2023年4月7日
この記事のカテゴリー : 給排水設備の更新費用

マンションの修繕の中でも放っておくと生活に支障をきたすことになるのが給排水設備の不具合ですが、これらの修繕費用も、さらに値上がりしていくことが予想されます。
問題となるのは、理事会で給排水設備の修繕を検討するにあたり、業者から見積りを取得しても、実施までに1年以上かかるといったようにタイムラグがあることです。
総会で実施が確定するまでに値上がりしそうということであれば、見積りを出す業者としては、値上がりをある程度、想定した高めの見積り額で提示せざるをえないですね。
管理組合としては、予想できない値上がり分を上乗せされた見積りを提示されても、困ってしまいます。
今回の投稿記事では、どのように見積りを取れば、今後も続くであろう給排水設備の修繕費用の値上げに対応していけるのかということについてお話しますので、ぜひ最後までご覧ください。
分譲マンションでは、工事業者から配管の取替え工事の見積りが提示されてから、理事会で他社との比較を行い、そこから総会で可決されるまで数カ月から場合によっては1年以上かかる場合もあります。
業者の立場からみると、その間にどんどん資材が値上がりしていくので、気が気じゃないわけです。
従来は、どの業者も、見積り期限を3カ月に設定するところが多かったのですが、今は、1カ月以内にしている業者が多いです。
給水ポンプの値上がりも、いまだに数カ月に一度といった頻度で続いており、業者としては、値上がりが怖くて、何カ月も先の工事の見積りをお客さんに出せないと思っているところが多い状況です。
塩ビ管や給水ポンプ以外でも、程度の差はありますが、給排水設備関連の資材はどれも値上がり傾向にあると言えます。
今後も、値上がりが続くかどうかは、何とも言えませんが、なかなか値上がりはおさまらないと思っている関係者が多いようです。
人件費の値上がりには別の要因もあります。
それは、海外の技能実習生が日本ではなく、より雇用条件のいい韓国、オーストラリアといったところで職につくことが多くなってきていることです。今後、マンションの給排水設備の修繕工事はますます需要が高まる傾向にありますが、そのマンパワーとして技能実習生の必要性も高まっています。
技能実習生が他の国ではなく日本で働くようにするには、雇用条件の見直しが必要となり、人件費が上がる要因につながっていくと思われます。
どこの現場でも人手不足で、人件費を2、3年前よりも3~5割上げても、なかなか職人が集まらないという状況が顕著になってきています。
資材や人件費が例えば5割上がると、工事費全体では2割程度の値上がりとなり、無視できない値上がり幅だと言えますね。
総会までに時間がかかった場合は、再再見積りの依頼をしたほうがいいときもあります。
総会直前の理事会で、総会に議案として挙げる見積り額が確定されますが、総会から発注までにさらに時間を要する可能性がある場合は、若干の予備費を確保しておいたほうがいいかもしれません。
部材や人件費等の値上がり分は、その予備費の中で賄われるとなれば、業者は安心して適正価格での見積りを提示できるようになります。
それから、最近は、工事会社が倒産した場合でも不具合対応の費用を保険でカバーできる瑕疵保険がありますので、業者選定時に、業者が瑕疵保険に加入しているかどうかの確認は必要ですが、資本金が5千万円以上であるといった選定条件は不要になってきています。
また、すでに漏水が始まっているマンションでは、融資を受けてでも早めに工事を実施したほうが良い場合もあります。融資の金利よりも値上がり率のほうが高い可能性もあるからです。このあたりは、最終的には管理組合での総合的な判断になるでしょう。
