東京23区を対象に給排水管の無料内視鏡調査実施中   詳細はこちら

マンションの赤水対策 無駄なく最低限の費用で行う6つのステップ

2019年10月19日

2019年5月7日 配管保全センター㈱代表取締役 藤田崇大

赤水が発生する原因は、全てのマンションで同じではなく、それぞれのマンションで異なる要因が考えられます。その原因は、それほどコストをかけなくても特定することがある程度可能です。「赤水が出た。大変だ。すぐに配管を取替えなくては。」という行動に出る前に、まずは原因の特定をしてみましょう。

ステップ①赤水が出た蛇口からの水をチェック

ある程度の時間、水を出しっぱなしたあとで、洗面器に溜まった水をチェックしてみてください。近所で水道工事があったりすると、一時的に赤水が出る場合があります。また長期の旅行や出張をしたあとも赤水が出やすい状態になっています。

水を出しっぱなした後でも赤水がなくならないのであれば、一時的なものではないので、応急措置として簡易的な浄水器を設置すればある程度の期間の赤水対策となります。ただし、赤水が出てきているということは給水管から水漏れするリスクはとても高いので、ステップ②の確認を引き続き行うことをお勧めします。

ステップ②他の蛇口からの水をチェック

特定の蛇口からだけ赤水が出て、他の蛇口からは出てこないのであれば、管理会社に配管の材質を聞いてください。コア内蔵、管端コアといった言葉が出てくれば、水道メーターから赤水の出る蛇口までの給水管だけがコア内蔵、管端コアの処理が不完全である可能性があります。その場合は、当面は赤水が出てくる蛇口に簡易的な浄水器を設置し、しばらく他の蛇口からも赤水が出てくるか状況を確認してみることも、極力お金をかけたくないということであれば、ひとつの選択肢となります。

ただし、特定の蛇口だけとは言え、赤水が常に出てきている状態ということは、給水管からの漏水リスクはかなり高い状態で、他の給水管も同様の可能性も高いので、ステップ③の確認を行うほうが賢明ではあります。

なお、さきほどのコア内蔵、管端コア処理がされていない給水管の場合は、他の蛇口までの配管も同じ状態に陥っている可能性が高いので、ステップ③の確認を行うことをお勧めします。

ステップ③全戸で同じ状況なのかをチェック

他の世帯では、赤水が出ないのであれば、さきほどのコア内蔵、管端コア処理がその世帯だけ不完全であった可能性があります。その際は、給水管の取替等の漏水事故対策は、ひとまずは、特定の箇所のみ行うこともひとつの選択肢となります。ただし他の世帯も同様であるリスクもあるので、ステップ④の確認もそれほどコストはかからないので、ステップ④の確認もしてみることをお勧めします。

ステップ④受水槽および専有部の蛇口からの水質をサンプリング調査

受水槽のあるマンションでは定期的に水質調査を行っているので、まずは前回の水質結果を確認してみてください(鉄濃度の調査は省略されている可能性がありますが、改めて実施しても1万円程度で調査可能です)。それから専有部の蛇口からの水質調査をしてください。全ての蛇口を行うのは大変ですので、給水管の竪管の系統ごとにひとつの蛇口でまずは調査してみることをお勧めします。これにより特定の系統のみ給水管の錆びが進行しているのか、あるいは全体的に錆が進行しているのか進んでいるのかの傾向を把握でき、予算に合わせての当面の対策が可能となります。

ステップ⑤各世帯のパイプシャフト内の水道メーター回りと専有部の給水管の内視鏡調査

ステップ④の調査と比較するとステップ⑤の調査は若干コストがかかりますが、内視鏡による調査でより精度が高く給水管の錆びの進行度合いが調査できます。給水管の材質、コア処理しているか、水道メーターと給水管との接続部が異種金属接触していないかも合わせて確認することで、錆びの進行度合いが特に早い水道メーターまわりのみを更新すればいいか、専有部内の漏水事故対策を行う必要があるのかの判断が、何も情報のない場合と比較して精度の高い判断が可能となります。

