2025年8月29日
この記事のカテゴリー : 漏水に関する保険

なぜこのようなことが起きるのでしょうか? 本日は、この「配管漏水と保険の落とし穴」について、解説させていただきます。
この保険の考え方によると、地震や台風といった自然災害は予測することができませんが、配管の劣化は、ある程度予想できる現象ということになります。
築35年でもマンション内で初めて給湯管の経年劣化で漏水事故が起きたのであれば、保険適用されることは多いですが、マンション内で、何度も同様の事故が起きると、損保会社から「経年劣化なので保険は出ません」と言われる可能性が高くなります。
2度も漏水事故を起こして、また起こり得ると予測可能だったにも関わらず、放置して、また漏水が起きてしまったということで、「事故」ではなく「予想可能な老朽化現象」として扱われ、保険の対象外となってしまうということです。
問題は、この「初回は支払われた」という経験から、「経年劣化でも保険は適用される」と誤解される方が非常に多いことです。
何度もマンション内で同じ事故を繰り返していると、保険金の支払いを断られる可能性が高まります。
結果として、Aさんは階下への賠償額として100万円以上の負担を背負うことになりました。
分譲マンションでは、管理組合が全住戸分の個人賠償保険を代わりに加入していることが多いですが、この保険も、何度も漏水事故を起こし続けると、経年劣化ということで、たとえ、その住戸としては、初めての漏水でも、マンション内で何度も起きたということで、保険適用してくれない場合も増えてきていますので、ご注意ください。
被害者であるBさんにとって、上階からの漏水は「予期せぬ事故」という扱いになります。
Bさんは上階の配管が劣化しているかどうかを知ることなどできませんので。
従って、原因が経年劣化であったとしても、被害者の保険では「偶然・突発的な水濡れ事故」として扱われ、適正に補償されます。
