2025年1月19日
この記事のカテゴリー : 修繕積立金・専有部の取り扱い

こうした問題を解決すべく、多くの管理組合さんでは、専有部配管の一斉更新を管理組合主導で実施しようと試みていますが、住民の理解を得て全世帯で実施されるには、かなりハードルが高いというのが現状です。
では、なぜ管理組合による一斉更新が難しいのでしょうか。
主な理由は3つです。
1つ目は、専有部は管理組合の管轄外という点。
2つ目は、修繕積立金が使えない場合が多いこと。
3つ目は、長期修繕計画に組み込まれていないということです。
その解決策として、配管保全センターでは、「リフォーム時の配管交換」をお勧めしています。
各区分所有者が専有部である自宅のリフォームをする際であれば、床などをはがしますから低コストで配管の取替えができるからです。
これを各戸で実施していただくためには、管理組合で「リフォーム時における専有部の配管の取替えのガイドライン」を作成することが必要になるといえます。
1つ目は、給水管についてです。水道メーター以降の専有部の給水管のライニング鋼管を樹脂管に交換することです。
2つ目は、給湯管です。給湯器以降の専有部の給湯管の銅管を同じく樹脂管に交換します。
3つ目は、排水管です。立管との接続部から1m以内の専有部の排水管が鉄管であれば、不燃の材質に交換することです。
なお、専有部の配管が立管から1m以上先も鉄管であれば、そこも全て不燃の材質に交換します。
周知徹底のためには、定例総会で、ルールを説明して質疑応答の時間を設けたり、定期的に発行している会報誌にもルールや申請の手続き、違反した場合の罰則などを毎回掲載するといった発信もとても重要です。
また、1階の掲示板にリフォーム申請のことを掲載することで、理事メンバーが入れ替わったとしても、住民の意識が高くなり徹底されていくことに繋がります。
なお、洗面台だけであったり、キッチンだけ交換して床や壁は剥がさないような場合も、このルールに従って、全ての配管を取替えるために床や壁も剥がさなくてはいけないのかといったことから、「そんな余計な工事費用なんて用意していないよ」ともめ事に発展する可能性もあり得ます。
管理組合全体で考えると、漏水しやすい専有部配管は、どこかのタイミングで樹脂管に全世帯取り替えておいた方が、マンションとしても、各世帯にとっても資産価値の維持につながり、取替えで支払う費用よりも維持できる資産価値が上回るとも考えられます。
このあたりは、例えば、今は管理組合としても修繕積立金の余力がないが、10年後には、管理組合主導で、一斉に全世帯の配管を取替えることとし、それまでに各世帯でリフォーム時に取り替えておいた方が、各区分所有者にとっても得になるといったルールを作って総会で可決させていくという考え方もあります。
このあたりは、また、改めて別の投稿記事を作成してお話いたします。
いかがでしたでしょうか? 本日の内容が、皆さんのマンション管理や資産価値の維持に少しでも役立てていただければ幸いです。
とはいえ、実際に配管の保全方針を決め、理事会での決議を経て、住民の皆さまに周知徹底していくとなると、さまざまな課題や疑問が出てくるかもしれません。
「どこから手をつければよいのか分からない」「住民全員を納得させるのは難しいのでは?』といったお悩みもあるでしょう。
そこで、配管保全センターでは、管理組合の皆さまと一緒に最適な配管の保全方針を策定し、住民の皆さまに納得していただける形での説明会のサポートも行っています。
そして、さらに重要なのが、具体的な専有部配管の取替え工事についても、妥当な金額での施工をご提案し、実行までを一貫してサポートできる体制を整えています。
専有部配管の取替え工事は、住民一人ひとりの理解と協力が不可欠です。
私たちは、中立的な立場で管理組合の皆さまと住民の皆さま双方に寄り添い、配管工事をトラブルなく進めるためのサポートを徹底いたします。
「うちのマンションにもこの仕組みを取り入れたい』「具体的にどう進めるべきか相談したい」とお考えの方は、ぜひお気軽に配管保全センターまでご連絡ください。
