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専有部の給水・給湯管の取替え工事 相場価格はいくら?

2024年6月25日
この記事のカテゴリー : 給水・給湯管の保全

マンションの配管を取替えるにあたって、どの配管から替えていますか?

管理組合の多くは共用部の配管を優先的に替えているようですが、配管保全チャンネルでは、専有部内の給水・給湯管が樹脂管でない場合には、共用部を優先するのではなく、専有部の給水・給湯管を優先的に取替えるべきだといつもお伝えしております。

とは言っても、専有部の配管は管理組合の管轄外で、長期修繕計画にも専有部の配管の取替え費用分は計上されていないことが多いのが現状です。

実際に管理組合主導で専有部の配管を一斉更新しようとなった時には、組合での合意の取り方や、費用の件など調整しなければならないことが多くて、苦労なさっている管理組合さんから、毎日のように「どのように持っていったらいいでしょうか?」とお問合せをいただいております。

今回の投稿記事では、そういった管理組合さんに向けて、「専有部の給水・給湯管の取替え費用はいくらくらいかかるのか? 」といった目安になる相場価格について、ケース別にご紹介します。

こちらをご覧いただければ、相場がわからなくて、総会でやたら高い見積もりで可決してしまうといったことを避けられるかと思います。

とても参考になる情報ですので、ぜひ最後までご覧ください。

動画

 

間取り別の相場価格

それでは、早速ですが専有部の給水・給湯管を管理組合主導で取り替える際に、目安となる相場価格をケース別にグラフに示しましたのでご覧ください。

3つのケースについてそれぞれの場合の取替え費用の目安を示しています。

一つ目のケースはリフォームやリノベーション時に同時に給水・給湯管を取り替える場合です。

リフォームで床や壁を開口した際に、配管を替えることができるので、給水・給湯管両方の配管の取替え工事自体は、世帯あたり15~30万円程度で可能といえます。

配管設置後の内装復旧については、リフォームやリノベーションの会社が仕上げを行いますので、配管取替え後の内装復旧費用も単独で掛からないので相当、節約できることになります。

後述する相場価格が変動する要因があったり、見積りが高めの会社の場合、世帯あたり30万円以上になることもあります。

二つ目のケースは、リフォーム等のタイミングではなく、わざわざ給水・給湯管を取り替えて内装復旧するケースで、脱衣場とキッチンが比較的まとまった場所にある場合です。

部屋のタイプとしては、ワンルーム系に多いタイプです。この場合、世帯あたりの目安としては25~50万円程度です。

一つ目のケースと同様に、相場価格が変動する要因があったり、見積りが高めの会社だと50万円以上もありえます。

三つ目のケースも、二つ目のケースと同様に、リフォーム等のタイミングではなく、わざわざ給水・給湯管を取り替えて内装復旧する場合で、脱衣場とキッチンが離れた場所にあり、ファミリータイプの3LDKといった大き目の住居に多いタイプです。

世帯あたりの目安としては55~90万円程度です。

このケースでも、相場価格が変動する要因があったり、見積りが高めの会社だと90万円以上もありえます。

先日ご相談を受けたケースでは、標準的な部屋のタイプにもかかわらず、世帯当たり200万円といった見積もりが業者から出ていると聞き驚きました。

高いなと感じられる場合は、ご遠慮なく配管保全センターにお問合せしていただければと思います。

相場価格が変動するそのほかの要因

相場価格が変動するそのほかの要因として、いくつか主だった項目をあげます。

まずは部屋のレイアウトにより相場価格が変わります。

給湯器がベランダにあるのかパイプシャフト内にあるのか、パイプスペースは施工時に問題にならない程度に十分なスペースが取れているか、床下や天井裏に新規配管を設置できる十分なスペースがあるか、ユニットバスの混合水栓の近くに点検口があるかどうかといったことです。

それから、内装復旧の際に、フローリングに点検口を設置したり、フローリングからクッションフロアに変更したりなど、内装復旧の仕様内容でも価格は異なります。

また、依頼する業者については、地元のひとり親方的なところに依頼するほうが、かなり安くなるケースが多いといえます。

こういったところは、ホームぺージもないことがあります。

地元のひとり親方の見つけ方は、以前公開したこちらの投稿記事をご覧ください。

配管の取替え 地元で格安な水道工事屋さんの見つけ方

更生工事との費用比較

それから、配管内の錆びを落として塗装をし直すことで配管を再生させる更生工事というものがありますが、わざわざ配管を取替えなくても更生工事をしておけばいいのではないかというご意見もあるかと思います。

更生工事は給湯管だけなら世帯あたり20~30万円程度と安く、工程も短いといえますが、給水管も更生工事する場合は、合計で倍の40~60万円程度かかります。

これに対して更新工事は、リフォーム時に取替えを行なえば、給水・給湯管の両方を取替えるとしても15~30万程度で済みます。

管理組合でガイドラインを作って補助金を出すなど、リフォーム時の給水・給湯管の取替えを奨励したほうが、結果的に安く済み、後々も安心であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

10~20年程度で建て替えや敷地売却することが決まっているのであれば、給湯管だけの更生工事のほうが安い場合もあります。

建替え等の予定がない築30年あたりのマンションの場合だと、更生工事をしても、何年か先に2度目の更生工事が必要になるか、結局は取替え工事が必要となると考えられます。

そういったマンションでは、更生工事ではなく最初から取替工事を行うことをお勧めします。

更生工事の比較については、こちらの投稿記事も参考にしてみてください。

超重要!! 給湯管 取替えvs更生 どっちが得?

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