2026年1月17日
この記事のカテゴリー : 漏水に関する保険

保険の大原則として「経年劣化には保険金は出ない」ということがあります。
また、賠償保険はあくまで予測不能なものに適用されるもので、「予測できるものには保険は出ない」ということもあります。
被害者を守るという観点もあり被害者が加入している火災保険であれば、経年劣化で何度も被害を被っても保険適用されますが、個人賠償や施設賠償の賠償保険では、、経年劣化が原因の事故が何度も起きると保険が支払われなくなる可能性が高くなります。
「でも、うちは今まで保険で出たよ」という方もいるかもしれません。
それは、保険会社が最初の数回、目をつぶって出してくれていただけです。
これを「同じような漏水でも、いつまでも出る」と勘違いして、本来やるべき配管の更新工事を先延ばしにしていると、ある日突然、保険が一切下りなくなり、莫大な修繕費を自分たちですべて負担しなくてはいけないことになります。
もしくは、何度も同じような事故を繰り返していると、賠償保険への加入ができなくなることも多く、実際、加入を拒否されてしまう管理組合さんは増えています。
確かに少額なら問題なく終わることもありますが、給湯管などの漏水は、すぐ下だけでなく4〜5階下まで被害が広がることもあります。
損害額が1,000万、2,000万円になることも珍しくありません。
最近は、被害者に保険金を支払った保険会社が、加害者に対してその額を請求する「求償(きゅうしょう)」というケースが増えています。
もし自分が賠償保険に入っていなければ、とても払いきれない高額な損賠賠償を丸々、自腹で支払わなければならない。そんなリスクが現実にあります。
管理組合が入る漏水保険は、年々条件が厳しくなっています。
事故率が高いと、次回の更新で保険料が100万円以上値上がりしたり、最悪の場合は契約の更新を拒否されることもあります。
たとえ、漏水で保険金が数十万円下りたとしても、次回の契約更新後の保険料の支払いが100万円増えてしまう。これでは本末転倒ですよね。
通常の賠償保険は「時価」でしか支払われません。
例えば、10年前に30万円したテレビでも、今の時価はほぼゼロ円です。保険金では新品は買えません。
被害者の方が「新品で返せ!」と怒っても、保険では無理なんです。
これをカバーするには、被害者自身が火災保険の「家財保険」に加入している必要があります。
これまでは管理組合の包括特約でカバーされることが多かったのですが、最近は保険料高騰により、この特約を解約する管理組合が増えています。
その場合、個人で保険に入る必要がありますが、賃貸に出している人は「個人賠償」では保険が出ません。
「施設賠償保険」に入っておかないと、いざという時に一円も出ないことになります。
個人の保険を使っても、現時点では更新時の保険料は上がらないのが一般的です。
むしろ、管理組合の保険ばかり使っていると、マンション全体の保険料が跳ね上がり、巡り巡って皆さんの管理費・修繕積立金に跳ね返ってきます。
漏水が起きたら、まずは各自の保険を優先的に使う方が、マンション全体としてはお得だということです。
管理会社の中には、保険金が下りれば自分たちの利益(工事代)にできると考え、水増しした修繕の請求書を出してくるケースもあります。
また、管理会社が保険代理店を兼ねている場合、保険料が上がれば彼らの手数料も増えるので、値上がりを気にせずどんどん申請を勧めることもあります。
しかし、保険会社の査定は厳しくなっています。水増しがバレて保険金が満額出なかった場合、その差額を負担するのは管理会社ではなく、加害者であるあなたや管理組合です。