ステップ⑥漏水事故対策

赤水の多くはマンションの専有部まわりの配管が錆びることで発生します。発生場所として最も多いのは、以下の二箇所です。

①水道メーターまわりの配管

築20年以上のマンションでは
・水道メーターの材質:砲金(ほうきん、銅と錫(すず)の合金)
・水道メーターと接続している給水管:鋼管(ライニング鋼管、亜鉛メッキ鋼管(いわゆる白ガス管))
の組み合わせが多いです。

この場合、種類の異なる金属同士が接触して鋼管側が錆びる”異種金属接触腐食”が赤水の原因となります。この異種金属が接触している部分は築年数20年程度でも、錆びコブにより配管の閉塞率が80%以上となっている場合も珍しくありません。

なお、赤水が出た世帯で水道メーターから先の専有部の床下の給水管がライニング鋼管でかつ継手部分がコア内蔵・管端コア処理をしているマンションでは、専有部床下の給水管が原因で赤水が出るケースは比較的少ないといえます。よって、このような配管状況(専有部内はコア内蔵・管端コア処理がされている)の場合は、「赤水の出ている世帯の水道メーターまわりの配管のみを錆びない材質に取り換えてみて、他の世帯に関してはいったん様子を見てみる」ことは、それほど費用をかけられない場合は、ひとつの選択肢となります。

②専有部の床下の配管

築20年以上のマンションでは、鋼管を利用しているケースが多く、赤水が発生するパターンとしては以下が考えられます。

Ⅰ.亜鉛メッキ鋼管(白ガス管):年数が経つと鋼管部分がむき出しになりその部分が腐食して赤水の原因となることが多い
Ⅱ.ライニング鋼管:継手部分が腐食して赤水の原因となることが多い
Ⅲ.ライニング鋼管(コア内蔵・管端コア処理):継手部分の施工不良により水と鋼管が接触する箇所がある場合はそこが赤水の原因となりえるが、継手部分に何も処理を施していない場合よりも赤水が発生する可能性は低い

Ⅲの場合は、赤水の出ている世帯のみ赤水対策を行い、他の世帯に関してはいったん様子を見てみることは、それほど費用をかけられないのであればひとつの選択肢となります。

とるべき赤水対策としては、ケースバイケースで以下のような方法があります。

・配管のオゾン洗浄:専有部の床下の配管のみが赤水の原因であった場合、洗浄後はすぐに赤水が解消される可能性があります。ただし、水と鋼管は接触し続けるので、経年により赤水が再発する可能性があるため、何年かに1度、繰り返しの作業が必要となることが多いといえます(腐食によって漏水事故が起きた場合、保険でカバーすることは難しくなってきています)。

・ライニング工事(更生工事):錆を砂等で削り取り、その上から樹脂を被膜する工法です。専有部の床下の配管のみが赤水の原因であった場合、施工後はすぐに赤水が解消されます。保証期間が過ぎると水と鋼管が接触し始めるため、補償期間後は別の対策が必要となります(保証期間後は、腐食によって漏水事故が起きた場合、保険でカバーすることが難しくなってきています)。

・配管の取替(更新工事):専有部の床下の配管のみが赤水の原因であった場合、施工後はすぐに赤水が解消され、錆びない材質に取り換えるので更新後は専有部の床下が原因の赤水が再発する可能性はほぼなくなります。ただし工期が長く、費用が高額となります。管理組合が主体で、全戸の配管を取替える場合は、各世帯から数十万から100万円前後の一時金を徴収するケースが比較的多いといえます。

・配管保全装置「エルセ」:専有部の床下の配管のみが赤水の原因であった場合、施工後、徐々に赤水が解消されます。専有部内での作業はなく、1日程度で工事が終わり、専有部の排水管を含めた保全効果を期待できます。費用的には配管の取替の数分の1程度で設置可能で、専有部の配管保全のために高額な一時金を各世帯が追加負担する必要性は低いといえます。また、万が一、内部腐食により漏水事故が生じた場合、配管の取替費用、階下への賠償費用を築60年までエルセ保険でカバーすることが可能です(原因によっては不適用となります)。配管保全装置「エルセ」についてはこちら。また、エルセ保険はこちらをご覧ください。