2022年7月1日
この記事のカテゴリー : 給水・給湯管の保全
イラスト①
その場合、水道メーターの手前についている減圧弁によって銅管の潰食による漏水事故を減らせるかもしれません。 今回の投稿記事では、減圧弁を新たに設置したり、取替えることで、銅管からの漏水事故を減らせる可能性についてお話しますので、是非最後までご覧になってください。 なお、減圧弁は、下の画像の赤丸で囲んだもので、発砲スチロールで保温されていることが多いです。画像①
イラスト②
単純化するために、1フロアの高さを3m。屋上の床から高架水槽までは8mと仮定しました。 イラスト②の左側の例では高架水槽から自然落下で、下の階に水が給水される場合を示しています。 高架水槽から10階の床下までは8mと1フロア分の高さの3mの合計で11mになり、10階の水圧は1.1キロとなります。そこから1フロアごとに、0.3キロ増えますので、減圧弁がないとすると、1階では3.8キロになります。 減圧弁が1階から3階までしか設置されていないとすると、6階が2.3キロ、5階が2.6キロ、4階が2.9キロと高めの水圧になります。 このような場合は、少なくとも4階、5階、6階だけでも減圧弁を設置すれば、給湯管内の流速が抑えられ、潰食のリスクをある程度抑えることが期待できます。 先ほども申し上げましたが、潰食の原因は様々なので、減圧弁を設置すれば、必ず潰食を抑えられるというわけではありませんので、そこはよくご理解ください。 イラスト②の右側の例は、増圧ポンプや加圧ポンプで1階から10階まで給水しているケースを示しています。 通常、最上階の水圧が2キロになるようにポンプの圧力を設定することが多く、この場合、減圧弁がないとすると、1階の水圧は4.7キロとかなり高めになります。 築古のマンションで、仮に減圧弁が1階から4階までしか設置されていないとすると、5階から9階までは2キロ以上となります。特に5階は3.5キロとかなり高い水圧になるのがわかりますね。 こういった場合は、最上階まで減圧弁を設置すれば、給湯管内の流速が抑えられ、潰食のリスクをある程度抑えることが期待できます。 なお、減圧弁は、8年~10年程度で取り替えることを減圧弁メーカーは推奨しています。 減圧弁が劣化すると、設定している水圧よりも低くなったり、高くなる場合があります。 水圧が低くなると、シャワーの水の出が悪くなることがあります。 水圧が高くなると、流速が早くなり、潰食のリスクが高くなりますので、給湯管からの漏水が始まったマンションでは、特に、減圧弁をきちんと設置・交換していくことをお勧めします。