんが、配管を切断する際に、どちらの工法でも金属音がします。 点検口工法でもリフォーム工法でも床や壁を壊す際には音がしますが、リフォーム工法の場合は、床や壁を壊す面積が広いので、壊す際に点検口工法よりは音がします。 また、復旧する際にも、釘を打つ音等がしますが、多くは短時間で終わります。
排水管の取替え
排水管が鉄管のマンションでは、同時に排水管も取替えたいという場合があります。 給水管と給湯管だけであれば点検口工法で取替えられますが、排水管は点検口を開けるだけでは取替えられません。 排水管も取替える場合は、リフォーム工法で行います。
工事費用
工事費用については、点検口工法の場合は、ワンルームなのか3LDK以上なのか、その他さまざまな要因で費用に差が出てきますが、相場的には給水管・給湯管を全て取り替える場合、世帯20万~70万円といったところです。 リフォーム工法の場合は、世帯30万~100万円といったところで、2つの工法の差額としては、10万から30万円といったケースが多いです。 また、いずれも、床をフローリングで仕上げたり、壁を塗装仕上げにするといった管理組合が取り決めた標準仕様以上のもので内装復旧する場合は、当然、もっと高くなり、希望された区分所有者の方が追加費用分を負担することになります。 たとえば、アパート経営で、家賃が安く、修繕費用には費用をそれほどかけられず、配管を取替える場合でも、少しでも安くすませたいという場合は、点検口工法をとることが多いですが、分譲マンションの場合は、工期が半日だけ長く、費用もそれほど変わらなければ、配管を取替え漏水が少なくなり、かつ見た目のよくなることで資産価値の向上につながるリフォーム工法を選択される管理組合さんが多いというのが現状です。 点検口工法とリフォーム工法に関して、工期・見た目・クレーム可能性・騒音・排水管の取替え・工事費用について比較しました。 専有部の配管の取替えの検討材料としていただければと思います。 配管保全センターでは、専有部の配管取替えを管理組合主導で円滑に行えるようにするためのサポートも行っております。 必要に応じて配管取替えの際のガイドラインの作成や、管理規約の細則の作成も行なっています。 サポートの内容によっては有料となりますが、配管の保全方針やそれを実現するための住民へのコミュニケーションのサポート等、配管保全センターですべて対応しております。 ご興味のあるかたは、
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