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管理組合の寿命と配管保全の方針

2024年1月15日
この記事のカテゴリー : 修繕積立金・専有部の取り扱い

多くの分譲マンションでは、住民が輪番制で役員となって管理組合を運営し、マンションの修繕管理を行なっています。

この管理組合による運営自体がいつまでもつのかが、最近、テレビの報道番組等でも取り上げられるほど深刻な問題となっています。

建物はお金をかければ、100年もたせることは可能ですが、修繕積立金の不足や、住民の高齢化等による理事のなり手不足など、いま、築年数の経ったマンションでは管理組合自体が存続の危機にあると言われています。

管理組合はいつまでも存続できるものではなく、管理組合にも寿命があり、その寿命は多くのマンションの現状を見ると60年とか、せいぜい70年くらいが限度なのではないかとも言われています。

とはいえ、何が管理組合の寿命を縮める要因になるのかを知れば、これを延ばす方法と取るべき対策も見えてくるでしょう。

今回の投稿記事では、管理組合の寿命と、その寿命を延ばすのに大きく影響する配管の保全方針についてお話します。

築25年以上のマンションにとっては、特に参考になる情報ですので、ぜひ最後までご覧ください。

動画

 

管理組合には寿命がある

それでは、まず、管理組合の寿命ということについて考えてみましょう。

最近は、マンション管理に対する住民の意識が高く、100年マンションを目指して、住民が積極的に運営に参加している管理組合が、大規模マンションを中心に増えてきています。

一方で、住民の高齢化で、理事のなり手がなく、管理会社から勧められるままに管理会社が管理者を兼務する第三者管理に移行するマンションや、恒常的な修繕積立金不足に悩んでるマンションも数多くあります。

マンション管理に対して住民の意識が低く、管理会社に任せっぱなしの状況が続くと、健全な管理組合の運営が成り立たなくなり、必要最低限の資金繰りさえできなくなる恐れがあると言えます。そうなった時点では、管理組合の存続自体が難しくなり、つまり、管理組合の寿命が尽きてしまうということになります。

そうなると、必要な修繕もできずに劣化が進み、配管の漏水事故が多発し、外壁はボロボロ剥がれ落ち、エレベーターや給水ポンプも動かなくなるといった事態になり、最終的には、誰も住めない廃墟になってしまうことになります。

実際に、廃墟になったマンションは、行政執行により解体されたこともありますが、国としても、そのような事態にならないように、さまざまな法改正等を進めているのが現状です。

管理組合の寿命を延ばすには

では、管理組合を存続させ、その寿命を延ばすためにはどうしたらいいかですが、それには、新しい区分所有者の入居を促進させるような方針を取ることが重要なアクションのひとつです。

なぜなら、なにもせずに現状維持の場合、マンションの築年数が経つにつれて空室が増え、所在者不明の部屋の割合も増え続けると考えられます。

新しい区分所有者が入って来ないと、修繕積立金が予定よりも集まりにくくなり、修繕積立金を値上げしようにも、住民の高齢化により値上げも難しくなるでしょう。

そうなると、最低限必要な改修もできずに、空室がさらに増える悪循環に陥り、築70年まで管理組合を健全に運営していくのはかなり困難なことだと予測できるからです。

では、築年数が経っても、賃貸契約者ではなく新しい区分所有者が適宜入居してくるようにするにはどうしたらいいでしょうか?

それにはマンション価値を維持・高めることに努めて、いつまでも魅力的なマンションであり続けることが必要と言えます。

そのためには大規模修繕や配管を含めたさまざまな修繕の優先順位を決めて、限られた予算の中で無駄遣いすることなく、適切な修繕を履行していくことが必要と言えます。

特に、1981年5月以前に旧耐震基準で建てられた築43年以上のマンションでは、新耐震基準を満たしていない、もしくは耐震調査を行っていないマンションが多いのが現状です。

