2023年3月31日
この記事のカテゴリー : 修繕積立金・専有部の取り扱い
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理事長や理事はなかなか、なり手がなく、最近では、理事会機能を外部に委託してしまう第三者管理方式に移行するマンションが、かなり増えてきています。 管理会社から「管理費を上げないので、我々が提示したこの管理規約に変更して第三者管理にしませんか?」と提案されている管理組合さんも多いのではないでしょうか。 「管理費も上がらないし、理事のなり手不足も解消できるし、こんなにいいことはない」と思われるかもしれませんが、第三者管理に変える場合、やり方を間違えると取り返しのつかない大変なことになってしまうことがあります。 「とりあえず管理会社に任せてみてダメだと思ったら、元に戻せばいいじゃないか」と思っている方も多いと思いますが、元に戻すのはとんでもなく難しく、余程うまくやらないと、ほぼ無理と言っていいかもしれません。 今回の投稿記事では、第三者管理方式のなかでも、管理会社が最高責任者である「理事長=管理者」になる形態にした場合の想定されるデメリットについてお話します。取り返しがつかなくなってしまう前に、最低限気を付けておくべき内容についてもお話しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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たとえば、大規模修繕の世帯相場が仮に一戸あたり100万円前後だとして、発注者でも受注者でもある管理会社から130万円と提示されたり、また、修繕をしなくてはいけないような劣化がそれほど進んでおらず、大規模修繕の実施タイミングを先に伸ばせそうだとしても、「前回の大規模修繕から12年経ったので、実施が必要だ」と言われて、そのまま12年で着工されてしまったりといったことが起こりやすくなります。 あるいは、給排水管の立管を取替えようとして、仮に相場が一戸あたり80万円前後だとして、発注者でも受注者でもある管理会社から150万円あたりで提示されても、そのまま通ってしまうことが多いでしょう。イラスト④
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総会を開かず、電子的な投票だけの場合、提示された案件の問題点に気づくのは難しくなります。管理組合の運営に無関心の区分所有者が多いと、ほとんどの人が案件の妥当性がわからずノーチェックとなり、どんな案件であっても反対されることなく通ってしまう可能性が高くなります。 たとえば、一部の区分所有者がその案件の内容がおかしいと思って、管理会社による電子的な投票制度だけではなく、住民主催の総会を開こうとした場合、総会は開けるのでしょうか。住民サイドで総会を開くためには住民の5分の1の署名や、さらに、ある管理会社では、総会で住民が意思表示を行うためには、全員の印鑑証明の提示が必要であると管理規約に定められている場合もあると耳にしています。そのようなルールの場合、区分所有者が立ち上がること自体ハードルが高く、仮に総会を開けたとしても、管理会社が提示してきた案件の内容を否認するのはかなり難しく、結局、住民は何も意見を言えないような仕組みになっていると言えます。 このように、第三者管理方式で管理会社と管理者が同一で、かつ理事会も総会もない場合は管理会社が好き勝手にできる可能性が高いといえます。管理費をあげなくても修繕工事で十分利益を上げられるので、「今後は管理費を上げませんから」と、管理会社の都合のいいように作られた第三者管理の管理規約にサインさせようとする管理会社もいるようです。イラスト⑥
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将来的に大変なことになるかもしれないといった、想定されるリスクに気づいておらず、「管理会社に任せておけば安心」と思っている住民に、将来の危険性を説明しても、「せっかく理事にならなくてもいい仕組みになったのだし、素人の住民が運営するよりも管理会社に任せてたほうが効率的なのだから、なぜ、第三者管理をやめることに賛成しなくちゃいけないんだ」と思う方は多いと思われます。こういった環境の中で、過半数以上の賛同を得るのは、至難の業ですよね。 なお、普通決議の総会が開催される形態であったとしても、いったん第三者管理に移行してしまうと、契約を解除するには、過半数以上の賛同が必要で、いずれにしろ、元の管理形態に戻すのは、難しいと思われます。 理事のなり手がいないために、第三者管理に移行することすべてが悪いことではありませんが、新しい管理規約の内容を十分に吟味して、極力、管理者と管理会社は別にしたり、監事には、管理運営や修繕工事のノウハウや経験が豊富なマンション管理士についてもらうことを強くお勧めします。 配管保全センターでは、良心的なマンション管理会社や経験豊富なマンション管理士と提携しています。第三者管理に進むべきかどうかお悩みであれば、お気軽にご相談ください。現状を中立的、総合的に見て、選択すべき形態のアドバイスをご提示できるかと思います。ご興味のある方は、こちらの配管保全センターのホームページのメールかお電話にてお気軽にご連絡ください。