2021年6月20日
この記事のカテゴリー : 修繕積立金・専有部の取り扱い

表①
方針①は、漏水は1度たりとも許さず、築100年まで住み続けた場合です。
築35年に耐火VPという錆びない配管に全系統、取り替えます。費用は世帯当たり60万円×50世帯で3,000万円ですね。
耐火VPなので錆びないのですが、築100年までもたせるとすると65年間使い続けることになり、詰まりが発生して水はけが悪くなったり、水があふれてくる、もしくは地震等による破損や、高圧洗浄のコードの擦れによる破損といったリスクもあるので、築80年あたりにもう一度更新する可能性があると考えて3,000万円×2回で合計6,000万円になりました。
方針②は漏水は一度たりとも許さないですが、住み続ける年数が70年とした場合です。おそらく更新は1回だけでいいと思われます。ただ、排水管なので詰まりや破損によりもう一度、更新しなくてはいけないかも知れません。 ということで、費用としては3,000万円~6,000万円といったところですね。
方針③は築70年まで住み続けるとして、漏水が起きたら、その漏水が起きた排水管の立管1系統を更新するというパターンです。イラスト①のイメージでいくと、このバツ印で漏水が起きたら、赤丸で囲んだ系統1本を取替えるということですね。
イラスト①
漏水がいつ起きるかはわかりませんが、仮に築45年で1回発生すれば、1系統5世帯を取替えるとして、60万円×5世帯で300万円ですね。 例えば築70年までに漏水が5回起きれば60万円×5世帯×5回の1500万円となります。方針④は、住み続ける年数が70年とした場合で、方針③と異なり漏水が起きた排水管の立管1系統全部を更新するのでなく、漏水が起きた場所のみ更新するパターンです。 同様に、築70年までに5回漏水が起きるとして、60万円×5回で300万円となります。
マンションの維持費は高額で、修繕積立金の貯蓄額が少ないマンションは、買ってはいけないと巷では言われ始めています。
また修繕積立金を賢く使っていないマンションは、区分所有者が月々支払う修繕積立金額が高めに設定されがちとなり、そういったマンションの購入も敬遠されてしまうことになります。
パターン①や②の場合は、水漏れの心配はほぼありませんが、費用面では高額となり、修繕積立金が不足すると思われがちです。
一方で、パターン③や④の場合は、修繕積立金を大幅に節約できるとみられます。