これに関しては近いうちに動画と投稿記事で詳しくお話しする予定です。

管理組合の寿命を考慮した配管保全方針

管理組合を継続させるためにはマンション価値を維持しなければならないと話しましたが、マンション価値を維持するために重要となるのが配管の保全です。

築年数と共に配管からの漏水事故が増加する傾向にあることから、中古マンション購入の際には、配管の保全が、チェック項目として重視されています。

配管の保全が適切であれば、売りやすく、買いやすいマンションとなり、結果的にマンションの価値が上がるということが言えます。

では、配管の保全方針をどのように考えていけばいいでしょうか。築43年以上で今まで一度も配管を取替えていないマンションが、これから住民の同意と協力のもと、耐震基準も満たして、100年マンションを目指すのであれば、全ての鉄管・銅管系の配管を取替えることをお勧めします。

ただ、その場合、配管の取替え費用だけでも一戸あたりおよそ100万円から200万円程度が必要となります。

これは、大規模修繕費用の1回から2回分の費用にあたり、相当な額となります。

高額ではありますが、配管を取替え、耐震基準も満たしたほうが、資産価値も高まり、新しい区分所有者が入ってきやすい環境になると言えます。

管理組合の寿命を個々のマンションで見極めるのは、大変難しいのですが、100年までは目指せないと判断するのであれば、全ての配管を取り換えるのではなく、更生工事や延命装置による配管の延命処置も視野にいれて検討するのもよいかもしれません。

なお、修繕積立金が不足気味だったり、小規模のマンションの管理組合では

・管理会社から契約を打ち切られる、いわゆる「逆リプレース」や

・理事のなり手不足による第三者管理への移行

といった流れが加速していくものと思われ、管理組合としてはますます厳しい環境におかれることになると予想されます。

国内では、今後、空室を多く抱えるマンションが激増していくなかで、お住いのマンションが築60年、築70年になっても新しく区分所有者が入居するような新陳代謝が活発な管理組合として、健全に運営できるかどうかを、なるべく早いうちに住民間で検討することをお勧めします。

ここでは築43年以上のマンションの話をしましたが、築25年以上のマンションでも、共用部・専有部の配管の材質を把握して、漏水リスクの高い専有部の配管を優先的に保全したり、延命装置を設置するといった工夫をしながら、大切な修繕積立金を無駄遣いすることのないよう改修していくことが大事であると言えます。

管理組合の寿命を延ばすアクション

管理組合の寿命を少しでも延ばすためのアクションのひとつとしては、管理組合に対して住民が関心を持てるような工夫が必要です。

さらに、以下の課題について、なるべく早めに取り組むことをお勧めします。

・管理組合の管理方法を最適化するための検討

★ 今までどおり管理会社に任せっきりにするのか

★ 第三者管理に移行すべきか(その場合、受発注者が同じ第三者管理ではなく健全な第三者管理を検討する)

★ 自主管理に移行すべきか

・管理組合の寿命を考慮したマンション全体の配管保全方針の検討

★ 保全する配管の優先順位を決めた上で、更新、更生、延命の中から最適な方法を選択

・耐震補強対策

★ 重要事項説明書への記載を回避できる簡易診断の実施

・漏水対策費用の抑制

★ 保険代理店と加入保険の両方の見直し

★ 水増し請求を回避するトラブル対応体制の整備

・コピペではない長期修繕計画の作成

★ 通常の修繕周期にとらわれない効率的で効果的で無駄のない計画を作成

マンションの築年数が進むと、これからも長く住み続けたいという思いから、改修工事を積極的に行いたい人と、なるべく費用の掛かる改修工事はしたくない人との間で利害の対立が出てきます。

対立が顕著になる前に、なるべく早めに、管理組合の寿命を延ばすためのアクションを起こすことをお勧めします。

配管保全センターでは、このような管理組合の寿命を延ばすためのアクションの提案と支援を一括してワンストップでお受けする体制を整えております。

資産価値を温存しつつ、安心して住み続けられるマンションになるようお手伝いをしていきます。

ほとんどの住民が管理組合の運営に危機意識を持っていない中で、管理組合の寿命を延ばす効果的なアクションを行うアドバイスを行うといったことも可能です。

ご興味のあるかたは、お気軽にご相談ください。

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